07/01/22 12:17:48 YbMyuzY90
オリジに反響してもらえるとは嬉しい
>>349
ネットをチラ見したとき、シチリア・マフィアってアメリカから移ってきたって記事がありましてん
ほんなら~アメリカンな名前かなと単純に……今読み返したらイタリア→アメリカ→イタリアの逆輸入マフィアンでした
すまぬよ すまぬよorz
ご指摘感謝します
351:風と木の名無しさん
07/01/22 18:47:26 Xj3+VTP60
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )日曜ドラマ鰈の父×次男です 近親注意!
「お前は私の子だ…」
繰り返し父はそう言った。
その真意は判らなかった。
しかし、
「どうして、僕なのですか」
まだ幼いその問いに、父が答えることはなかった。
初めて父の寝室へ呼ばれたのは、高校へ上がった頃であったと記憶している。
話がある、と言われた。
なぜ居間でないのか訝しく思ったが、父の就寝前であるためか、と心得て深夜、そのドアを叩いた。
家庭教師である女性がその部屋へ出入りしていることもすでに確信に変わりつつあったので、
入れと言われても何となく足が進まなかったのを覚えている。
中に入ってからは、酒精が効いたかのように、夢現つであったかのように、記憶が判然とせず、全てに惰性的に
なった今思い出してさえ現実的ではない。それほどにまだ若かったの自分には衝撃的だったのだろうと思う。
父は僕に触れた。僕のことを如何に大事な息子と思っているか語りながら。父の表情はいつもながらの
仏頂面だったが、それだけに一種異様な雰囲気に僕は逆らえなかった。夢のよう、と例えたのは、まさに
判断能力さえもその雰囲気に奪われていたとさえ言えるからである。父は服を脱ぐように求めた。僕をはっきりと
見たいのだと言った。僕は、それに応じた。
352:鰈ー族 父×次男2
07/01/22 18:48:11 Xj3+VTP60
そんな夜は繰り返された。何が起こっているのかは判らなかったが、それが性的なことだということは
一夜目が明けた朝には判っていた。父は息子の平たい胸をまさぐり、体中を撫で、時に接吻し、僕に快楽を
促した。しかしなぜ父がそんなことをするのかは判らなかったし、そもそも男同士でそのような行為に及ぶという
ことの意味も判らなかった。自分の知らない何らかの意味があるものなのかとも思ったが、誰に訊くにせよ憚られた。
女子との付き合いはあってもそのような関係に及ぶことは、万一のことを考えるとリスクが大きすぎた。
あっさり切れるような女ならともかく、相手はほとんど同じ学校で知り合うような名家の令嬢なのだから、
家の体面を考えると結婚相手でもなければまずいことになる。結婚相手はどうせ将来政治的に決まるのだから、
今は考える必要などなかった。そんな自分にとって、父の寝室は、ただ快楽であった。それ以上でも以下でも
なかった。変わったことと言えば、少しだけ彼の愛人を見る視線が変わったことくらいだった。彼女も、
僕と同じようなことをされている。それは思春期の性をぐっと身近に感じさせたが、彼女を性的な対象と
見ることはなかった。
僕の相手は父だ。それは、自ら選ぶと選ばざるに関わらぬ、絶対的な事実として受け止められた。
しかしそのうちに、父の中に息づく強迫観念のようなものが見えてきた。父は狂ったように僕を求めた。僕を、
僕が身を捩ることを、すすり泣きをすることを、父が好きだと訴えることを。しかし本当に求めているのは
何なのか。一度意識すると、その対象は手に取るようである。それは兄だった。
「お前は私の子だ」
熱に浮かされたように父は繰り返した。その度に僕は、僕はお父さんの子ですと答えてやった。しかし
何度答えても、父はそれには満足できぬように、息子の体を愛撫した。
353:鰈ー族 父×次男3
07/01/22 18:48:46 Xj3+VTP60
ある夜僕は勝負に出た。父の寝室での夜は、彼の愛撫によって僕が、そして僕の姿態によって彼が
精を吐くことで終わりを迎えていた。それを逆手に取った。
なぜそんなことをしようと思ったのかは明確だった。
兄に、勝ちたかったのである。
「お父さん…」
吐息にまみれた声で、父の男性が十分に力を持っているのを見越して声を上げた。父の目は既に欲に濡れ、
僕しか見ていないと自信があった。随分の間口の中でしゃぶっていた父のそれ、その先端をちろりと舐めたり
指で擦ったりしながらいつもより特に甘えた声を出した。
「あぁ、待って下さい、お父さん」
息子を抱き寄せようとするとする父の体を少しだけ遠ざけ、その目の前で大きく脚を広げた。その行為は
少なからず僕自身をも興奮させた。そのことに自分でも少々驚きながらも、吸った息を大きく吐いて、僕はそこを
広げて見せた。父は自分の目の前の息子の恥態に目をみはっているように見えた。
「お父さんがいつもそのお指で気持ちよくさせて下さるところです」
呼吸が乱れて一息には言えなかった。言いながら自分で指を入れていくと、あぁ、と関係のない音が
漏れてしまった。唾液を絡ませてもいない自分の指は痛みを生んだが、先刻まで父が舐めたり揉んだりしていた
秘部は、ゆっくりそれを飲み込んでいった。
「ここに、本当は、…入るのでしょう…お父さん」
354:鰈ー族 父×次男4
07/01/22 18:50:16 Xj3+VTP60
何がとまでは流石に言えなかったが、その代わりに指を彼の物に這わせてそれを示した。怒張したそれは、
確かに指や肌よりも粘膜を欲していた。僕は舌を出して、この体勢では届かぬそれを舐めるかのように、舌で父を
手招きした。意外にも彼は少し逡巡したようだった。しかし僕から抱きつくことで、終わりになった。
入ってくる。それを意識した瞬間、脳裏に兄の涼やかな顔が浮かんだ。
兄さん、そう彼に頭の中で呼びかけた次の瞬間、予想以上の圧迫感に息がつまり、喉が反った。
「あぁ…ああ、お父さん、お父さん」
しかしそれはやはり僕にとって快楽であった。彼はまた僕を、自分の子であると言った。その自分の子を
犯しながら言った。笑いそうになってしまった。絶頂の寸前、耐えきれず口元を歪めてしまったのは、
しかし兄に対する優越感からだったのかもしれない。そして、今までにない物理的な快楽と、征服されるという
被虐的な悦楽と。父はその淫乱の笑みにさえ興奮を高め、射精した。僕は本当に父の物になってしまったと
その時に思った。しかし悔いはなかった。自分でもおかしなことだと思うが、兄に対する勝利の余韻の方が
ずっと強く僕を支配していたのだ。
その日以来、僕は今までに増して父に愛されるようになった。
兄を越えたと思った。夜毎父に求められる度、自分はあの女も、母さえも寄せ付けぬ魅力を父に対して
発揮することに成功したのだと思った。まして兄さんなど。
しかし僕は兄に勝ってなどいなかった。
それは数年して忘れた頃に思い知らされることになる。
兄がマサチューセッツからの帰還を半年後に控えた秋のことだった。
355:風と木の名無しさん
07/01/22 18:51:54 Xj3+VTP60
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )中途半端な終わりでごめんね!
というか最初に謝っとくべきだったけど、原作や公式設定を
ぜんぜん知らないのだよ・・・ファンの人スマソorz
356:風と木の名無しさん
07/01/22 20:31:33 ZCg4emKgO
( ゚д゚)モッエー
357:風と木の名無しさん
07/01/23 00:53:22 UISNp25M0
>>351-354
切ない萌え(;´Д`)ハァハァ
358:風と木の名無しさん
07/01/23 01:00:12 eJnSBTlE0
>>355
ネ申
359:風と木の名無しさん
07/01/23 01:09:55 kws020gBO
禿萌 ありがとう
360:風と木の名無しさん
07/01/23 02:07:59 BPEdGbjoO
神よ激しい萌えをありがとう
361:風と木の名無しさん
07/01/23 15:27:57 kVi0zYRj0
>>351-354
父×次男ムッハー=3
ありがとうありがとう
362:風と木の名無しさん
07/01/23 19:56:50 RJOliNJv0
レスくれた姐さんたちありがとう!意外なほど父次男に萌えてくれる
人がいて嬉しかったので続きも投下してみる。
連投済みません('・ω・`)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )
363:鰈ー族 父×次男続き 1
07/01/23 19:58:01 RJOliNJv0
帰国した兄は、僕を含めた周囲の予想通りに身を立てていった。
経営者として製鉄を継ぎ、学んだ専門知識を生かしながら技術力を高め、嫌みのない態度で部下にも
慕われていた。また、美しい妻を迎え、その後ろ盾をも同時に得ることでさらに財と権を兼ね備えた。
まさに一点の汚れもない人生だった。それは僕もとっくに予測していたことだった。幼い頃から兄は
憧れであり、嫉妬の対象であり、比較される対象であった。だが自らの予想が裏切られなかったことに、
内心ちりちりと弱火で焦がされるような苛立ちを覚えることもあった。
しかし兄が僕を弟として愛する態度は、留学前と何ら変わらぬものだった。帰国を祝うために家族が
空港に迎えに出た時も、兄は父と母に礼をした後で僕と姉妹を一人ずつ抱きしめて久しぶりだなと笑った。
自分に厳しく、周囲に親しく。人格的にも非の打ち所のない兄を数年ぶりに目の当たりにした僕は、
それを相変わらずだなと冷めた目で見つつも、やはり彼に憧れている自分を見つけた。
兄は僕の頭上に手をかざし、背を測るような身振りをしながら、また大きくなったなと言った。
僕は兄の印象が大人びたことを告げて、その後で出かかった言葉を飲み込んだ。
学と経験を積んで一人前の成人男性として帰ってきた兄は、肖像画に見る祖父の面影を色濃くしていた。
兄特有の明るい表情が一瞬真顔になる時など、それは瓜二つであると言っても良かった。
なぜそれをすぐに口に出せなかったのか。それは家に戻って幾日かが過ぎてから判った。父がその場に
いたからである。
父は家で、特に兄と親しげに話すことはなかったが、祖父の肖像画を黙って見ていることが多くなった。
それが僕には、兄を見ているようにしか思えなかった。父の兄への執着、そしてそれに対する嫉妬心は、
あれ以来ーー僕が自ら父と交わって以来しばらく忘れられていたのに、再び意識されざるを得なくなった。
364:鰈ー族 父×次男続き 2
07/01/23 19:59:09 RJOliNJv0
僕は父の寝室でさりげなく糾した。父が僕のことを本当に可愛い息子だと褒めそやすのに、
「兄さんよりもですか?」
そう訊いてみた。一度目は、父はじっと僕の顔を見た後で、あいつはお前とは全然違うと答えた。二度目に
同じことを聞いた時、父は黙り込んでしまったので、その唇に舌を這わせて接吻し誤魔化した。
その後は、兄の話は寝室ではまずいと思って避けている。そうする限り、父はただ僕を本当の子供だと
呼び、僕を愛した。身も心も夜通しかけて。まるでもう一人息子がいるなんてことはないかのように。
父と兄、そしておそらくは父と祖父と兄、その間にある何か複雑な結びつきに僕は関心を持ったが、
深入りは危険だと判断し、気にしない風を装った。
しかし日に日に心中に焦りが生じてきた。はっきりと自覚したのは縁談の話を出された時である。
「お前もじきに嫁を取って暮らすのだな」
睦言の間にも父はそう零すようになっていた。それは僕にとって時間のリミットを知らせる通告のように
も響いた。そうでなくても、自分は成人し、父が最初に求めた少年の柔らかい肢体とは随分異なる、強い
筋肉と細長く固い四肢を持つ、男の体になっていた。それでも父は変わらず夜に僕を呼びつけたし、僕の
体もその都度愛でた。しかし不安は募っていた。そこへ伴侶の話をされたのだ。
冗談ではない。そう思った。
「お父さん…寂しいですか?」
「うん?お前はどうなんだ」
結婚は避けられるものではないが、それをきっかけにこの関係が終わる可能性は高い。別邸へ移るかも
しれないし、父の側で暮らすとしても夫婦の寝室を設けられるだろう。それを抜け出すだの言い訳するだの
考えるだけで厄介だった。そもそも縁談を取り仕切る父の愛人は、父との夜を共有するという意味では同じ
立場でもある。本人に聞いたことはないが、僕と父の関係を知らぬなどということはないはずだった。
「…お父さんの部屋へこうして来れなくなるとしたら、勿論寂しいですよ」
365:鰈ー族 父×次男続き 3
07/01/23 20:02:19 RJOliNJv0
父と情事を持つこと。そしてそれを兄に秘すること。それだけが、僕を兄よりも優位に立たせていた。
「可愛いことを言うものだな。綺麗で従順な娘が来れば、私のことなど忘れるだろう」
「まさか…お父さん、お父さんが今までずっとお世話して下さった僕のこの体は、どうしろと言うのです。
いくらいい娘が来ても彼女にはどうにもできない、この熱は…」
情事。そんなことで何が優越しているのかと、聞く者が聞けば笑い飛ばすだろう。
「父のせいにするのか?お前の、過敏な体を」
「お父さん、あぁ、悪戯をしないで下さい。あぁ、駄目だ…駄目です、いけない」
しかし僕にはもうそれしかなかった。僕にできて兄にできぬ唯一のこと。それは恥ずかしげもなく実の
父の前で股を開き、父の体の上で卑猥な言葉を叫んでは、舌を吸い上げて接吻を繰り返すことだけだった。
「どうにもできない熱だと?どこが熱い。私に見せてみなさい」
「お父さん、ああもう貴方が欲しい。もう、あぁ焦らさずに…お父さん」
見合い写真を見せられた時は、いずれ避けられないと思ってはいたがついに来たかという感じだった。相手は
家柄も利害も器量も良く、断る理由もなかった僕はその場で承諾した。任せると告げると、微笑んだ父の愛人は
心なしか勝ち誇ったように見えた。
焦ってはいたが、何か行動を起こさねばと思うたびに自ら待ったをかけた。一つには父の本心が読めなかった
からだ。兄が帰国してからも相変わらずただ厳格な態度を示し続ける父は、本当に僕だけを愛しているのでは
ないかと思える時もあった。そうだとすれば一人疑心暗鬼な自分が滑稽だったが、涼しい顔で高炉建設だとか、
夢だけを見て走り回る兄の高潔さを見ていると吐きそうになった。彼の持つあまりに多くの美しいものに比べて、
自分が縋り付く唯一の誇りは自分を男娼に堕とし男娼であり続けることか。そんな惨めな問いが浮かぶたび、
忘れる為に父と交わった。
366:鰈ー族 父×次男続き 4
07/01/23 20:03:11 RJOliNJv0
しかし壁伝いに迷路を彷徨いながら婚約を待つだけの日々は唐突に終わった。
「お父さんは、僕が嫌いなのですか」
その兄の言葉、全く彼にしては珍しく馬鹿らしいとしか言いようがない、一言の台詞によって。
物陰から見ていた僕には気づかずに、父は言った。
「…私は、いつもお前のことを一番に考えているよ」
そんな言葉を、
僕はかけられたことがあっただろうか。
一度でさえも。
虚言であるはずはなかった。その一言を紡ぎ出すまでの、父の表情といったら!何事か押さえ込むような、
何事か逡巡するような…そんな彼が普段他人に見せることのない内面が、湯船から湯が溢れるように外へ
流れ出していた。企業家として幾多の修羅場を口八丁手八丁で切り抜けてきたあの父が、そのたった一言の
ために!
愕然とした。色に濡れた吐息で、お前だけを愛していると確かに父は呟いた。体と体を溶け合わせながら
何度もお前は私の子だと聞かされた。けれどもそんな言葉が欲しい訳ではなかったのだと、この瞬間に気づかされた。
兄のような言葉をかけられたことはなかった。父の勧めを拒んだ兄の代わりに父の銀行に入り、父が僕の体を
欲しいといえばそれさえ捧げ、どんなに仕事で疲労した日でも望まれれば抱かれた。そこまでしても、
そんな言葉は、一度でさえも。
兄は…傷ついたような顔をしていた。僕が何より望んだ台詞を父に吐かせて。それが清廉潔白の標本のような
男の反応だったのだ。
その瞬間、僕は決意した。結婚する前にやらなければならないことができた。
どうしても、兄を僕のいるところまで堕とさなければ。
367:風と木の名無しさん
07/01/23 20:07:01 RJOliNJv0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )オソマツサマ!
そろそろ原作を読んで勉強しなきゃかな・・・
この後も書こうと思ったのですが、連投の上あまり長くなると他ジャンルの
姐さんが投下しにくくなると思ったのでいったん切ります。
368:風と木の名無しさん
07/01/23 20:27:10 uh4lnXb10
>>367
1本目読んでたらリアルタイムで続きキター(*´Д`)
しかも続きのヨカーン!! ネ申よほんとうにありがとう
萌えつつ絡みに迷っていた次男の方向性が、かなり見えてキターヨ
切ない淫乱ちゃんカワユスカワユス
369:風と木の名無しさん
07/01/23 21:31:02 UNGPuCV5O
(;゚д゚)ゴクリ
370:風と木の名無しさん
07/01/23 21:43:29 vLVUXaCI0
ぜ、ぜひ続きを(;´Д`)ハァハァ
371:風と木の名無しさん
07/01/23 21:58:41 7KuAbf/a0
は、早く続きを…!次男、何をするつもりなんだ(*´Д`)ハァハァ
372:風と木の名無しさん
07/01/24 05:08:42 58yHFVmh0
激しく萌え(*´Д`)ハァハァ
長男次男か次男長男かどっちにしても激しくwktk
次男の誘い受けか襲い攻めでエリート街道まっしぐらな長男が
道を踏み外したらと思うと・・・続きが早く読みたいです!
373:風と木の名無しさん
07/01/24 10:55:54 jAf+lDaf0
こんなに筆力のあるSSを初めて読みました…。(;´Д`)ハァハァ
遠慮せずに続きをドゾー。
374:風と木の名無しさん
07/01/24 13:27:51 nD1sbJLr0
続きがここまで気になるSSははじめてですよ。
375:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/24 18:09:57 U1M7JpgJ0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
376:風と木の名無しさん
07/01/24 18:10:54 U1M7JpgJ0
「あっ…はあっ…もう放…してくれっ…!」
何故、こんな事になったのだろう。
私の体はこんなに浅ましかったのか。
人間の男の手管におぼれ、挿入され、精液を放たれる。
一方で、鉄製の首輪をされ、鎖で手首も縛られ、私は思うように動けなかった。
この狂った宴は、いつまで続く。
「ヴァンパイア討伐の依頼かあ~」
鍛え抜かれた体を持つ、ロマール人の男が、ギルドの中でつぶやいた。
持ち物はブラッディウイップに、対象者を殺さぬようにできた、いわゆる不殺武器、正義
の鉄槌。
身なりからして戦士だろう。重そうな鎧を身にまとっていた。
「ヴァンパイアとその取り巻きが、儀式の迷宮に住み着いたんでさ。ヴァンパイアのほう
はえらく綺麗な顔してますが、油断しちゃならねぇ。スティールエナジーで殺される冒険
者もいるみたいですぜ。どうします?」
スティールエナジー。対象者の体力を奪い、自分のものとする魔法だ。
ヴァンパイアらしい。
無骨な指が、依頼書をはじいた。
「儀式の迷宮か…そんなにわずらわしいダンジョンでもない、ヴァンパイアとも互角に戦
えるだろう。引き受けようか。報酬は…19070G?十分だ」
男の属性は混沌、悪。
暗殺や誘拐にも手を染めているため、警備員に追われてる身でもあった。
そのため、この街のはずれに貧相な家を構えている。
この男の財力なら、普通の家にするくらいはできるのに、しないのは、一人身で、必要性
がないからである。
「だんな、一人で大丈夫ですかい?」
ギルドの人間が、男が一人だということを確認して、心配して声をかけた。
377:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2
07/01/24 18:12:30 U1M7JpgJ0
何せ六人パーティで挑んで、仲間の大半を失って、逃げ帰ってきた冒険者もいたくらいだ。
「駆け出しの頃から一人ですべての依頼をこなしてきた。見くびってもらっちゃ困るな」
「失礼しました、ロウッドさんといえば表も裏も―おっと、まあ、有名な方ですからね
ぇ、がんばってくださいよ」
ロウッドと呼ばれたその男は、依頼書にサインをした。
その足で道具屋へ向かうと、ダンジョンに必要なものをそろえだした。
ランプ、ポーション類、ダンジョンの鍵を開けるシーフキー(もっとも、この男の器用さは
人間の域を超えてるので、必要ないかもしれないが)。
儀式の迷宮は、この街から少し離れたところにある。
彼は儀式の迷宮を目指し、道なき道を歩み始めた。
儀式の迷宮は鬱蒼としていた。
小さな迷路のようなつくりのこの屋敷には、沢山の部屋がある。
だが主のいないこの屋敷は、どこも埃っぽく、モンスターの巣窟と化していた。
隠し通路もあり、その下を行けば炎の吹き出るトラップだらけの天然の洞窟。
迷宮にも慣れているロウッドにとっては、そんなものもちゃちな仕掛けにしか見えなかっ
たが。
途中、行く手を阻むモンスターたちをなぎ倒しながら、時々休憩を取り、ロウッドは奥へ
と進んでいった。
ロウッドにとっては何の障害にもならないようなモンスターたちばかりだった。果たして
ヴァンパイアはどのくらいの強さなのか、想像しながら進んでいった。
逃げ帰った冒険者いわく、バンパイア・バットを従えているという。
バンパイア・バットはスティールエナジーを使う、ヴァンパイアもまた然りだ。それさえ
気をつけていれば、案外楽に倒せるかもしれない。
そうしてたどり着いた先に、彼はいた。
――ヴァンパイアだ。
ヴァンパイアは、冒険者の死体に囲まれ、立ち尽くしていた。
どの死体にも首筋には牙の後があり、血を吸い尽くされたのがよくわかった。
378:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア3
07/01/24 18:15:55 U1M7JpgJ0
白い肌、赤い目、血に染まった青い服、さらりと流れる銀髪。
一瞬、ロウッドは息をのんだ。
「新たな冒険者か」
ヴァンパイアはロウッドをにらみつけ、目の前の冒険者の死体をけり転がした。
美しい顔に似合わず残忍だ。だが、そのヴァンパイアに釘付けになっているのはロウッド
だった。
欲しい。この男、欲しい。
「悪いが俺は、そこでくたばってるやつらとは違うぜ。―あんたを、生け捕りにきた」
「…生け捕るだと?そんな事ができればやってみるのだな!!」
ヴァンパイアの鋭い爪が、目の前をよぎった。
それをすんででよけ、ブラッディウイップがしなる。
鋭い音がして、ヴァンパイアの衣服が裂け、体力をわずかに吸い取った。
(効かないか)
正義の鉄槌に持ち替えると、ロウッドは再度ヴァンパイアに向かって振り下ろした。
ガードはされたが十分に体力は削れている。
ヴァンパイアも負けじと攻撃をしてくる。鋭い爪が、ロウッドの首をかすった。
わずかに血が、こぼれた。
ついで、バンパイア・バットの牙が、肩をかすめる。幸い丈夫な鎧に阻まれてたいした衝
撃にはならなかったが。
(チッ、なかなか油断ならねぇな、ヴァンパイア一筋で行くか)
そしてヴァンパイアに向かって、突進した。
ずいぶん長い時間がたっただろうか。あたりには例の冒険者と、バンパイア・バットの死
体が散乱していた。
そして足元には、気絶しているヴァンパイア。
後一回、スティールエナジーが来てたら、ロウッドも危なかったただろう。
それくらいのダメージを追って、しかしヴァンパイアの体力をある程度減らし、気絶させ
た。ヴァンパイアも精神力がぎりぎりまで削られたのだろう。最後はスティールエナジー
すらしてこなかった。
殺してしまえば楽だった。
だがそれをしないのには、生け捕るという、目的があったからで。
379:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア4
07/01/24 18:18:30 U1M7JpgJ0
ロウッドはヴァンパイアを縄で縛ると、口に布を巻きつけた。軽々とヴァンパイアを持ち
上げると、ダンジョンから出て行った…。
ダンジョンから出たときは、すでに夜中の十二時を回っていた。
人気のない道を歩き始める。町外れの自分の家を目指していた。
家の周りですら、人がいなかった。それは好機であった。
家へつくと、まっすぐに自分の寝室へと向かった。そしてそばにあった鎖で腕をぐるぐ
るに巻くと、ベッドにつなげた。
どれだけヴァンパイアが怪力だろうと、これならば逃げ出せないだろう。
男はいまだ目を覚まさないヴァンパイアの美しい寝顔を見て、低く笑った。
「いやあ、流石ですなロウッドさん。儀式の迷宮からヴァンパイアがいなくなったって、
住民が喜んでましたよ!!あ、はい、これが報酬です」
報酬を受け取りながら、ロウッドは話をあわせた。
「ちょっと危ない場面もあったけどな、ヴァンパイアはいなくなった。これで安心してす
めるだろう」
「そのとおりです」
笑顔のギルドの男を見やってから、ロウッドは心の中で笑った。
(本当はヴァンパイアは殺さなかったんだがな、気づくものはいまい)
ロウッドはそのまままっすぐ家へと帰った。
冒険に必要なものなどは買わず、ただ購入したものは、鉄の首輪だった。
鉄の首輪からは鉄の鎖がついていて、何に使うのかわからない品物だったが、惹かれるも
のがあった。
380:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア5
07/01/24 18:19:19 U1M7JpgJ0
「ん…う…!」
がちゃ、がちゃがちゃ
鉄と鉄とがぶつかり合う激しい音が、する。
布に阻まれ、言葉にならない声を上げる男がいる。
その様子を、入り口から満足そうに眺める男が、もう一人。
ロウッドである。
「よう、目を覚ましたか」
「!!」
ロウッドはヴァンパイアのあごをつかむと、まじまじと見つめた。
「う…んー!!」
ヴァンパイアは顔を左右に振って抗ったが、ロウッドの腕力で抑えられ、まともに顔も動
かせない。
顔を離してやると、キッとロウッドをにらみつけた。
「自分の状況がわかってないみたいだな。おら、首上げろ」
半ば強引に首を上げさせると、そこにポケットから出した首輪をはめ込んだ。
ガチャリと鍵のしまる音がして、ヴァンパイアの目は見開かれる。
鉄の首輪の冷たさに眉をしかめ、その首輪の意味することに、いっそう抵抗を強めた。
狭い部屋に、ガチャガチャと鳴り響く鎖の音。それでもかまわずに、鉄の首輪から伸びる
鎖を、ベッドに絡み付けた。
「んん…うん、んー!」
「今日からお前は奴隷だ、俺の言うことは何でも聞くんだぞ?」
「!うう…」
「なあに、毎日かわいがってやるって」
赤い瞳に絶望が浮かぶ。あごをすくい上げ、その様子をじっと見詰めるロウッド。
ぺろ、と、ロウッドは舌なめずりをする。そしておもむろに、ヴァンパイアの衣服に手を
かけた。
音を立ててボタンが飛ぶ。その下にあるハイネックの衣服にも手をかけ、同様に引き裂い
た。
びりびりと音を立て、破れていく衣服に困惑しながら、ヴァンパイアは抵抗を続けた。
だがその抵抗もむなしく、彼の上半身の衣服は剥ぎ取られた。
その肌をまさぐるように手を乗せる。
381:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア6
07/01/24 18:20:18 U1M7JpgJ0
「綺麗な肌だなあ。おっ、ここは俺との戦闘で内出血したところか?傷はつけないでおい
て正解だったな」
「んんっ…」
背をかがめて、赤く色づいたヴァンパイアの乳首に舌を這わせる。
とたん、ヴァンパイアは金縛りにでもあったようにうごかなくなった。
「…!」
ロウッドは左手で、ヴァンパイアの腰あたりをまさぐると、ズボンを下ろしていく。
「…んー!んー!」
そうしてヴァンパイアの衣服を、コートを残してすべてはぐと、その姿に見入った。
「女のように丸みはないけど…あんた、綺麗だな…、もっと、綺麗にしてやるからな…」
男は自分も衣服を脱ぐと、その衣服を床にぽいと置いた。
そしておもむろに、いつも使うバッグの中から、未使用のヒールジェルを取り出した。
「…?」
ヴァンパイアの足をつかむと、秘めた部分がよく見えるように、彼の体を折りたたませた。
足と足の間に,ヴァンパイアの顔がある状態だ、苦しそうにもがくと、恥ずかしい部分を
見られているという羞恥心に、頬を染めた。
「ここ、ならさねぇとな」
そこに、ジェルを塗りつける。ヒヤッとした感触が、背筋を駆け巡った。
本来これは食して体力回復に使うものだが、慣らす分にも具合がいい。
「ん…う…!」
くちゅ、と、みだらな音を立てて指が中へと入っていく。
冷たい感触とともに入ってくる異物感に、ヴァンパイアは苦しそうに首を横に振った。
やめてくれ、という意味なのだがそんなことには気づかず、指の本数を増やしていく。
くちゅ、くちゅ。
耳を音で犯され、そして十分ジェルの入りきったそこに、男は己のものを擦り付けた。
凶暴なまでに熱さを秘めたそれはが、ゆっくりと中へ入っていく。
痛いのか苦しいのか、ヴァンパイアは悲鳴を上げた。が、それも猿轡で邪魔にされ、くぐ
もった悲鳴にしかならなかった。
「んんっ…んんんっ!!」
「苦しい?それとも気持いいか?一回きりじゃまだ気持ちよくなんねぇか?」
ロウッドはさらに体を進めると、完全に自分の猛りを中に押し込んだ。
「…ん…ふぅっ…」
382:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア7
07/01/24 18:21:03 U1M7JpgJ0
「声…聞きたいけど噛まれるからな…」
強烈な締め付けによいながらも、今度は腰を動かす。
ずっ、ず、と、出入りしているのが、ヴァンパイアにはよくわかった。
大きく見開かれた瞳からは涙がこぼれ、動かされるたび、両手に巻かれた鎖が激しく音
を立てた。
―苦しい。何故私がこんな思いをしなければならないのだ。
ヴァンパイアは思った。
だがそんな思いに気づくはずもなく、ロウッドは腰を使い、攻め立てる。
そしてヴァンパイアの中で達すると、彼の上にのしかかった。
どろ、とした熱いものが流れ込んでくる感覚に、ヴァンパイアは眉をしかめた。
「イかねぇなあ…お前。そのうち気持ちよくなってくるからよ、楽しみにしとけよ」
ロウッドはヴァンパイアの頬に軽くキスし、服を着込むとそのまま部屋から出て行った。
一人放置されたヴァンパイアは、いつの間にか出ていた涙を拭くことはせず、ぼんやり
と力なく天井を見上げていた。
383:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/24 18:22:01 U1M7JpgJ0
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| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ マイナーダヨ。シツレイシマシタ。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
384:風と木の名無しさん
07/01/25 00:37:16 aX5R9DkW0
>>375
元ネタ知らないんだけど、萌えました。
385:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:42:15 MwjcruZC0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 三/丁/目/の/夕/日
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、鱸×茶←淳です。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
386:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:44:15 MwjcruZC0
あれから家に帰ったら僕はびっくりした。
だって家の中がひどく荒れてて。足の踏み場なんてもちろん無い。
「おじちゃんこれ・・・」
「あ~~~~・・・;///」
おじちゃんは髪をぐしゃぐしゃと掻き回し(どうも困ったときの癖みたいだ)
照れくさそうな笑顔で「ちょっとな・・・でもすぐ片付けるからな」と言った。
その笑顔がとても綺麗に見えて、なんだか僕は胸が苦しくなった。
「おぉ~~い」
「ここだよ一平ちゃん!」
「おっせーよ~」
僕らは今日、いつもの仲間だけで放課後ここの土管の中に集まって
いつもやっている冒険ごっこや飛行機遊びをしないで大切な話し合いをしようということになった。
そして今遅れていた一平ちゃんがやっと来て全員揃ったところだ。
「おい三郎。大切な話ってなんだよ」
「そうだよお前が言いだしっぺだろ。なんなんだよ?」
「もうそろそろ言えよー」
狭い土管の中皆に囲まれて急かされた三郎君は緊張した顔をしながらそろそろと口を開けた。
「実は・・・俺、好きな人が出来てさ・・・」
「えええーーっまじかよっ!」
「だれだよだれだれ!?」
三郎君の言った内容に一気に騒ぎたった皆。三郎君の顔はこれ以上ないくらい真っ赤だ。
387:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:46:40 MwjcruZC0
「小百合先生・・・」
「えっ」
三郎君の言った名前に皆びっくりした。僕もだ。だって同い年だと思っていた。
「小百合先生って・・・あの新しくきた?」
「う、うん」
「あーわかるよ僕も好きだ小百合先生」
「うん俺も・・・」
「だっておっぱいでっかいしな!」
「そうそう!すっげーおっぱいでっけーの!な、な」
「あれいいよなぁ~~」
「う、うん」
三郎君は気の毒なくらい真っ赤な顔してうつむいてしまった。
すると和君が
「よっし皆!皆好きな人言い合おうぜ!」
と叫んだ。
「お前は?お前誰が好きなんだよ」
「俺はあゆみちゃんかなーっ」
「えっ俺も!」
「あ~そっちかぁ~。僕はのぞみちゃん。」
「あーわかるぜぇ~!!」
そうやってみんなそれぞれ好きな人の話題で盛り上がり始めた。
けど僕は話題に入れない。なんだかよく分からないからだ。
もちろん、女の子を「かわいい」とか「綺麗だな」とかは思う。
けどじゃあ好きかと問われると、なんともよく分からなくなってしまう。
388:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:47:15 MwjcruZC0
「おいジュンノスケ!」
「え、な、なに?」
「お前は?お前は誰が好きなんだよ」
「ぼ、ぼく?」
じーーっと皆が僕のほうを期待のまなざしで見つめてくる。
「うーん・・・よくわからない・・・」
僕にはこれが精一杯の答えだった。
皆はハァ~~~っと思いっきり溜息をつく。
「あのなあ。お前さ、誰か好きになったことねーの?」
一平ちゃんがぐいっと身を乗り出して聞いてきた。
「うーん・・・」
「だからさ、その人を見ると胸がドキドキしたり!」
「いつも頭の中その人のことでいっぱいになったり!」
「ああっ小百合せんせえ~~っ!チュッチュッ」
ギャハハハハ!!
そうしてすっかり僕の話は流れてしまい、それからしばらくして「大切な話をする会」はお開きとなり皆帰っていった。
けれど僕は未だ一平ちゃんたちが言ったことが耳に残ってはなれず、なかなか家に帰る気分になれなかった。
その人を見るとドキドキする?
頭の中がその人でいっぱい?
思い当たる人が僕には一人だけ・・・いる。
けど・・・
けど・・・・・・
389:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:47:44 MwjcruZC0
考えに耽っていたらいつの間にか外は真っ赤になってしまっていた。
さすがにもう帰らないとと思い重い足取りで家路についたのだが、なぜかいつも開けたままにしている表口が閉まっている。
「あれ?」
僕がこの家に来てから閉まっているところを見たことが無かったから、他の家と間違えたのだろうかと思ったがそうじゃないみたいだ。
近くでドロボウでも出たのだろうか。なにかあったのだろうか。
不安に思ったけど閉まっている表口をわざわざ開けて入るのはなんだか申し訳なくて、裏口からそっと入ろうと思って裏に回った。
すると
「・・・っやめ・・・っ」
!
おじちゃんの声だ。
もしかしてドロボウが入っておじちゃんにひどいことしてるんだろうか
一気に青褪めた僕は扉を少し開けてみた。
そうすると、一平ちゃんのお父さんとおじちゃんが押入れのふすまの下のほうに倒れていた。
また喧嘩してるんだろうか、と思ったけどなんだか様子が違うみたいだ。
「いいから・・・足もうちょっと開けよ」
おじちゃんの足を無理やり鱸オートが広げた。その中で鱸オートの手が動いている。
「・・・はっ・・・や・・めっ・・・」
「ふん。今止めたら辛いだけだぞ」
「だっ・・・もう・・・っジュンノスケが帰って・・・っ」
390:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:48:15 MwjcruZC0
辛そうなおじちゃんの声と顔。
真っ赤な顔して泣きそうな・・・
はじめてみるおじちゃんだった。
なんだかそんなおじちゃんを見てどうしようもなく体が熱くなった。おじちゃんが辛そうなのになんで僕・・・
止めに入ったほうがよさそうなのに、足が動かない。
「・・・もっ!!も、もうでちゃ・・・・っ!」
「ああ出せ出せ。ほら」
そう言って鱸オートはもっと早く手を動かした。
「やあぁっっ!!んあっ・・・はっ・・・あ、あぁぁぁぁっっっ!!」
ピュッピュッ
何か白い液体が鱸オートの手にかかる。
鱸オートはその手をペロっと舐めて、「うまい」とおじちゃんに向かってにやっと笑って言った。
おじちゃんはくたっとなってふすまに寄りかかっていたけど、急にまた真っ赤になって
ふい、と横を向いて「うまいもんか」と小さく言い、
そんなおじちゃんを見て鱸オートは「ハハッ」と、僕は一度も見たこと無い笑顔を見せた。
僕は今までこの場を全く動けずにいたのに
そんな二人の様子を見て急にこの場をすぐ去りたくなった。
あの日僕のほうを向いて笑ってくれたおじちゃんは
もうここにはいないような気がしたからだ。
二人の間には何か濃密な空気が流れていて
まるで僕がこのまま消えてしまっても何の問題も無く成立してしまうような
391:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:48:49 MwjcruZC0
僕はたまらなくなってしまい、表口のほうへ急いで逃げた。
もうこれ以上あの空間にはいられなかった。
表口のほうへ出ると、もう外は真っ暗だった。
「ジュンノスケ!?」
急に名前を呼ばれてびっくりして振り返ると、キンさんが自転車をひいていた、
「ジュンノスケ!なにしてるんだいこんな時間に。チャガワはどうした?」
「おじちゃんは・・・」
「ん?なんでここ閉めてるんだい?なにかあったのか?」
そう言ってキンさんが表口の扉を「オーイ!」と言いながら叩き始めた。
そしたら中からガタガタガタッッと騒がしい音がして、「ちょ、ちょっとお待ちくださぁ~い」といつものおじちゃんの声が聞こえた。
しばらくしておじちゃんが表口の扉を開けて出てきた。
「す、スイマセンなんでしょうか?」
「なんでしょうかじゃないよ!扉なんか閉めてどうしたってんだい。ジュンノスケが外にいたんだよ!」
「え、ええ!?ジュンノスケ、いつ帰ってきてたんだ!?」
「えっと・・・さっき」
「そ、そうか悪かったな。ほら早く中に中に」
「ったく・・・世話焼ける父ちゃんだねえ」
キンさんはそう言い残し去って行った。
僕は家の中にあがって見渡したが、もう鱸オートはいなく、さっきまであった濃密な空気も消えてて
いつもどおりの部屋だった。
「ん?どうしたジュンノスケ?」
部屋を見渡す僕に不思議そうに聞いてくるいつものおじちゃん。
あまりにも全てがいつもどおりすぎるから、僕はさっきのことは夢なのかなと思いそうだった。
だけどよく匂いをかいでみると、まだなんとなくあの濃密な空気を感じ取れて。
392:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:49:30 MwjcruZC0
「おじちゃん・・・さっき・・・」
「ん?なんだ?」
鱸オートとなにしてたの?
二人はどういう関係なの?
僕は鱸オートとのことを聞いてみようかと思ったけど、
でもなんて答えられるのかが怖くて結局聞けなかった。
?
何が怖いんだろう
「鱸オートが好きなんだ」
と言われると嫌なのかな僕
僕がいなくても大丈夫な気がするから?
でもおじちゃんはたとえ鱸オートのことが好きだとしても僕を放り出したりはしないと思う。
ならなんで僕・・・
それからというもの、前にも増して僕の頭の中は
おじちゃんのことでいっぱいになってしまった。
393:三/丁/目/の/夕/日 鱸×茶←淳
07/01/25 12:50:49 MwjcruZC0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ダブンシツレイシマシタ。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
394:風と木の名無しさん
07/01/25 15:57:45 PWWTc5+20
キタキタキター!ごちそうさまですた。
395:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-1
07/01/25 18:20:32 zMJEAHyQ0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです。
| | | | \第二回目です。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
396:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-1
07/01/25 18:21:44 zMJEAHyQ0
「んっ…んんっ…」
次の夜も同じだった。
だがわずかな変化があった。
ヴァンパイアも、快楽を感じはじめていた。
その変化に一番戸惑っているのはヴァンパイアで、どうにかして自分の中をかき回すも
のを抜こうと必死だった。
だがそのたびに腰を打ち付けられ、結果悲鳴を上げることとなる。
「ん?昨日よりよくなってきた?」
「んん…」
ヴァンパイアは首を左右にふる。が、上気した頬は、感じていることを何よりも明確に相
手に伝えた。
ゆっくりと硬さを持ち出してきたヴァンパイアのものに手を添えると、腰の動きに合わせ
て扱き出した。
「んんっ!う…んっ!」
びくんと体を振るわせのけぞるヴァンパイアに、ロウッドはきわめて、優しく話しかけた。
「気持ちいいんだろう?」
「んんっ、んん…!」
なおも首を振るが、彼の限界は近かった。
吸血行為が快楽の一部である彼にとって、もしくはそれしか知らぬ彼にとって、肉欲をダ
イレクトに刺激されたのは始めてであった。
ロウッドの腰が進む。同時に、扱く手も早くなる。
未知の快楽に、ヴァンパイアは激しく抵抗した。
じゃらじゃらと鎖がゆれる。くぐもった声が、何かを訴えるように室内に響く。
「ッ…!」
「ん…んんっ…!」
やがてロウッドはヴァンパイアの中で、ヴァンパイアはロウッドの手の中で果てた。
ぐったりとうなだれるヴァンパイアの髪をやさしくすくと、ロウッドは言った。
「見ろよ、お前の出したもんだ」
精液を顔に塗られ、ヴァンパイアはあわてて顔をベッドの枕で拭いた。
頬を赤らめながら、男の手管で達してしまったという事実に、ショックを隠しきれないよ
うだった。
「お前顔赤いぞ。そんなに嫌だったか?…まあ普通は嫌だろうがな」
397:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-2
07/01/25 18:22:40 zMJEAHyQ0
「んう…」
ヴァンパイアは小さく呻いた。
「これから毎日…かわいがってやるからな…」
その言葉にぞくりと悪寒が走った。
それはヴァンパイアにとって、悪魔の囁きであった。
もう何日、同じことを繰り返しているのだろうか。
体はすっかりロウッドの思うがままに敏感に反応するようになった。
快楽におぼれ、虚ろな目をするヴァンパイア。
心ではやめてほしいのに、体はロウッドを求めてやまなかった。
それがロウッドにはわかるようで、そのたびに昼夜問わず抱いてやる。
そして意識を失うまで抱かれるのだ。
「ん…う…」
「だんだん…よくなってきたな?お前の体、すごく良い…」
精液が、ヴァンパイアの中に注ぎ込まれる。同時に、ヴァンパイアも達していた。
「だいぶ汚れたな、お前の体」
精液が付着し、それが乾いてヴァンパイアの白い体を汚していた。
「…」
ヴァンパイアに意識はなかった。銀髪を乱しながら、寝息を立てている。
「風呂はいるか」
久しぶりに手枷となっている鎖をはずし、抱き上げると、だらんと腕がたれた。
もう何日間も吸血していない。その上、毎晩激しく求められるのだ、体力が続くはずがな
い。
白い顔がいっそう白くなっている。
湯をためておいた風呂桶につかろうとしたとき、ヴァンパイアが目を覚ました。
「…!んんっ、んー!!」
激しく抵抗する彼に、まったくわけがわからないといった様子で、ロウッドがその抵抗を
封じ込める。そして風呂桶に漬かった時、何かを訴えようとしているヴァンパイアの口を
封じている布を取ってやった。
「だ…してくれっ」
ヴァンパイアはおぼつかない足取りで、風呂桶から出ようとする。それを捕まえて話さな
いのが、ロウッドだ。
398:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-3
07/01/25 18:23:43 zMJEAHyQ0
「水は、水は苦手だ…!」
「お湯だろ」
「似たような…ものだっ、ぴりぴりする、体が痛い…!」
がくがくと震えながら、ロウッドにしがみつく。長いつめが食い込んで少々痛かったが、
汚れた体をきれいにしなければならない。
ロウッドは胸から腹にかけてを布で洗ってやった。
ぬるぬるとした感覚が指を伝ってくる。精液の跡だろう。
「は…早く出して…」
訴えかけるヴァンパイアの顔は蒼白だったが、妙にそそるものがあった。
ロウッドは苦笑した。
こんなときにまで反応を示す己のものが。そしてそれに気づき、恐れの表情を浮かべてこ
ちらを見やるヴァンパイアの、なんとそそること。
ヴァンパイアの腰を浮かせると、ロウッドは一気に貫いた。
「ああっ!」
柔らかい肉を擦ってやると、びくんと背をそらす。
「悪いな、ちょっと我慢が聞かなくなった…」
ばつが悪そうな顔をして、しかし腰の動きは止まらない。
「あっ…はあ…あっ、あっ…だっ…だめだ、こんな所では…」
方にはヴァンパイアのつめが食い込んで痛かったが、そんなことにかまっていられる余
裕は、ロウッドにはなかった。
この数日でわかった、ヴァンパイアの弱いところを重点的につくと、なおさら乱れる。
「あん、ああっ、あ!」
「お湯のことなんて忘れるだろ、…気持ちいいだろ?」
ヴァンパイアはあくまでも首を振って抵抗する。
それが気に入らないのか、ロウッドはちっ、と悪態をつくと、ぎりぎりまで引き抜いた。
「あ…」
奥が、きゅん…と物足りなくなる。このままやめてほしいのか続けてほしいのかすらわか
らなくなり、ヴァンパイアはひたすら彼にしがみつくしかできなかった。
ぎりぎりまで引き抜いたそれを、彼の弱いところをめがけ、一気に貫いた。
「ふあああっ!あっ、ああっ、だ、だめだっ」
「だんだんいー声になってきたな、可愛いな、あんた」
動く速度が早くなる。達するのが近づいてきているのだ。お互いに。
399:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-4
07/01/25 18:24:50 zMJEAHyQ0
ヴァンパイアも、無意識のうちに腰を揺らしていた。
「あっ…ああっ、あーっ!」
達すると、ヴァンパイアは再度意識を失った。
風呂から出て体を拭き、それでも目を覚まさない彼に苦笑しながら、ロウッドは再度ベッ
ドに彼をつないだ。
鎖はひやりとして冷たかった。
ヴァンパイアの冷たい寝顔をそっとなでると、ロウッドは家を出た。
ヴァンパイアは目を覚ました。
だが、血が足りないおかげで目の前は真っ青だった。
自分の体には毛布がかけられていて、自分のコートも袖が通されてボタンがしめられて
いるようだった。
ただしズボンははかされていない。
どうやら今は、夜のようだった。締め切ったカーテンから、わずかに三日月が見える。
「血が、ほしい」
ヴァンパイアはつぶやいた。今自分に足りないものはそれだった。
「血がほしいか?」
その声に、思わず声のしたほうへ目を向けた。
その声の主は、ロウッドだ。今しがた帰ってきたばかりだったらしい。
ロウッドは荷物を別室へ置くと、すぐにヴァンパイアの元へかけていく。
そして片腕を出すと、腕まくりをしてヴァンパイアの口元へ差し出した。
「噛めよ。血、少し飲んどけ。全部は駄目だからな。それとも噛まれたら吸血鬼化するっ
てのは本当なのか?」
「私が望まない限り、吸血鬼になることは…ない。血は…いらない」
ヴァンパイアは青白い顔で、あくまでも意地を張った。
もともとプライドが高いヴァンパイアだ、誰かに餌付けされることなど気に食わないのだ
ろう。
ロウッドは苦笑すると、腕をさらに近づけた。後は紫になった唇が開き、牙が肉を咲け
ば血は飲めるという位置だ。
「さっきほしいって言ってただろ。それにお前、顔色が悪い。いつにもましてな」
「…いらない…」
「このやろ、人の親切を」
400:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア2-5
07/01/25 18:25:27 zMJEAHyQ0
ロウッドは頭に着たのか、ナイフを取り出した。
さされる、と、目をぎゅっと瞑るヴァンパイア。しかしそれは振り理おろされることはな
く、逆に己の腕を傷つけた。
甘い、血の香りがあたりに漂う。
ヴァンパイアの本能には勝てなかった。
そっと彼は口を開くと、腕にかぶりついた。
鋭い犬歯が肉に突き刺さり、血が流れ出す。
それを味わうようになめていく。
はじめて肉欲以外で見せた、ヴァンパイアの恍惚とした顔だった。
「っ…」
「んっ…」
ごくん、ごくん、と、ヴァンパイアの喉がなる。
「ヴァンパイアが噛んだところって…痛くないんだな。戦闘で傷ついたときのほうが何倍
もいてぇ」
「ン…」
ヴァンパイアの顔色が戻ってきたところで、半ば強引に彼の口から腕をのけた。ヴァンパ
イアは残念そうな、もっとほしそうな顔をしたが、何も言わなかった。
座れた血の量はたいしたことはない。
むしろ、日ごろの冒険で傷つき失う血の量のほうが多いくらいだった。
タオルで押しても止まる気配のない血に、イルタールで購入したキュアパウダーをつけて
血を止めた。
「ヴァンパイアに噛まれると血も止まりにくいんだなあ…」
「血が止まらないからこそ吸血できる。ヴァンパイアの唾液は血を止まらなくする効果が
ある」
「へえ、あんた自分のことよくわかってんだな。まあ、こっちには薬があるからな。ある
程度は対処できるみたいだな」
ヴァンパイアの赤い瞳を覗き込む。すると、ふい、と顔をそらされて、ロウッドは苦笑し
た。
「嫌われてるなあ…俺」
401:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/25 18:27:22 zMJEAHyQ0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ チョウブンシツレイシマシタ
| | | | ピッ (・∀・ )コレデゲームニキョウミモッテクレルトウレシイ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
402:風と木の名無しさん
07/01/25 18:38:17 WxpBMGKV0
このゲーム知らないんだけど、前回と共に今回も萌えました
調べてみたらマカーは対応してないんだね…残念
403:風と木の名無しさん
07/01/25 19:00:24 zMJEAHyQ0
>>402
ありがとうございます、かなり古いゲームなんです。
いまさらHPにおくわけにも、内容がないようなだけに・・・
なのでこちらで投下させてもらいました。
また書きあがったら投下させてもらいます。
マカーは無理でも妄想して萌えてくださればうれしいです
404:風と木の名無しさん
07/01/25 21:07:45 eg+RLvS/0
>>401
GJ!なんか可愛い…って吸血鬼に失礼だろうか
405:風と木の名無しさん
07/01/26 04:53:29 ddmw/A8DO
>>385-393
GJ!!!!!!初々しいズンノスケもへろへろなチャガワたんもかわええなー。
いいもの見させて頂きました。ありがとう
406:風と木の名無しさん
07/01/26 10:39:41 WwvHoIOC0
>>385-393
探し回って見つからなかったものとまさかここで出会えるとは!!
ありがとーーーーーーー><
407:兎-野性の闘牌-
07/01/26 16:51:52 l0IE3PEl0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 連載再開記念 「兎-野性の闘牌-」仙道×園長
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 少しでもはまってくれる人がいれば幸せ…
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ゴクドウケイ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
408:兎-野性の闘牌-1/9
07/01/26 16:52:23 l0IE3PEl0
バスタブに湯が溜まるのを待ちながらその前に缶ビールでも飲むかと、部屋備え付けの
冷蔵庫を物色しているとコツコツとノックの音が聞こえた。
ドアの覗き穴から廊下を見るとビジネスホテルの安っぽい絨毯の上で風間巌がこちらを睨んでいる。
仙道真澄はドアを開けた。
問いも答えもなく、風間は仙道の脇をすり抜けて中に入ってきた。
通り過ぎ際、風間の視線が通路脇の、湯気を出す半ば開いたユニットバスの扉に向かい、体と共に止まった。
「途中だったのか」
「いや」
その事には触れられたくなく、仙道は短く答えた。
だが問いかけるように風間の眉が上がるのを見て
「…たまには湯船に浸かろうかと思って、な…」
仕方なくそう続けた。
仙道の巨体を沈めるにはユニットバスはいささか都合が悪い。
なので今までは簡単にシャワーだけで済ませていた。
だが厳しいスケジュールの旅打ちと、麻雀が打てずマネージャーに徹しざるを得ない立場にストレスが溜まり、
なかば自棄になって無理矢理にでも湯船に浸かろうとしたのだった。
409:兎-野性の闘牌-2/9
07/01/26 16:53:00 l0IE3PEl0
仙道の返事に風間の目がきゅっと細くなった。
きゅうきゅうの湯船に嵌る仙道の姿を想像したのだろう事は簡単に理解出来た。
次に投げられるのは毒舌かそれよりもっと酷い無言の侮蔑だろう。
仙道は風間から視線を逸らせた。
が、風間はそんな仙道に構う様子もなく無言で更に奥に向かっていた。
「ん?」
風間の背中からは、どこかせっぱ詰まったような硬い空気が感じられる。
初めて察しが付き、仙道もそれに応じ、大股で進んだ。
部屋と入り口を結ぶ短い通路の端に立ち、背中を向けたままの風間を見る。
部屋の中にはベッドと作りつけの机があり、残りのほんの僅かなスペースに風間は立っていた。
こんな時間にマネージャーがやることはさほどない。単なるマッサージかそれとも…
「……今日はどっちなんだ。風間」
投げた声は少しうわずってはいなかったろうか。
仙道の問いに風間の体が緊張を増したような気がした。
何も言わず風間が背中を向けたままジャケットを脱ぎ捨てた。
Tシャツ越しに細身だが均整のとれた筋肉質の肉体が見える。
「明日の仕事が早いが寝付かれん。仙道…」
風間の声もうわずっているように思えるのは気のせいか。
「…鎮めてくれ…」
「…そっちか…」
仙道の声は、自分でもそれと判る程かすれていた。
410:兎-野性の闘牌-3/9
07/01/26 16:53:34 l0IE3PEl0
ワイシャツのボタンを外しながら風間に近づき、触れて良いものか迷い、抱きしめず声だけかける。
「待っててくれ。今シャワーを」
「構わん」
仙道の言葉を遮って風間が振り返り、仙道のベルトにその手がかかった。
「おい、ちょ…」
仙道が止める間もなく奇術のようにベルトが緩められスラックスと一緒に下着まで降ろされてしまう。
晒された仙道の陰茎は未だ萎えたままだった。
風間はかがみ込み、それをなんのためらいもなく口にしだ。
「おいよせ風間そんな事…」
仙道は風間の頭を掴み、外そうとした。
が、風間の力は思いの外強く、それよりもその舌の巧みな動きが仙道の抵抗を削いだ。
風間の動きに応じ、その部分が急激に怒張する感覚が伝わる。
「くっ…」
仙道は尚も抵抗を試みたが、風間のきれいに撫で付けた髪を乱すだけの結果にしかならない。
ややあって風間が仙道から離れた時、仙道のそれは濡らされ硬くそそりたっていた。
「…それ位濡らしておけばどうにでもなる」
風間はむしろぶっきらぼうにそう言って自ら残った衣服をはぎ取った。
風間のそれも既に怒張している。
「…早く、……来い」
顔を背け風間が言った。
411:兎-野性の闘牌-4/9
07/01/26 16:54:17 l0IE3PEl0
固い声の、おおよそこの状況に似つかわしくない、切迫した不器用な、誘い。
こんな風間を優しく扱う事は逆に残酷になるだろう。
仙道は無言で風間の肩を掴み、半ば突き飛ばすように後ろを向かせた。
よろめいた風間の体は狭い部屋の壁近くにある。
「そのまま手、突け」
仙道の言うまま風間が壁に手を突く。
自然と下半身が突き出るかたちになる。
仙道は風間に近づき、片手で風間の腰を掴んだ。
もう片方の手で服を脱ぎながら、掌を移動させ、双丘の頂きからやがて中心に親指をあてがう。
風間の体が微かに緊張する気配があった。
仙道は慣らしもしないまま親指に力を込めた。
「ぐっ…」
風間が耐えきれないような声を上げた。
だがその声と裏腹に仙道の指は案外容易く風間の中にめり込んでいく。
仙道が知る前、少年の頃から慣れきっているのだ。
根本まで指を押し込むとそのままやや乱暴に中をまさぐる。
更に小さな呻き声がし、壁に付いていた右の掌が固く握られた。
「待ってろ、今楽にしてやる」
仙道はそう言って指をそろそろと抜いた。
そうして今度は両手で腰を掴み、風間のそこに自分のそれをあてがった。
指より遙かに太いそれを、だが力を込めると風間はじりじりと受け入れ始めた。
不意に風間の腰が仙道から逃れるような動きをした。
仙道は動きを止めた。
体に似つかった大きさのそれは、受け入れられたと言ってもかなりの負担を風間に強いているのだろう。
風間の体がわずかに震えていた。
412:兎-野性の闘牌-5/9
07/01/26 16:55:55 l0IE3PEl0
「…続けろ…俺は平気だ…」
仙道の迷いを読んだように仙道の下で風間が言った。
その息が荒くなっている。
辛いのかそれとも、…感じているのだろうか。
判断が付かないまま仙道は再び動き始めた。
根本まで風間の中に納め、一旦動きを止める。
風間は肩で息をしている。
その筋肉の付いた背までもが紅潮していた。
仙道は声をだしそうになり、唇を噛んだ。
仙道のそれが風間に負担をかけているように、風間のそれも仙道の根本に強い圧迫を与えていた。
この状態ではそう長く保ちそうにない。
「いくぞ」
仙道は短く言って体を動かした。
「…っ」
風間が声を押し殺す。
413:兎-野性の闘牌-6/9
07/01/26 17:03:09 l0IE3PEl0
当初それは、暴力に耐え反射的に上げる呻きのようなものだった。
だが仙道が律動を繰り返すうち
「ああっ…!」
風間が一声違う声を上げた。
女のそれとは違う、だが女のそれによく似た声。
風間の左手が壁から離れ、何かを求めるように動いた。
壁を挟んだすぐ近くに、何も知らない柏木がいる。
意味に気付き、仙道は反射的に近くの机の上に脱ぎ捨てた自分のシャツを掴み風間の手に握らせた。
風間はそれを自分の口に押し当てた。
呻きがそこから間断なく洩れている。
明らかにそれまでとは違う呻きだった。
その呻きと同じ感覚で仙道も締め付けられている。
仙道の息も荒くなった。
仙道は風間の腰に当てた手をそのまま前に伸ばした。
怒張しきった風間に指の先が触れる。
背中がしなり、風間は固く目を閉じたまま無言で激しく首を横に振った。
414:兎-野性の闘牌-7/9
07/01/26 17:05:06 l0IE3PEl0
仙道はかまわずそこに向かい、零れ始めている先端を全体に渡らせるようにして手で覆った。
「…やめ…くっ…」
風間が切れ切れに声を出す。
「そこ、はしなくて、も…もう…」
「こうした方がいいんだろ…」
仙道は小声で言った。
「…俺はそろそろ限界なんだよ」
荒い息を必死で整えながら最後まで言うと、風間には構わず一気に腰と手を動かした。
風間が激しく息を吸い、壁に付いていたもう片方の手が離れた。
その手を仙道は掴み引き寄せた。
上半身がのけぞり、そして支えを失った体が前に二つ折りになる。
仙道は後ろから抱きしめるように風間に覆い被さった。
それが合図のように風間の手からシャツがこぼれ落ち、同時に風間の全身が細かく痙攣し、
仙道の掌に生暖かいものがこぼれた。
一瞬遅れて仙道も風間の中に射精した。
415:兎-野性の闘牌-8/9
07/01/26 17:05:50 l0IE3PEl0
射精の後の虚脱感から速やかに回復し、ゆっくりと風間の中から引き抜きながら抱いていた手をほどくと、
風間は、これは苦悶の呻き声を上げながら膝から崩れ落ちるようにカーペットの上に倒れ込んだ。
仙道は洗面所で手を洗い、体を洗おうとして初めて激しい音に気付いた。
バスタブの湯が意外な轟音を立てて、淵ぎりぎりの所で排水され続けていた。
気付かない程夢中になっていたという恥ずかしさが浮かんだが、反面この音に紛れて柏木が気付かずに
いてくれるだろうという期待がそれを打ち消した。
戻ると、風間は未だ床の上でぐったりと肩で息をしている。
男が男に抱かれるという行為がこれ程までに消耗するものなのだと、仙道は知らなかった。
男に抱かれる事でしか満足を得られない肉体。
組に買われ、女より前に男を覚え込まされ、未だ望まぬ欲に溺れざるを得ない。
風間が色子あがりだという事を仙道は知識として知っていたが、今まで風間は悟らせないよう繕っていた。
誰にも見せたくないはずのその部分を風間は仙道にさらけ出している。
仙道に取り繕うだけのほんの少しの余裕を、たかが資金稼ぎの為に放棄している。
どれほどの覚悟をもって、風間は山城麻雀に挑もうというのか。
仙道は風間を抱き上げ、ベッドに横たえた。
風間が呻いた。
416:兎-野性の闘牌-9/9
07/01/26 17:06:30 l0IE3PEl0
「…今日はここで寝ろ。俺はお前の部屋に行く」
仙道は風間の耳元で言って、服を着ようとし、シャツを見て顔をしかめた。
諦めて新しいシャツを着、風間の部屋のキーを手に取る。
「…仙道…」
声に振り向くと、風間はこちらに背中を向けて横たわったままの姿でいた。
「…なんだ?」
「…付き合わせて、…すまない…」
身じろぎもせずに風間は言った。
「…いいんだよ仕方ねえだろ別に。俺も…」
仙道は言葉を切った。
「お前がいなくちゃ資金稼ぎが続けられないからな」
続きは付け加えるように言って仙道は廊下に出た。
風間がこちらを見ていなくて良かった。そう仙道は思った。
自分はもまた必死に取り繕っている。
ぶつけたら風間を壊してしまうだろうこの感情を、仙道はどこにも洩らさぬよう奥歯を噛みしめた。
417:兎-野性の闘牌-
07/01/26 17:07:25 l0IE3PEl0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オソマツサマデシタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
418:風と木の名無しさん
07/01/26 23:41:16 4Svj6ule0
>417
待ってましたよ、姐さん!
男同士のぶつかり合いセックルに禿萌!
419:テイ/ルズ/オ/ブ/ジア/ビス ジェ/イル/ク
07/01/27 00:21:57 9kRou7rH0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| プレイしててたまらなくなったので書いてみた
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ここどこ?とか これいつ?とか
| | | | \ 自分でも思うぜ
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
420:テイ/ルズ/オ/ブ/ジア/ビス ジェ/イル/ク
07/01/27 00:23:24 9kRou7rH0
背中から抱きしめる。
拒絶されているのはわかったけど、それでも身を寄せて、縋った。
「離しなさい」
「……、」
嫌だ、の意思表示のつもりで首を振る。
ジェイドの服をぎゅっと握りしめて、頬を背中に寄せた。
そばにいたい。
そうしてあわよくば、慰めてあげたい。……なんて。
傲慢な自分の考えに1人ごちて、そうして、俺は本当は、
ただジェイドのそばにいたいだけなんだと思った。自分がこうしたいだけ。
胸をゆさぶる単語が恐ろしくて、
これから世界に降り注ぐ未来が悲しくて、
ジェイドの体温に救いを求めてるだけ。(だってこいつは、いつまでも俺に無関心でいてくれるから。)
ジェイドはもう一度「離しなさい」と低く呟いた。
だけど無理に振り払おうとしないから、
俺は何も言わず、ただひたすらに抱きしめ続ける。
それから小さな溜息が聞こえて、俺は身を硬くした。
「離さないと、……キスしますよ」
421:テイ/ルズ/オ/ブ/ジア/ビス ジェ/イル/ク
07/01/27 00:24:39 9kRou7rH0
「……、」
今、なんかすごいこと、言われた気がする。
それでもすぐに、俺を拒絶するための言葉なんだとわかった。
そういわれれば、俺が逃げていくと思ってる。
大体、背中を向けてるくせに、キ、キ……キス、なんて。できるわけない。
絶対嫌だ、の言葉の代わりに、俺はジェイドを抱きしめる。
ジェイドの指が、服を掴む手の甲を撫でた。
それからそっと、手を重ねられる。
「……っ、」
手袋越しでもわかる微かな体温に、一瞬身じろいだ。
ジェイドは体を反転させて、
俺の方に向き直る。
あ、やばい、と思ったときにはもう遅くて、
眼鏡越しの視線に射竦められていた。
唇が、……重なる。
「ん……っ」
逃げようとする腰をぎゅっと抱かれて、触れるだけだった唇が深く合わさった。
口の中にぬるりと進入してきた感触に、
全身が粟立つ。
舌だ、って思ったときには、耐え切れなくてきつく目を閉じた。
「ん、んん……っ、んぅ……う」
苦しくて、鼻から抜けるように息が零れる。
甘ったるい自分の声に、頬がかっと熱くなるのがわかった。
ジェイドの厚い舌が、口の中をぐちゃぐちゃに舐め回す。
何度も何度もしつこく絡められて、舌を吸われて、
くず折れそうになる体を、その腕に支えられる。
422:テイ/ルズ/オ/ブ/ジア/ビス ジェ/イル/ク
07/01/27 00:26:02 9kRou7rH0
「はぁ……っ、は、ぁ……」
やっと開放されたときには、俺は肩で息をしていた。
こぼれた唾液を手の甲で拭って、ジェイドの胸を押し返す。
「だから言ったでしょう、離しなさいと」
「……ッ」
だから、って。
ジェイドの顔を見ると、やっぱり冷たい表情のままだった。
さっきまでのキスの熱さなんて、微塵も感じさせないその眼に、
俺は眉をしかめて俯く。
ばか、みたいだ、俺。1人で感じて、顔を真っ赤にして。
まだ熱の残る頬を隠すように、手の甲でごしごしする。
「あなたがどういうつもりかは知りませんが、
こういうことは、好きな相手にだけするべきだ」
「そんなの、……」
そんな言葉、そっくりそのまま、おまえに返してやる。
睨みつけるとジェイドは無表情のままで俺を一瞥して、
それから宿に戻っていった。
「……、」
俺は1人残されて、虚しさのままに足元の雪を踏みしめる。
好きな相手にだけ……なんて、そんなの。
423:テイ/ルズ/オ/ブ/ジア/ビス ジェ/イル/ク
07/01/27 00:26:35 9kRou7rH0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アゲチャッタヨ…本当ニスマンカッタ
| | | | ピッ (;∀; )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
424:風と木の名無しさん
07/01/27 00:34:42 ju8qYU270
>>419
このCP大好きなんだ!ありがとう!
愛いやつらだw
425:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア3-0
07/01/27 11:06:12 oHKPfgxc0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです。
| | | | \三回目です。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
426:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-1
07/01/27 11:07:19 oHKPfgxc0
程なくして、こんこん、と音がした。
誰かが扉を叩いているのだ。
ロウッドはそれに気づき、扉へと向かう。室内にいるヴァンパイアには誰がいるのかわか
らなかったが、また、相手からも見えないであろうと思ったが、その人物は、話し声から
数人いることがわかった。
がやがやと声がして、ロウッドはそれらの人物を家に招きいれた。
(私を見世物にする気か?)
ヴァンパイアは思った。
そして部屋へ入ってきたのは、ロウッドと同じ冒険者が、三人。一人、見たことのある
人物がいた。
「ヴァンパイアじゃないか」
一人の男が、驚いて声を上げた。
「ヴァンパイア?なんでこんな所に…」
ほかの冒険者からも驚きの声が上がる。
ロウッドは自慢げに、言った。
「ま、ちょっと討伐の仕事がはいってな。そこで気絶させて持ち帰ったんだよ。な?ヴァ
ンパイア…」
「ふん」
ヴァンパイアはそっぽを向いた。
じゃら、と鎖の音が響く。
「拘束してるのか」
「そうだ。逃げられたら困るからな」
ロウッドがベッドにあがる。
ギシ、とベッドがきしむと音がして、ヴァンパイアは、はっとしてロウッドを見つめた。
その表情は恐れの色が浮かんでいる。
「お前等そこで見てろよ」
ロウッドはその言葉と同時に、ヴァンパイアの上へかぶせておいた毛布を剥ぎ取った。
コートの隙間からのぞく白い足を、なでる。
ロウッドは一つ一つ、下からボタンをはずしていく。
すると、ヴァンパイアが暴れだした。
「はなせっ、触るなっ!!それ以上は触るな!!」
ヴァンパイアは、足をばたつかせてできうる限りの抵抗をした。牙を見せて威嚇する。
427:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-2
07/01/27 11:09:55 oHKPfgxc0
しかしその威嚇も、ロウッドは無視した。だが、問題は暴れることだ。
「っあー…、見てろといってわりぃんだけど、ちょっと手を貸してもらえるかな」
冒険者の一人が自分から進み出てきた。
「俺がやるよ」
「悪いな」
「!」
その男は、確かに見覚えがあった。いつだろうか…まだ三ヶ月と前のことだろうか。
仲間と二人で儀式の迷宮に入ってきて、私と遭遇した男。
男はヴァンパイアの足を抱え込むと、しゃべりだした。
「間違いない、このヴァンパイアだ」
「?」
「俺の嫁を殺したのはこのヴァンパイアだ」
やはりそうか、と、ヴァンパイアもため息をついた。
あの日、女と二人で儀式の迷宮に来て、自分に殺された女と、大怪我を負って逃げ帰っ
た男。
「見ろよ、この傷」
男は服を脱ぎだした。肩から腹にかけて、大きな傷跡があった。それが爪のようなもので
あることから、ヴァンパイアがつけたものに間違いはなかった。
「お前のせいで、今もまだこの傷がうずくんだ」
男は傷を指差して言ったが、ヴァンパイアは何も言わなかった。
悪いとは思ってない。自分の所に来たこの男が悪いのだ。殺されるとわかっていながら、
来たこの男を。
何も答えないヴァンパイアに苛々した男は、ヴァンパイアの胸倉をつかむと、こぶしを
振り上げた。
ヴァンパイアは抵抗するすべはなく、ただじっと殴られる予感に目を瞑っているだけだっ
た。
「!よせよ、お前の怒りはよくわかったから。だがヴァンパイアを傷つけるのはやめて欲
しい。特に顔はな」
ロウッドが牽制する。
「こいつは俺の嫁を…!」
「まあそう怒るなって。…楽しませてやるからよ」
428:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-3
07/01/27 11:11:00 oHKPfgxc0
「楽しませる…?…!お前、まさかヴァンパイアを手篭めにしたのか」
「まあな」
ふっ、と低く笑うと、ロウッドは残りの仲間のほうへ向き直った。
「来いよ、お前らも楽しませてやるよ」
「…!」
ヴァンパイアの顔は蒼白になった。この人数を相手にしろと?
普段ロウッド一人で気絶させられているのに、三人と交われとは無理な注文であった。
しかし、今の彼は拘束されて動けない。
「いくらヴァンパイアが綺麗だからって、男はなあ…」
冒険者の一人がつぶやいた。
「まあ、見てろって。結構良い声だすんだぜ」
ロウッドは、足を抑えていた男をベッドから降りるように指示すると、ヴァンパイアの体
にのしかかった。
「―…う…、わ、私を、仲間のいる前で犯す気か…」
「犯す?とんでもない、可愛がってやるんだよ」
その瞬間、ヴァンパイアの唇はふさがれていた。
布でも手でもない、ロウッドの唇によってだった。
初めてだった。ヴァンパイアが、キスをするのは。混乱したヴァンパイアは鋭い牙で相手
の舌を噛む。
同時に、ヴァンパイアから体を離したロウッド。口の端から血を垂らし、ヴァンパイアを
にらみつけた。
「つっ!!…いって~、…噛みやがったな、この野郎」
ヴァンパイアに覆いかぶさると、足を開かせた。
持ってたジェルをヴァンパイアの後孔にぬり、半ば無理矢理挿入する。
「いっ…痛…!!」
「我慢しろいっ」
口の中はヴァンパイアに噛まれたせいで血まみれだったが、気にせず血を飲み下す。鉄く
さい液体がのどを過ぎる。
こんなものを好んで飲んでいるのかと思うと、ヴァンパイアは不思議な存在に思えてなら
なかった。
ヴァンパイアが枕を噛む。
429:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-4
07/01/27 11:12:38 oHKPfgxc0
今まではもっとずっと優しかった。それだけに、この苦痛は耐えがたいものだったのかも
しれない。
「いっ、あっ、ああっ、だ、駄目…お前の…仲間がいるのにっ、あっ…はっ、ああっ」
ヴァンパイアは早くも快楽を感じ始めていた。
冒険者たちは、その声にぞくりと背中があわ立つ。
がくがくと腰が揺さぶられる。抜き差しを繰り返されるそれに、ヴァンパイアは背をのけ
ぞらせてよがった。
「あ、ああっ、あーっ!だ…駄目だっ」
じゃら…じゃら。
鎖で拘束された腕が、ヴァンパイアの顔面を覆う。
ひくんと体が反応するたびに、鎖はゆれ、見るものの目を惹きつけた。
見られての性行為が恥ずかしいのか、切羽詰った表情であえぎ声を上げている。
だんだんと腰を動かすスピードが早くなる。それと同時にあえぎ声も悲鳴のようにこぼ
れる。
「はっ、はあっ、ん、だ、駄目だと…!だっ、駄目ぇっ…!ああっ、んあっ…!」
「は…、イくぜ?」
ロウッドがヴァンパイアの耳元でささやく。
ぞく…と悪寒にも似た感覚が背筋を走り、それと同時に、達した。
「っ…あ…」
ヴァンパイアの肩が荒く上下する。
次いでロウッドのものが引き抜かれる感覚がし、彼の精液が顔面にかけられるのを感じ
た。
どろ…と顔面を精液が伝う。
それを拭おうとはせず、虚ろな目をし、顔を真っ赤にしながらヴァンパイアはぼんやりと
四肢を投げ出した。
ロウッドが額に口付けてくる。ロウッドの口の中の出血は、いつの間にか止まっていた。
「…」
冒険者は、息を呑んだ。そして冒険者の一人が、そろ…と手を出してきた。
「やりてぇか?」
その言葉に、びくっと反応したのはその男だ。
「や、その…まあ…」
「ベッド、上がれよ。俺は降りるから」
430:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-5
07/01/27 11:14:07 oHKPfgxc0
ベッドから降り、ベッドに腰掛けた状態で、ロウッドはもう一度、ヴァンパイアに口付け
た。
ロウッドは、椅子に座ると、ヴァンパイアをぼんやりと眺めていた。
男に、足を上げさせられる。そしてすでに硬くなってるそれを、一気に挿入される。
その行為に、愛や容赦などはなかった。
「っ…うあ」
ヴァンパイアが眉をしかめてうめいた。
「も…やめ…ろ」
男は黙ってヴァンパイアを犯した。
それからの宴は狂ったようだった。ロウッドを除く冒険者全員が、ヴァンパイアを犯しに
かかった。
一人は噛まれないように用心しながら、熱く猛った物をヴァンパイアの口に押し込んだ。
一人はヴァンパイアの内部を蹂躙し、一人はヴァンパイアの胸に舌を這わせる。
狂いそうなほどの快楽に、ヴァンパイアは泣いて首を振ったが、快楽に蹂躙されている
のは明らかだった。
「いや…だっ、もう…もう…」
口から猛りを引き抜かれ、顔面にまたも精液をかけられる。
精液にまみれながら、ヴァンパイアは訴えた。
ぽろぽろと涙がこぼれ、枕をぬらす。
「何言ってんだよ、もっとして欲しいんだろ?淫乱なヴァンパイアが」
肩から腹にかけて傷のある男が、ヴァンパイアを犯しながら、言った。
「ちが…あ…っ、はあっ…、ああっ」
ヴァンパイアの中で吐精すると、今度は別の男が挿入する。代わる代わる犯され、ヴァ
ンパイアの精神はぼろぼろだった。
431:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 3-?
07/01/27 11:15:12 oHKPfgxc0
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| | | | ∧_∧ エロバッカナノハキニシナイ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
432:風と木の名無しさん
07/01/27 11:43:16 o92SLO02O
久々に萌え死にそうだ
あああだいすき!!
433:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:45:11 Ds0HGxIY0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 三/丁/目/の/夕/日
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、淳→茶→鱸オート
| | | | \前の続きです。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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434:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:46:04 Ds0HGxIY0
ミーンミンミンミンミンミンミン・・・
「もうだめだ・・・」
おじちゃんは机の前に仰向けに寝転んで
パタパタと生ぬるい風を送るばかりの団扇を仰いだ。
「才能が枯れ果てた?」
そんなおじちゃんに後ろで宿題をやっていた僕が後に続くおきまりのセリフを言うと
「ふんっ」と恥ずかしそうに横にまるくなった。
きっと僕は今締まりの無い顔になってるだろう。
キンさん辺りに見せたら「何をだらしの無い顔をしてるんだい」と怒られるかもしれない。
だけど仕方ないんだ。
おじちゃんのことが好きで好きでしょうがないんだ
僕はあの日、おじちゃんと鱸オートの行為を見てしまって以来、頭の中がパンクしそうだった。
寝ても覚めても考えるのはおじちゃんのことばかり。そしておじちゃんがそばに来るとドキドキして止まらない。
あのときの一平ちゃんの言葉が正しいとすると、この症状は僕がおじちゃんに恋してるから。
まさか おじちゃんは男だしおじちゃんだし 恋はかわいい女の子にするものだ
必死で否定し続けたが、そのまま中学校に入学し性教育なんかも受けた今ではもうすっかり認めてしまっていた。
僕はおじちゃんのことが好きで。夫婦がするようなことをしたいと思ってるんだと。
だけどそう認めてしまってからがまた大変だった。
435:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:47:38 Ds0HGxIY0
おじちゃんは服が無いのかめんどうくさいのか、基本的にあまり着込まない。
今の季節なんて上半身、薄い破れかけのタンクトップ一枚で過ごす。
そんな姿の好きな人と狭いこの家で一緒に暮らすのは拷問に近い。
今だって、意味を成してないタンクトップの下に汗ばんだ白い胸が見えている。そして桜色をした・・・
ゴクリ
血が逆流するのを感じる。
まずい。どうしよう。けど今処理するわけにはいかない。
かといってこのまま我慢できる気がしない。
頭の中はもう宿題の数式なんかとっくに消えていて、おじちゃんのあらぬ姿で埋め尽くされている。
そんな猥雑な頭の中に、ふとあの日見た鱸オートの笑顔が浮かんだ。
あの日以来二人がそういうことをしているのを見ていない。
だけどたまに、僕が学校から帰ってくると部屋からなんとなくあの日の匂いを感じることがある。
そんな日の夜は嫉妬と興奮とが複雑に絡み合い、大変だ。
きっとあの二人の関係はまだ続いているのだろう。
けれどその関係に意味はあるのだろうか。
だって鱸オートには奥さんがいる。子供もいる。なのに、どうして、おじちゃんとこういうことをするのか。
ただの戯れ?だけどあの日の濃密な空気からはそんな感じがしなかった。
おじちゃんのことも愛してるとでもいうのだろうか。
そしておじちゃんはそんな中途半端な気持ちを甘んじて受け取っているのだろうか。
結局そのまま考え込んでしまい、宿題はほとんど進まず夕方になった。
僕は夕飯の買い物に出かけ、そしてある決意をして家路についた。
ガラガラガラ・・・トン
いつもは閉めない表口の扉を閉める。
436:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:50:00 Ds0HGxIY0
「ただいま」
「おうお帰り♪」
お風呂上りのおじちゃんがビールを持ちながら「夏はやっぱこれだよなぁ♪」なんて調子よく言う。
そんな気分の良いおじちゃんに今から僕がすることを考えると申し訳ない気がしたが、
もう後には引けない。
「おじちゃん」
僕はビールを開けようとしているおじちゃんの前に正座した。
「んぁ?なんだ?」
「おじちゃんは・・・鱸オートが好きなんですか?」
ガシャッ
「なっ、何言ってるんだジュンノスケ?好きなわけないじゃないかあんなやつ。敵だ敵!」
「でも・・・」
「な、なんだよ」
「僕・・・見ちゃったんです・・・。おじちゃんが鱸オートといやらしいことしてるとこ」
「!!!!!」
おじちゃんは茹蛸のように真っ赤になってしまった。
「昔僕が夜遅くに外にいてキンさんにおじちゃんが怒られたことあったでしょう。『なんで表口閉めてるんだ』って。
あの日、僕は表口が閉まってたんで裏口に行ったんです。そこで鱸オートがおじちゃんの足の中で何かしているのが見えて」
「お、おま、な、そ、」
「あの時はその行為の意味が分からなかったけど今は分かります。好き合うとそういうことをするんでしょう?
ならおじちゃんと鱸オートは好き合ってるんですか?」
437:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:51:27 Ds0HGxIY0
言いながら僕は身を乗り出しおじちゃんをあの日いたふすまの下のほうへ追い込む。
「けど鱸オートには愛する奥さんも子供もいますよね。
ねえおじちゃん。おじちゃんと鱸オートは一体どういう関係なんですか?」
僕はおじちゃんの顔の両側に手をつき、完全に追い込んだ。
おじちゃんは真っ赤だった顔が真っ青に変わり、顔を伏せてかわいそうな位震えていた。
「・・・な、何にも関係なんて、無い。」
「ならなんでああいうことしてたんですか?性欲処理?」
「そっそうだ。」
「ふぅん」
予想通りのおじちゃんの言葉に僕は心の中でほくそ笑んだ。
「なら僕がしますよ」
「へ?」
おじちゃんのズボンの中に手を入れる。
「なっ!?おま、な、なにしてんだっっ!!」
「鱸オートと同じことを」
そして下着の上からおじちゃんをそっと触った。
「ねえおじちゃん。
鱸オートにさせるくらいだったら、僕にさせてください。性欲処理。」
438:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:52:52 Ds0HGxIY0
おじちゃんの形を指でなぞる。
「んっ・・・やっ・・・・な、なに馬鹿なこと言って・・・っ」
「馬鹿なことじゃないです。」
僕は耳元に口を寄せて囁きかける。
「おじちゃん・・・鱸オートは性欲処理だとしても、おじちゃんはどうなんですか・・・?」
ビクッ
「おじちゃんは鱸オートのこと・・・本当は好きなんじゃないですか・・・?」
「・・・・・・・・」
「ねえ・・・本当のこと言ってください・・・じゃないと・・・」
キュッ
「んあっ・・・!!!」
布の上から先端を摘み捏ねると、蜜が零れ始めた。
蜜をおじちゃんに塗りつけるようにして揉みわざと大きい音を出す。
「おじちゃん・・・もうこんなに濡れてる・・・」
クチュクチュクチュ
「・・・あっ・・・はぁっ・・・ふっ・・・
やっ、めぇ・・・・・・ん、んぅっ・・・!」
「ねえおじちゃん・・・」
下着の中に手を入れる。
「ひゃっ・・!」
先走りで濡れたおじちゃんを扱く。
真っ赤に染まった耳を食みながら、さらに僕は続ける。
439:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:53:49 Ds0HGxIY0
「・・・鱸オートのことが好きなおじちゃん。
だけど鱸オートには家庭があって。都合の良い性欲処理として遊んでるつもりだろうから自分も遊んでるつもりでいてあげる。
そしてそんなおじちゃんにつけこんでいつまでも鱸オートはこの関係を続ける・・・」
先端に爪をかける。
「うあっ・・・!っあぁぁぁっっ・・・!!」
ピュッピュッ・・・
出終えると、あのときと同じようにおじちゃんはくたっとふすまに寄りかかった。
おじちゃんのがかかったその手を、僕は鱸オートがしたようにおじちゃんに見せつけるように舐める。
「おいしい」
そして微笑み、同じセリフを吐いた。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
おじちゃんは必死で息を整えながら、呆然と僕を見てる。
いつもの白い肌は全身桃色に染まっていて、壮絶な色香を放っていた。
「・・・ねえおじちゃん・・・」
・・・はぁ・・・はぁ・・・
「鱸オートとの関係は、もう止めたらどうですか」
・・・・・・はぁ・・・・・・
「僕にしませんか?」
おじちゃんの目を見つめる。
440:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:58:27 Ds0HGxIY0
「僕、おじちゃんのことがずっとずっと、好きだったんです。」
うつろだったおじちゃんの目が見開かれる。
息子同然だと思っていた奴がそんな気持ちを持っていたとは夢にも思ってなかったのだろう。
「僕なら。僕なら鱸オートと違って世界一おじちゃん一人のことを愛します。」
おじちゃんは僕の一世一代の告白に泣きそうな顔して、
そして俯いてしまった。
「おじちゃん」
「・・・だめだ」
441:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:59:09 Ds0HGxIY0
「・・・だめだ」
それは思いの外はっきりした声だった。
「なんで、」
「お前は・・・勘違いしてるんだよ。」
「勘違い・・・?」
「そ、そうだ。」
おじちゃんはずれたメガネを整えた。
「・・・おまえは、親子愛と恋愛を履き違えてるんだよ。
おれをよく見てみろよ。おじさんだぞ?こんなんじゃなくて、可愛い女の子を好きになるべきなんだよ。
そしていつか結婚して子供ができて、そうやって幸せな家庭をつくっていくべき・・・っ」
「・・・ふあっ・・・」
チュ・・・クチュ・・・チュ・・・
「黙って」
チュ・・・チュ・・・
「・・・勘違いなんかじゃ・・・はっ・・・ないよ・・・」
「んうっ・・・んん・・・っ」
チュ・・・クチュ・・・
「本気で・・・本気でおじちゃんのことが・・・好きなんだ・・・」
「・・・っあっ・・・はふっ・・・」
ッチュ・・・チュ・・・
442:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 22:59:39 Ds0HGxIY0
「僕のこと、拒否してもいいよ。結局諦めないけどね。
でも」
「んあっ・・・!」
「僕の気持ちだけは否定しないで」
その夜、短い命を限りなく燃やそうと鳴くセミの声が
やけに耳について離れなかった。
443:三/丁/目/の/夕/日 淳→茶→鱸オート
07/01/27 23:00:26 Ds0HGxIY0
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ サンチョメネタスキナヒトイテウレシカッタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
444:風と木の名無しさん
07/01/27 23:27:34 +MiT1YWD0
茶ガータン、いただきますた
445:風と木の名無しさん
07/01/28 08:18:00 MzO3rGaV0
大好物だ!!!
グッ ジョーーーーーーーブ!!! と言いたい。
446:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/28 10:41:49 DmplKlyV0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです
| | | | \コメントくれる方ありがとー
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| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
447:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 4-1
07/01/28 10:43:02 DmplKlyV0
おそらくは二時間がたった。
ロウッドがちら、と見た懐中時計が二時間立ったことを示しているから、間違いはないだ
ろう。
相も変わらず犯されているヴァンパイアに、胸がちくりとうずいた。
助けを求めるように、ヴァンパイアがロウッドを見やる。
それにロウッドも気づいたのか、椅子から立って冒険者たちに言う。
「あー…お前ら、そのくらいにしとけよ、流石のこいつも参ってきてるぜ」
「あっ…はあっ…もう放…してくれっ…!」
「まだだ…まだ、たりねぇ」
男はつぶやいた。泣き腫らした目をするヴァンパイアなどお構いなしに、犯し続ける。
まだ、足りない。
肩から腹にかけて傷のある男は、そうつぶやいた。
「いい加減にしろよ、苦しそうじゃねぇか」
ロウッドが男の腕をつかんだ。そこで初めて自我を取り戻した男は、ヴァンパイアを見つ
めて眉をしかめた。
夢中でヴァンパイアを犯していたのだろう。
「…殺してもいいんなら殺してたんだがな…」
「そのうちやりごろされるぞ。やめとけ」
ロウッドは男に言った。男はヴァンパイアに唾を吐き掛けたいような顔をしていたが、や
がて己のものを引き抜くと、ベッドから降りた。
「っあ…、…はあ…」
他の男もベッドから降りる。
男たちの精液にまみれたヴァンパイアは、普段の凛とした表情を失い、ただ快楽と疲労
に満ちた顔でいた。
焦点の定まらぬ目。
男たちは衣服を整えると、ヴァンパイアを改めて見やった。
「もう一度くらいやりたかったな…」
「二時間まわされ続けたんだから勘弁してやれ。悪いが今日はもう帰ってくれないか、後
始末するからよ」
ロウッドの言葉に、男たちはうなずいた。
仲間が帰っていくのを見ながら、そして扉が閉まったのを確認し、ロウッドは桶に水をた
め、タオルを持ってヴァンパイアの元へ走った。
448:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 4-2
07/01/28 10:44:16 DmplKlyV0
「おい」
「…」
ヴァンパイアは目を閉じていた。銀色の長いまつげが、美しいと思った。
「…おい、お…」
その瞬間、ロウッドの右腕はヴァンパイアに噛まれていた。
赤い目をぎらつかせ、獣のように噛み付くそのさまは、ヴァンパイアが人外のものだと改
めて気づかされるような光景だった。
今度は痛かった。犬歯と、普通の歯で思いっきり噛んで来たのだから、腕の一部がちぎ
れるかと思ったほどだった。
「ってぇっ!!」
振り払おうとして、はた、と、気づく。
ヴァンパイアの目から涙があふれているのを。
「あ…、…悪かったよ…。気の済むまでかめ、血を飲んでもかまわん、肉食いちぎっても
いいから」
ぎゅ、とヴァンパイアの拘束されている手を握った。
しばらくヴァンパイアは、うなるように噛み付いていたが、そのうち口を腕から離した。
腕からは血がだらだらと流れていたが、それをとめようともせず、ロウッドは言った。
「本とは、自慢するだけだったんだ。あんた、綺麗だからさ。あー…そうだよな、あんな
ことされたら怒って当然だよな、すまない」
「すまないですむか」
涙声。初めて聞く、涙声。さっきまでちくりとしていた心の傷は、ずきずきと痛んだ。
いくらヴァンパイアが相手でも、ひどいことをしてしまったと、改めてロウッドは反省
した。
(でもあの嬌態は中々だったなぁ…。は、いかんいかん)
気を取り直して、用意していたタオルを桶に浸す。血まみれの腕のせいで水が赤く染まり、
苦笑した。
「腕の血、飲まないか?だらだら流しとくのはもったいない」
「…」
「いらない?」
ロウッドが、そばにあったキュアパウダーを取ろうとしたとき、ヴァンパイアがつぶやい
た。
「…いる」
449:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア 4-3
07/01/28 10:45:26 DmplKlyV0
ロウッドは笑顔で、血の滴る腕をヴァンパイアの口元に持っていく。
すると、指先から傷口まで、丹念に血をなめ取っていく。
やはり血をすっているときは恍惚とするのか、そんな表情を浮かべて、夢中でなめていた。
ロウッドは空いているほうの手で、体を拭いてやる。
びくんと、体がはねる。血を飲むのをやめて、まじまじとロウッドの顔を見た。
「汚れたところ、拭いてるんだよ。水気は嫌いだろうが、我慢してくれ」
「ああ…」
ヴァンパイアはもう一度傷口に唇を近づけると、あふれ出る血をなめだした。
450:風と木の名無しさん
07/01/28 10:47:21 DmplKlyV0
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| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ホショクサレルガワトホショクスルガワ、
| | | | ピッ (・∀・ )カンキンスルガワトサレルガワ。
| | | | ◇⊂ ) __…ホショクハシテナイカ
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
451:風と木の名無しさん
07/01/28 10:47:30 x+8ibUD+O
ど…どんなに探しても見つからなかったォルウェィズ/サンチョメが此所で読めるとはぁぁぁ!
感激っス!
超続き期待して良いっスか!?
ズンノスケ→チャガータン最高っス!
452:風と木の名無しさん
07/01/28 11:19:13 cUIcJr8tO
ちょっとノレナティックドーソ中古屋で探してくる!(´Д`*)ハァハァ
453:風と木の名無しさん
07/01/28 11:36:59 O2uqm1JcO
(;・`д・´)ゴクリ…
454:風と木の名無しさん
07/01/28 14:21:33 qU7M61UR0
>>450
元ネタ知らないけどいつも凄く楽しみにしてます。
455:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:31:39 1srM3csp0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|ビリー/ミリ/ガン人格内 小話です
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ノンフィクションものです。不謹慎に思われたら
| | | | \ スルーしてください。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
456:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:32:18 1srM3csp0
記憶は、子供たちの残虐な罵声から唐突にはじまる。目を開けると、
そこは建築現場で、ぼくは地面に掘られた基礎用の穴に引きずり込まれ
ようとしていた。どうしてだろう。自分がこの世に生まれたのは確かに
その瞬間だったはずなのに、そのときすでに、ぼくは、自分が何かの
使命を果たすために生まれてきたのだということを悟っていた。だから、
ぼくは懸命に舌を捌いて、自分より一フィートも背の高い子供たちをなだ
めようとした。結果は失敗で、ぼくは身体もろとも穴の中に投げ込まれた。
だが、ぼくという存在はその瞬間から確実に始まったのであり、そのことは、
他の人格たちとの出会いによって確証づけられることになった。
457:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:32:54 1srM3csp0
スポットから外れた暗がりの中、アーサーはひとり物思いに耽っていた。
その指は相変わらずピラミッドの形をあわせ作っている。眼鏡の奥にうかぶ
眼は重たげだ。近頃とみに沈みがちなのは、レイゲンが現れないせいだろう。
レイゲンがやってこないのは平和な証拠で、近頃は人格の交代も落ち着いている。
それはアーサーの本来望むところであるはずだったが、手ごたえのある相手が
そばにいないことはやはり不満なのだろう。
「アーサー」ぼくは絵筆を置いた。「描けたよ」
声をかけると、彼はぼくのいるスポットの側にまで歩んできた。光の中に
半身だけを差し入れて、ぼくの背後からキャンバスをしげしげと眺める。
「新しい作品だな、アレン」
「うん」
「よく描けているな。これは誰なんだ?」
「あんただ」
「……わたし?」
「あんたの他に、眼鏡の人格なんていたっけ?」
レイゲン、クリステン、エイプリル、これまで何人もの人格たちを現実世界の
キャンバスの上で描いてきた。なぜ風景画でも静物画でもなく人物画なのか、
と問われても困る。だが、自分にはどうしても人格たちの顔をはっきりとかきと
めておきたいという願望があった。他の人からみれば、ぼくたちは、ビリーと
いう殻のなかで分裂した意識の片割れにすぎない。
「自画像は描かないのか、アレン」
「自分の顔なんて知らないもの」ぼくは笑った。「鏡をのぞいたところで、
映ってるのはビリーの顔だ」
アーサーも苦笑した。
「理にかなっているな」
「そうだろ」
458:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:33:53 1srM3csp0
「しかし、それではきみの顔だけがこの世に残らないことになる」
「構いやしないよ」ぼくは言った。「トミーは風景画しか描かないし」
「トミーも最近スポットに現れないな」
「……追い出してやった。それ以来、出てこないんだ」
「どうして追い出した」
「あんたの顔を描くのを邪魔するから」
「……どうして」
「さあね」
絵筆を片付ける。肩が凝ってひどく疲れていた。ベッドで一眠りしたら誰か
がスポットを代わってくれるだろうか。アーサーに声をかけようとしたが、
振り向いたときにはもう彼の姿はスポットの隅から消えていた。仕方がない。
ベッドに身を投げて天井を見つめる。自分はビリー・ミリガンだ。唐突にそう
考える。自分はビリー・ミリガンだ。アーサーもビリー・ミリガンだ。レイゲンも
トミーもビリー・ミリガンだ。それが本来の道理だ。だが、もしそうならば、
ぼくたちは結局何のために生まれてきたのだろう。ぼくたちはただビリーを
守るためだけに生まれてきたにすぎないのだろうか。そしてぼくはただビリーの
分裂した一意識として、残りの二十三の意識の残像を巧妙に描き分けている
だけにすぎないのだろうか。わからない。天井から目を閉ざすとスポットも
見えなくなって涙がこぼれ出た。
459:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:34:36 1srM3csp0
と、その瞬間、ふわりと頭の上から覆いかぶさる意識があって目を開けた。
自分がどこにいるか分からなくなった。だが、ぼやけた視界の先にいるのは
間違いなくアーサーだ。いつもピラミッドを形作っているその指が、ゆっくりと
頬に触れて、伝い落ちた涙を拭い去った。そして、聞きなれたイギリス訛りと
共に、短い接吻が唇に落ちる。
「アレン」声がほんのかすかに掠れている。「私は、きみの顔を決して忘れはしない」
アーサー、と言おうとしたが、言葉にならない。震えた唇にもういちど接吻が
あてがわれる。喋れなくなった自分なんておしまいだ、と思ったが、それよりも
彼のいつになく優しげなまなざしに心もろとも吸い込まれそうだった。ランカスターの
老人ホームでアーサーが感情をこらえたように見えたのは思い違いではなかったのだ。
たまらずアーサーの金髪を引き寄せて顔じゅうに唇を寄せる。止まらなくなって
交わした舌は不思議なほど温かい。ゆっくりと快感が持ち上がる。多分、生々しく
反応しているのはビリーの身体だ。傍から見ればこれは自慰にすぎないだろう。
ビリーの家族に見られたら大変なことだ。
「部屋に……」ぼくはあがる呼吸の中でつぶやいた「部屋に、鍵をかけないと」
アーサーは苦笑した。「きみは、どうにも機転がききすぎるな」
460:ビリー/ミリ/ガン人格内 アー/サー×アレ/ン
07/01/28 20:36:29 1srM3csp0
__________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オソマツサマデシタ
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
461:風と木の名無しさん
07/01/28 22:50:07 BqExPP7U0
元ネタわかんないけどスゲー萌えたよ、ありがとう!!
462:風と木の名無しさん
07/01/29 00:52:58 8c2yrwGGO
うわー!
24人の彼等目茶苦茶好きなのですごい見た瞬間ときめいて、読んで更に萌えました。
ありがとうありがとう。
463:風と木の名無しさん
07/01/29 01:46:03 OjE2S+IOO
おお
801は広いと実感したよ
面白かったありがとう!
464:風と木の名無しさん
07/01/29 02:12:52 RWmuIGgE0
柴/田/よ/し/きの『フ/ォ/ー・ユ/ア・プ/レ/ジャー』
の後日談らしきものです
斉/藤×れん
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
465:斉/藤×れん 1
07/01/29 02:13:32 RWmuIGgE0
部屋に入るなり、若は俺をソファに座らせた。
俺はジーンズに包まれた細い腰を鑑賞した。
細いジーンズは若の長くてしなやかな足や、抱きしめたくなる腰を
あますところなく明らかにしていて、俺は唾を飲み込んだ。
お呼びが掛かるのは久しぶりだった。
しかたがない。若には手に届くところに若い男がいくらでもいるし、
色々試してみたくなるのは男の性だ。
そして、俺は実のところ、若の舎弟の一人でしかなかった。
久しぶりに与えられる快楽の予感に、すぐにでも、腰をつかんで、
後ろから突き上げたい衝動に駆られるが、主導権を持っているのは俺ではない。
俺は忠犬よろしく、おとなしく若に従った。
若は俺の前に立つと、目を細めて、俺を検分した。視線が肌の上を這う。
それだけで俺の背筋はぞくぞくした。
若の目線は己の持ち物の様子を調べているような、冷静なものだった。
ある意味、それは正しい。現在、俺の人生は若の掌中にある。
細くて綺麗な指が、ゆっくりと俺の顔をなぞった。
「案外早く元に戻ったな」
俺は黙って、ただ、目の前にある男にしてはありえないくらい整った顔を眺めていた。
何度見ても、いつまで見ていても見飽きなかった。
ほのかな白檀の香りが俺の鼻をくすぐった。香水やコロンの人工的な香りではない。
若の肌の香りだった。まれに、こんな風に生まれつき肌の香る人間がいるという。
そして、人を狂わせると。
466:斉/藤×れん 2
07/01/29 02:14:23 RWmuIGgE0
「体のほうは、どうなんだ」
気遣う調子ではなかった。それどころか、面白がっているような口調だった。
この人に、そんな優しさは期待していない。
そもそも、俺の体が傷だらけだったのも、
顔が火ぶくれになったのも全部、この人のしたことだった。
「おかげさまで」
短く答えると、若は軽くうなずいて、
俺のシャツのボタンを一個一個、いやみなくらい丁寧に外していった。
外しながら俺の上にのしかかってくる。香りが強くなった。頭がくらくらした。
気が付けば、若の深い闇色の瞳のなかに俺が映っている。
瞳の中の俺は、蕩けるように甘く濃厚な闇の中に完全に溺れていた。
この香り、それから強い人を飲み込むようかのような視線が、男を狂わす。
全てがどうでもよくなるのだ。
かつては若がやくざで、俺が警察官であることが些細なことに思えた。
今は、この人がつい先日、俺を半殺にし、いや本気で殺そうとしたことが、
取るに足らないことにしか思えなかった。
「治ってるな。少し、跡が残っているが」
若は、いきなりわき腹に残った傷跡を抓った。俺はうめき声を上げた。
ケラケラと若は笑った。どうやら、今夜は機嫌が良いようだった。
そういえば、酒の匂いもしない。
ひどいときは、この人は浴びるように酒を飲む。あるいは睡眠薬をしこたま口の放り込む。
まるで、自分の命などどうでも良いかのように。俺はこの人のために少しだけ安心した。
これがいつまで続くかは、わからないが。
「これくらいで、さわぐなよ。
取調室でいつもあんたがやっていたことに比べれば、可愛いもんだろ」
もちろん、俺は文句を言わない。これくらいで文句を言っていたら若の相手は務まらない。