07/02/25 21:53:08 SkR79iAW0
>>386
石の階段を駆け上がり駆け下る少年が見えた。そうして懸命に自らを構築しようとしている
姿に祈りの形をみてとる。階段の手前にある手水舎。その側の石に腰掛けて、彼らの弟は妹に
本を読んでいた。そうしたものをシュナイゼルとクロビスは見つめていた。
休暇の前日に届けられた手紙。その簡潔極まりない、実に兄らしい文面に苦笑し、
すべての予定を断る旨の手紙を数通したため、執事に手渡してからは、あとは矢のように
クロビスは兄の待つ空港へと駆けた。
兄は何を着ても喪服のように映る…そう思った。自らはまだ知らぬ戦さ場、そこで身に
つけた佇まい。そのように解している。弟と妹と友人を見つめる二人を、黒曜石と春待つ小鳥と
描くだろうか…無言のうちに陽が傾き、やがて見つめる先の笑顔を夜がさらっていった。
異文化に戸惑い楽しみ、兄の背を洗い、時折キスを交わし合う。背中合わせに湯につかり、
浮かんだ桜の花弁をすくい取っては流し飽きることのないようなクロビス。
兄は桜を見にきたのだとぽつりともらした。
計画は進んでいた。兵站を築き、兵を磨き、策は幾重にも。この国の春はこの時限り
違ったものになるだろう。二人にとり弟と妹はすでに失われたもの。わずかに残る肉親への
興味をそっと置きにきたというところか…兄らしからぬ感傷に妬けた。
兄の肩に手をかける。そこに重ねられる手。兄はお前は…と言いかけてやめ、かわりに
唇を重ねてきた。はしたないほどに糸をひいて離れる。クロビスはただ一言応えた。
「イエス、マイロード…」
こうですか!? わかりません > < でも、湯上がりに手拭いで股間をパーンは確実!