【陵辱】鬼畜作品を創作して19thプレイ【SM】at 801
【陵辱】鬼畜作品を創作して19thプレイ【SM】 - 暇つぶし2ch2:風と木の名無しさん
06/10/29 02:05:21 wo55MY790
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【類似スレ】
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スレリンク(801板)

3:うふ~ん
うふ~ん DELETED
うふ~ん

4:風と木の名無しさん
06/10/29 02:13:22 ZukwFxkc0
>>1さん乙!

5:風と木の名無しさん
06/10/29 02:18:23 WCXlqNkAO
>1乙ー

6:風と木の名無しさん
06/10/29 08:21:30 lh8QMhrYO
>>1乙です!


7:風と木の名無しさん
06/10/29 10:28:28 EPzkfOhg0
>>1、スレ立て乙でした!
このスレも前スレと同じように良作で溢れますように。
スレまたいじゃったけど…
追憶タン、メルヘンタン、完結お疲れさま。楽しませてもらいました。
少年タン、引き続きヨロ。資料室タン、お帰りなさいまし。
他の連載作品の続きも待ってます。

8:風と木の名無しさん
06/10/29 13:50:00 znOrRfjVO
1乙。
前スレ書けなかったのでこっちに。

メルヘンタン、スゲェ終わり方だなw
これはこれで(・∀・)イーネ!

てか資料室タン、超待ってたよ!
しばらく見ないからクレクレ踊りの予行練習してた所だw
マジでこのエロ中年が大好きだ!


9:風と木の名無しさん
06/10/29 17:14:43 5zju+a5q0
>>1乙!

メルヘンタン乙!乙!乙!すごい萌えた。直球で萌えた。

もしかして書き手さんの意図は「漢が性別受けになる801呪いpgr」
かもしれないけど(そういう姿勢はすごく好きだw)
この数日、王子と乳兄弟の仲の進展が気になって、毎日wktkしてたよ。

また何か投下してくれるの待ってる。

10:代理戦争
06/10/29 17:24:40 7Wqy11zy0
投下します。
嫌い苦手興味ない方はスクロール並びにNGワード推奨です。

11:代理戦争
06/10/29 17:25:26 7Wqy11zy0
綺麗に磨き上げられた廊下で、組織の若者達は世間話をしていた。
世間話といっても、天気だの経済だのの話等ではもちろん無く―どこの売春宿の女がかわいかっただの、
具合が良かっただの、口での奉仕が上手かっただのと低俗極まりない会話だ。
時折行きかう、若者達より更に下位の者や清掃員などがこっそりと眉をしかめる中、
飽きもせずに性の話題を続ける彼らの神経の図太さたるや、流石最下層街の出身と言ったところか、或いは単に年齢の所為か。
ときおり意味もなく湧き上がる爆笑や手を叩く音が、まっすぐ伸びる廊下を木霊して遠くまで届く。

遠く、遠く響き渡ってようやく音が命を終える辺りの扉が開いた。
踏み出す足音は二つ。高く澄んだ優雅な足音と、少し床を引き摺るような柔らかい足音。
その足音の二重奏が、今度は若者達の方へと木霊していく。

その足音に最初に気づいたのは、誰だっただろうか。
バカ騒ぎに紛れ込んだその微かな音は、確実に若者達が姿勢を正すのを遅れさせた。
ふと、一人の青年が怯えたように向かいにいた若者の後ろを見透かした―と思った瞬間、
豚肉の塊を床に落としたような音を立てて、その若者が壁に叩きつけられた。
「ぁ、っ……!」
「通行の邪魔ですよぉ」

若者達が衝撃に引き攣る中、ひょこんと顔を出してたしなめたのは―拘束男だった。その後にはカギロイもいる。
「もっ……申し訳ありませんッ!」
正に近年稀に見る失態を犯した若者達は漣のように道の脇へと退き、道を譲った。

通り過ぎた2人は、幸いにも顔色はそう悪くない。
機嫌が良かった時で、本当に良かった―と若者達は安堵して、既に様態も危うい友人へ駆け寄った。

12:代理戦争
06/10/29 17:26:07 7Wqy11zy0
ばたん、と大きな音を立ててその扉が開いた時―部屋は完全な無音だった。
それで全ての様子が把握できたというのは大げさだが、
少なくともそこに幽閉されていた人物がどうなっているかはおおむね分かった。
「…………意識、薄いですね。惜しい」
何が惜しいのかと言えば、その人物が発狂せんばかりによがる様が見れないことが惜しいのだろう。
文脈からしても当たり前と言えば当たり前のことを思い浮かべながら、カギロイは鉄の枠を見下ろした。
ハダレ、といったか。齢は18と聞いている。
ぐったりと伸びた手足は汗ばみ、無機質なライトに照らされて白とオレンジと影の三色が目に眩しい。
白い器具に性感の中枢を捏ねられて肢体をくねらせる時の艶かしさが容易に想像できる。
一方で顔は涙や涎、果ては鉄の枠に擦れたのか、擦り傷から滲む血が乾いて肌を覆っていた。
そして腹を中心に、胸元まで精液で汚した姿は実に惨めで、扇情的だ。
―本当に、扇情的だ。

「……好みですかぁ?」
拘束男の声で、カギロイは顔を上げた。声音に、ありありと拗ねた様な色が滲んでいる。
ふん、と小さく笑ってカギロイが応えた。
「そうだな…発注が無ければ欲しいところだ。お前と似ているからかな」
奴隷は、何も答えなかった。小さく肩をすくめ、その代わりに次の指示を仰いだ。
「気付け代わりに、それを引き抜いてやれ。その後……そうだな、傷つけずに拡張して舞台に備える」
「舞台」
拘束男が繰り返した。聞きなれない異国の言葉を、聞こえたままに口にしたような調子で。
「彼を、舞台に上げるんですかぁ?相手は誰です?」
「お前と、私のどちらかに勝てば解放してやるという条件でやる。
 どう考えても分の悪い勝負だろうが、乗ってこないわけに行かない。
 実質の利益を考えても、没落したとはいえ―鉄壁の王者の威信に懸けても、な」
穏やかな―それを越えて優雅な微笑が、カギロイの口元の片端を吊り上げてにやりとした笑いに変わる。
つられたように、拘束男の隠された口元もきゅっと上がる。―想像するだけで、欲が熱く滾る。


13:代理戦争
06/10/29 17:27:01 7Wqy11zy0
地図。金。食料。壊れかけのペン。汎用性の高い布きれ。少量の医療道具。その他、諸々。
昔は破れ目一つ無く今はずだ袋にも近い鞄にそれらを詰め込み、動きやすさ重視の服を着込み、あとは
夢と希望でもあれば高層街の若者に流行の『自分探し』の旅にでもなるのだろうが、生憎そんなものは無い。
痛む身体を目的のためだけに追い遣らねばならない。例え、現実と失望が背骨を砕きそうなほど重くても。
ウスライは廃墟の街を進んでいた。
本当は早足でいきたいが、足場が悪く脇腹に響くのでゆっくりも行きたい。結局、中間を取って普通の早さに落ち着く。
固定帯で抑えられた胸部が少し苦しく、肩も動かし辛い。相変わらず、左腕が自由にならない。
出来ることなら歩きたくない。
兄の追討の命を受け、故郷を離れ都市の各層を放浪すること暫く。
その間、厳しく厭らしいと思っていた家が霞むほどの様々な目に逢い、図太くなっていたつもりだった。
しかし例の医者は『その程度の傷、歩けるんだから擦り傷と違わない。軟弱者めが』と言う。

(……あいつは、そうなんだろう。耐えられる)
ふと青年のことを思い返すが、痛みは無い。痛覚が麻痺するほどの哀しみを感じているからなのか、
―それとももう彼に関しての記憶が過去の痛みとして処理されているからなのか。
(無理矢理歩き回ることを美徳だと思わせる環境だしな。実際傷を負った所で誰が心配するわけでもない。
 だから……)

だから、自分の半ば偽りの事務的な介護になびいたのだろう。一種の策に嵌った、といったところか。
頭を撫でられると非常な安堵を得ると言うことを発見してから、その傾向は特に強まった。
最後にはなんとも初々しい口付けを仕掛けてきた。鉄壁の王者が微笑ましくみえるほどの拙さが、新鮮だった。
その唇の感触すら思い出せないのは、思い出したくないのか、忘れてしまったのか。微妙なところだ。
なんにせよ、ウスライは歩いていた。目的の為に。

14:代理戦争
06/10/29 17:27:31 7Wqy11zy0
「せーのっ、」
にちゃっ、という粘液質な音を立てて、エネマグラが引き抜かれた。
ローションの糸を切るために抜き出したばかりの孔の周囲に擦り付けると、意識の朦朧とした体がぴくんと動いた。
「……………………」
そのまま少し強く押し付けてぐいぐいと皺を伸ばしてやると、同じリズムでぴくんぴくんと膝がはねた。
面白くて何度もやっていると、
「ッげふっ」
「遊ぶな」
首輪を引っ張られた。

「口枷を外して起こしてくれ」
一頻り咳き込んでからなお首の辺りを擦っている拘束男に、カギロイが優しく命じる。
「ふぁい……分かりましたぁっげふ」
それに対してやや元気の無い返事を返してから、拘束男はハダレの頭の方へと向かった。
鉄の枠は、手足など拘束しなければならない場所ほど複雑に絡み合い、手も差し入れにくい。
その点、頭はそこまで厳重に固定しなければならないわけでもないので楽だ。
拘束男はハダレの顔を頭頂の方から覗き込み、横から差し入れた両手で操作し、涎まみれの枷を持ち上げる。
べとべとのそれを傍らに置いて、改めて伸ばした掌で頬を包み込み、瞼を押さえる。
「ハダレさーん、起きてくださいなー」
軽薄な声をかけながら、空ろな瞳と自分の瞳を見つめあわせ、そして―考えうるだけの邪な思いをぶつける。

「ぅ、ぁあッ!」
かなり苦しそうな声―悲鳴といってもいいそれをあげて、ハダレが起きた。
特に今日はちょっとばかりの嫉妬を覚えている。少しきついくらいの気付けなのは想像に難くない。
「ぁ……、……?」
すぐ自分の真上で微笑みかける拘束男が誰なのか―また、この場がどういう場なのか
咄嗟に思い出せないと言うように曖昧な声で呻くハダレ。
その寝起きのような様が、素直に可愛いと感じられて―拘束男は軽く口付けた。


15:代理戦争
06/10/29 17:28:02 7Wqy11zy0
上下逆さまで、しかも鉄の枠に無理矢理首を突っ込んでいる状態なので、やりにくいことこの上ない。
少しかさつく唇を食むように舐め、ちょびっと舌を突っ込んで、それだけで顔を上げる。
「……ん…!」
その時ハダレが異変に気付いて、目を見開いた。今度こそ覚醒したようだ。
もう暴れるほどの体力も気力も無いはずだが、先ほど主人の唇を噛み切った事を思い返せば、
ベストなタイミングで唇を離したと言えるだろう。
「おはよ。って言っても何時間もたってないけど」
「……っ…」
「声が枯れちゃってますよぉ」
拘束男は左側から回りこんで、ハダレの耳に唇を寄せた。囁く。
「そんなにヨかった?」

刹那、ハダレの左眼が睨むような微妙な様相を見せ―そして、翳された白い器具を見て、
怯えたような、ぎょっとしたような光がよぎる。幾分、素直になったようだ。
拘束男はゆっくりと身体を引いた。そして主人に語りかける。
「どうしましょー、なんか怯えられちゃいました」
「そうか……それは悪いことをしたね」
カギロイは心底申し訳なさそうな声でハダレに言った。泰然とした態度は変わらないが。
こつ、こつと高い靴音を響かせ、ゆっくりとハダレの胴へと歩み寄りながら言葉を振り掛ける。
「確かに前立腺の開発にはエネマグラは有効だが、今さっきのやり方は君には合わなかったのかもしれないな。
 入荷したばかりの素材である君は、この場所に少なからず不安を覚えているだろうしな。
 そんな場所では思う存分よがることもできなかっただろう。
 さぞ―」
と、カギロイはそこで言葉を切って立ち止まる。ちょうど、ハダレの腰の辺りの位置から身体を見下ろすように。
そして優雅で伸びやかな仕草で、長く骨張り、重労働の経験のなさそうな美しい指を伸ばす。

16:代理戦争
06/10/29 17:28:57 7Wqy11zy0

ゆっくりと差し伸べられた指先がハダレの腹を撫でたかと思うと、すぐに顔に差し向けられた。
口元に差し出されたそれを見て、青年が口を引き結んだ。顔を背ける。
「―さぞ、中途半端で苦しかっただろう?」
そう気遣うカギロイの表情は、完全に獲物を責め苛むことに快楽を得ている表情になっている。
差し出す指先にはハダレの放った白濁が絡みつき、独特のあの臭いを放っていた。

ハダレはその差し出された指の意図するところ―舐めろ、と言う意図は読み取れたが、従う気は無かった。
何が悲しくてせっかく出したものを再吸収しなければならないのだ。
従わなければ、また何か耐え難いことをされるのは分かっていた。だが、どうしても受け入れるのは憚られた。
じりじりと近付いてくるカギロイの人差し指と中指に絡みついた粘液を、目線だけ下げて見つめる。
出来ることなら睨みたかったが、そこまでの気力は無かった。

カギロイは全く臆することなくその指を擦り合わせながら、ハダレの唇へと近付ける。無言の催促が続く。
だが、無視する。
いよいよ強くなる青臭さに自分の物ながら眉が歪むが、唇を引き結んで狭い檻の中、精一杯顔を逆方向へ捻る。

「君のものだ。君が今さっきつけた汚れだ。君が今さっきまで玩具に弄ばれてイった時の精液だ。
 幼い頃習っただろう?後始末は自分ですること、と」
にち、と音を立てて、ついにそれが唇に擦り付けられた。
緊張した薄い肉に二本の指を滑らせ、まるで陰裂を愛撫するようになぞり上げる。
ハダレはなおも黙っていた。
軽口を叩く事も、噛み付くことも、睨むこともままならない現状で最も有効だと思われる反抗を続ける。

が、
「舐めろ」
「おごッ……!」
無理矢理唇を割られて舌の奥の奥まで指を突きこまれても黙っていられるほど、ハダレは自制を伴っていなかった。

17:代理戦争
06/10/29 17:29:42 7Wqy11zy0
「ぅおっ…フ…かっ、ハァッ!」
喉の奥に指を突っ込まれ、えづく感覚を何度も味あわされる。
舌の根元を越え、滑らかな粘膜に指が到達した瞬間に反射的に締まる気管と、
押し上げるように竦む胃や肺が強く痛み、涙が滲む。それでも指は出て行かない。何度も繰り返し粘膜を嬲る。
「ふぁ…は、かはッ!は、ぅ」
カギロイはハダレの舌や頬の内側の粘膜をあえて避け、あえてその場所で指を拭った。
乾きかけた粘液の残骸のかけらまで、執拗に、粘っこくなすって落とす。
つるんと滑る、弾力の強いゼリーにも似た粘膜を突付くと、青年の体が面白いように仰け反った。
「…ッ……う!…」
しかし、エネマグラに弄ばれた身体に仰け反った姿勢を維持する体力など到底残ってはいなかった。
背中が跳ね上がった次の瞬間には力尽き、ばたんと派手な音を立てて落ちる。
その衝撃で、拘束男が用意して傍に置いておいたビン入りのローションの水面がたぷんと揺れた。

「……ッ!……!…、……」
文字通り息もつかせぬ責めに、ハダレの青灰色の瞳がぐるりとして見えなくなった。
それを見て、流石にカギロイが指を抜き出す。精液に代わってさらさらとした唾液にまみれた指を、
ハダレの肌で拭き、更に拘束男の差し出したお絞りで拭き、朦朧としたハダレを見下ろす。
だが、その視線にはゆらめく何かが映っている。
冷えた地面―獲物を、自らの熱で焦がすように暖めては悶えさせ、空気を震わせる―陽炎のような、欲が。
「起きろ」
パン、と乾いた音を立てて、ハダレの頬が張られた。一度ではない。
十度でもない。その間の、何度か程。
「…………ぁ……うっ!」
その途中でハダレは目覚めたが、カギロイは容赦なく振りかぶっていた分までハダレを引っ叩いた。
特に最後の一発は容赦なく、景気のいい音が部屋中に響き渡った。
その勢いたるや、カギロイの手が僅かに火照り、痺れた程だ。

18:代理戦争
06/10/29 17:30:13 7Wqy11zy0
その腕を隠しながら、カギロイはハダレの頬に手を添え、視線を合わせさせた。
「分かったかい?君には抵抗する権利はあるが行使はさせない。
 抵抗した分だけ責め苦となって、君の調教に役立つだけだ」
「…………………」
「返事は?」
ハダレはぐったりと首を動かした。ぱさついた茶髪が散る。
―横の方向に。

「頭の切れる素材だと思っていたが、少し思い違いだったのかもしれないな」
一部始終をぼうっと眺めていた拘束男の耳に、ふと低い声が届いた。その調子に、はっと顔を上げる。
この(表面上は)穏やかな男がこういった低い声を出す時は、兎に角何か良くないことの前触れだ。
特に表面上は取り繕っている割に、内面は冷静ではなく、むしろ感情優先で動くこの主人は、
些細なことにもぷつんと堪忍袋の緒を切ってしまう。多分、強度は紙縒りとタメを張れる。
例えば部下の不始末に苛立っている時。
例えば拘束男に当たっている時。
そして、例えば他には―奴隷材料が、反抗した時。

「材料を檻から外してやれ」
「い……いいん、ですか?暴れるかもしれないですよぉ」
「暴れても私達の前ではどうということも無いだろう。やってやれ」

拘束男はなおも少し戸惑いつつも、素直に主人に従って動いた。
鉄枠から直接張り出した各所の枷を、拘束衣に似た衣装のポケットから取り出した鍵で一つ一つ外していく。
指錠や手枷、腿や足首や首まで巻かれたベルトの類まで全て外し終えると、
やっと檻自体の接合部を動かすことが出来る。
先ほど枷を外したいくつかの鍵よりもっと丈夫そうな鍵で檻の錠前を外すと、強固な檻がぐらりと揺れた。
ハダレの体が引っかからないように注意しながら持ち上げると、
先ほどまでハダレが暴れに暴れても解けなかった拘束が、部屋着でも脱ぐようにするんと抜けた。

19:代理戦争
06/10/29 17:31:13 7Wqy11zy0

拘束男はふうふう言いながらその檻を脇にどけ、綺麗に折りたたんだ。
そして主人を振り仰ぐ。
「……あの、次……」
何となく恐れおののきながら伺いを立てると、カギロイは冷たく告げた。
「……お前は、ホトケの顔も三度までと言うことわざを知っているか」
「は?はぁ……」
唐突な問いに、拘束男は一瞬惑ったように高い声を上げた。が、すぐに思い返して応えた。
「ホトケ、ってあれですよねぇ。東方発祥の古宗教の聖者で、よくわかんないけど心広いんですよね。
 その人だって失礼な事を繰り返されるといい加減ぶち切れますよっていう諺だと記憶してますけど」
小首を傾げながら告げる拘束男に、カギロイは低く、冷然とした口調で言い放った。

「私は仏ではないのでね。二度目でもう限界が来た」
へ、と間の抜けた声を上げた拘束男をよそに、カギロイはハダレのぐったりした身体を
檻をのけた台に引き上げ、後頭部を鷲掴んで叩きつけるように押し付けた。ゴン、と硬い音が響いた。
「ッ、が……」
潰れた様な声を出すハダレの上半身には構わず、カギロイはハダレの脚を押し開き、
未だ乾きかけのローションでてらてらと光る尻を自分の方へ向かせる。
カギロイが何を考えているのか考える余裕も無いハダレは、この期に及んでももがいているだけだ。
―しかも、無意識にか自分から逃れようと前方に。

それがまた腹立たしい。
カギロイはとうに痺れの切れた右手を振りかぶり―目の前の尻たぶに振り下ろした!
「ッ!」
背が跳ね上がり、肩甲骨や背骨の陰影が一瞬濃くなる。
頬を張ったときよりも数段いい音を立てて、ハダレの尻に薄赤い手形が付いた。

20:代理戦争
06/10/29 17:31:55 7Wqy11zy0
「逃げるな」
カギロイはもう一発尻に平手を落とすと、自分の前を寛げた。
先ほどから支配欲を強く感じていた影響か、それともハダレが奴隷に似ているからか―恐ろしいほど昂っている。
それを赤く染まった両尻のたぶの間に埋め、割れ目を擦り上げた。
ハダレの会陰から割れ目の終わりまでをぬるりと撫でると、そこで初めて正気に返ったように青年が振り返った。

―もう、何をしようとしているかは明白だった。
「……ッあ……!?」
愕然とした声を上げると、ハダレは何とか逃れようと暴れた。
意思とは逆に垂れ下がる手足で台を掴み、腰をくねらせて掴む腕を振り払おうとする。

何故流されてはいけないのか、説明しろといわれてもできないほどハダレは疲弊していた。
とにかくその行為は取り返しの付かないことなのだ、とぼんやり認識しているだけだった。
だが、行動するにはその程度の動機付けで十分だった。
ハダレは恥も外聞も無く暴れて、触れるもの全てを拒み続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
が、すぐに体力が尽きて抵抗は終わりを次げた。
前よりもぐったりとした肢体をカギロイは抱き、罰だといわんばかりに囁く。
「ウスライの方がいいか」

「……ッス……ラィ…」
ハダレはぼんやりとした口調で、聞こえたとおりに繰り返し―はっとしたように、小さな声を上げた。
それを遮って、カギロイが哀れみを加えた声で告げた。
「そうだ。ウスライだ。君と行動していた、俺の弟だ。君は奴に入れ込んでるようだが、
 護られている途中に抱かれでもしたのかね?」

21:代理戦争
06/10/29 17:32:52 7Wqy11zy0
「………ぅ……」
ハダレは睨むつもりで、―しかしカギロイを力なく見つめ返す。
その視線を受けながら合点したとばかりに、カギロイは頷いて見せた。何に納得したのかは知らないが。
「別に君の趣味を否定するわけでもないし、弟を否定する訳でもない。
 立場の違いが互いを反目させていはいるが、少なくとも単独で私を―組織を相手に渡り合う能力には感服している」
にゅ、っと。尻の谷間を男の性器が舐めるように滑った。
気色の悪さにハダレが身を竦めると、服が汚れるのも構わずカギロイが身をかがめてきた。
「ただ敵を殴って倒す能力しかない男なら、私はとっくにあれを捕捉している。
 まあ、殺しでもしたら今度こそ本当の暗殺者でも仕向けられていただろうけれど。
 ―だがウスライも手を出しあぐねている。その能力ゆえに」
「………………」
カギロイの話を聞きながら―半ば聞き流しながら、ハダレはもぞりと身体を動かした。
抵抗のつもりではない。できるならとっくにしている。身じろぎは、悪寒にも似た居心地の悪さが原因だった。

耳元でぼそぼそと囁かれるのは、ウスライに初めて代理戦争の舞台で会ったときにされた事で、
目さえ瞑れば、後ろにいるカギロイはその時と至極良く似た雰囲気だと感じられた。
そして素肌に時折触れる相手の体が、酷くもどかしい刺激になるのもその時と同じだ。だが―

「状況判断能力だよ」
「……ぁ、っ…!」
後孔をぐり、と強く抉られ、ハダレは身構えた。
具体的に言うと、尻に力を込めカギロイの侵入を拒み、しかしいずれ突破される痛みに耐えるために息を吐いた。
だが、肩透かしのようにカギロイは身を引く。むしろ刺激に反応した後孔を面白がるように、何度も突く。
「自分がそこに巻き込まれていてなお、まるで外からゲーム盤を眺めるような冷静さ。
 必須なものと、護らねばならないものと、それを護るために必要なもの、そして不必要なものを
 瞬時に選別し、処理する頭の回転のよさ。 そして―そうだな……」

22:代理戦争
06/10/29 17:34:15 7Wqy11zy0
カギロイがふと、身体を離した。温みのある質量が離れたことで、冷気がハダレの背を這う。
つい怪訝そうな―このまま挿入はしないのではないかという、淡い期待を抱いた―目で、その姿を追うと、
手にローションと思しき液体の入ったビンを拘束男から渡されたカギロイが、にこりと微笑むのが見えた。
「ちょっとした選択だ。自由と屈服。言い換えれば、ウスライと私。
 どちらを選んだ所でどうと言うほど待遇が変化するわけでもないが、―どちらが自分に有益な存在か。選べ」
「…………」
殆ど、無意識に。
「……う、す、……らぃ…」

「そうか…………まぁ、そうだろうな。というわけでこれは無しだ」
微笑み、納得した様子でローションのビンを投げ割るカギロイ。
その音に、むしろ拘束男の方が肩を跳ね上げさせる。
それを振り返り見もせず―カギロイは、ハダレの腰骨に指をかける様に引き寄せ、
「……ぅ………うくっ…ッ…!…!!」
そうする様には慣らしていない後孔に、ずぶずぶと身を沈めていった。

先ほどまで器具で開かれていた孔は、器具の形にしか慣らされていない。ローションも渇き気味だった。
エネマグラよりも直径も、質量も上回るカギロイ自身の挿入は、ハダレにまたも酷い痛みを与えた。
初めて犯された時から全く慣れない苦痛と惨めさと無力感が、背骨を逆流してフラッシュバックのように
思い出さずともいいようなことを思い出させる。
男女を問わず、子孫を残す機械として犯されたこと。人買いに、にやにやとされながら服を剥がされた事。
代理戦争で勝ちすぎて、生意気だと路地裏に連れ込まれて輪姦された、何年か前。コモリの裏切り。
逆に、自制できずに相手を傷つけ、犯し、自尊心を踏みにじり、或いは命まで奪ったこと。
さらに連想は続き、閉じ込められていたこと、行き倒れたときのこと、衣食住全てが不足していたこと、
あらゆるネガティブな思い出が、カギロイが身体を揺さぶり上げる一回一回に伴って鮮烈によみがえる。

23:代理戦争
06/10/29 17:35:04 7Wqy11zy0
「ぁ……ぐぅっ…」
「痛いか。痛いだろうな。こんなに固い抱き心地は初物食い嗜好の客しか好まないだろう」
瞑った目と鼻筋の隙間を冷たい汗が伝い、カギロイを咥え込んだ部分のすぐ下、内股がぶるぶると震えた。
いつもこうだ。行為に及ぶ時は、いつも痛みに耐える事から始まり、
慣れた頃には欲に耐えることに努め、最後は虚しさに耐えることに尽力する。
耐えなくて良くなるのは、一体何時のことなのだろうか。

「……、けっ……抜け、ッぃた…!ぅ…!」
「強請られれば、ローションをつけない事もないし、セックスドラッグを用意させてもいいが?なぁ」
「ですよねぇー。ほら、お願いすればぁ?」
いつの間にかハダレの正面に回り込んだ拘束男が、台に肘をつく格好でハダレの苦悶の表情を眺めている。
「怪我しちゃうよ?明日もきっとお尻痛いしぃ。それにどうせ、あと何日もしないうちに君は折れる。
 …………そんなに我慢しなくて、いいんだよぉ?」

『耐えなくて良くなるのは、一体何時のことなのだろうか』
ハダレは、その痛みの最中に問いの答えを聞いた。

畳み掛けるように、カギロイが囁く。
「さっきの―ウスライの話が途中だったな。状況判断能力について。
 それの最たる特徴は―取捨選択だ」
ずん、と一際大きく突く。カギロイの根本まで、全てがハダレの中に在る。
その気色悪さと、背筋を駆け上る不愉快な熱に呻き、ハダレは朦朧としながらその言葉を聞いた。
「普通の人間は不必要でも『所有する』という行為を大事にする。
 いずれその不必要なものが必要になるかもしれないと、そう考えるからだ。
 しかしウスライの場合は違う。あいつは秀でたその能力で、はっきりと不要必要を見分けられる。
 そして万一先の見通しが崩れても、常人が嘆く瞬間さえ判断に費やす。場の誤った判断に後悔はしない」

24:代理戦争
06/10/29 17:36:16 7Wqy11zy0
「…ッ、…あ…が、どう……した…」」
ぐちゅ、と粘着質な音を立てて肉棒が引かれる。奥に残っていたローションが、垂れてきたらしい。
ほんの少し苦痛が減る。それに安堵する自分が嫌いだ。
後孔がカリを吐き出すか吐き出さないかのぎりぎりまで引き抜いてから、カギロイはまた奥まで突きこんだ。
「あっ……ぅん、」
「分からないかい?厳然たる取捨選択の末に何が起きるか?
 だから君は私達に抗うのか?」
「…っ……ぃ…?」
抽送されながら、そろそろ痛みも薄れてきた感覚に戸惑いながら、それでもハダレは疑問の様な声を上げた。
それを疑問と取ってくれたカギロイが、にやりと微笑んで告げた。
「ウスライが自分の安全と引き換えに何を捨てたのか―……
 それは、君だ」


「………………」
驚き、というほどの感覚は無かった。
助けて欲しかったのも、今助けてくれる道理があると思われるのもウスライしかいないのは事実だ。
そして、その一方で助けてもらえない道理が在るということも、知っていた。
ただ、彼と争って長いという兄という存在からその言葉を聞くことは、
自分以外の誰かがその発想を持っていることを知るのは、
―予想以上に辛かった。

25:代理戦争
06/10/29 17:37:20 7Wqy11zy0
自分は一体どういう表情をしているだろう。驚きというほど、驚いてはいないはずだ。
悲しみだろうか。憤怒だろうか。戸惑いか。未練たらしい、苦い表情には違いない。

「…………その表情が見たかった」
頃合的にも、快楽が勝ってきていた。望まぬ相手に、本質的には恋人に抱かれるのと同じ媚態を晒す時間帯に。
引き攣り、文字通り喘ぐような声が漏れ出ている。どこから。ハダレ自身の口から。
「どんな表情をしているか、分かるか?」
首を振った。もう駄目だ。もう……耐えられない。何に。
「絶望だ。絶望的な表情とは正にそれだ、と断言できる―そんな顔だ」


「……今日一日で結構折れちゃいましたね」
拘束男がつまらなそうに言った。新たな絶頂を迎え、腿に白濁を滴らせたハダレを抱えて。
その一方で、カギロイは身支度を整えながら微笑して拘束男に言う。
「また体が休まって、目が覚めれば直っている。
 ―そうやって何度も曲げ直しを繰り返した精神こそ、ある瞬間で完全に折れる。もう直らない」
「それが―『舞台』ですかぁ」
感慨深そうに拘束男が呟くのに、カギロイは否定も肯定もしなかった。まるで、1+1=2を唱えたように。



ウスライは、歩いていた。目的のために。
廃墟の街を背に、一歩一歩遠ざかりながら。

26:代理戦争
06/10/29 17:39:25 7Wqy11zy0
↑ここまでです。

27:風と木の名無しさん
06/10/29 17:42:19 2l/FNUwCO
代理タンキター!!!
乙です!
ウスライこいウスライ!!てか早くしないとそろそろハダレが間に合わないよ(;´д`)ノ
あとちょっとで終わるの寂しいなぁ

28:風と木の名無しさん
06/10/29 18:40:04 h5xVnh6D0
代理タン、GJGJグーーーーッジョブ!
待ってました!
終わっちゃうのは寂しいけど続きも読みたい~ジレンマ。

29:風と木の名無しさん
06/10/29 19:52:30 ft5h7YGZ0
イイイヤッホウウ!!(巨大AA略
   。
    〉
  ○ノ イヤッホォォ!
 <ヽ |
 i!i/, |i!ii ガタン
 ̄ ̄ ̄ ̄
代理タンキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
禿乙!

30:風と木の名無しさん
06/10/30 07:07:33 TcoO/2GyO
代理タン乙!
続き楽しみにしてるよー

31:風と木の名無しさん
06/10/30 10:22:25 1BWd8tg6O
1乙
メルヘン乙
追憶乙
資料乙
Y乙
代理乙
乙乙乙乙乙乙

32:少年Y
06/10/30 12:08:17 aIbUlGLp0
前回投下分
本文直前警告が一箇所抜けていました
申し訳ありません。

今回投下分
少年が登場します。
ご注意ください。

今回で完結です
ありがとうございました。

33:少年Y1/10
06/10/30 12:09:05 aIbUlGLp0
七日目。
最後の稚魚を確認し、氷の溶けきった冷水から引き上げられた頃には、もう日も沈んでいた。
低体温に震え意識を失いかけたイグレクは、厚い掌が布越しに何度も自分の肌を擦るのを感覚で得、唇が色を取り戻す時分には疲労がつれて来た睡魔に襲われ、すっかり眠りの淵に居た。
暗闇の中何度か目を覚ましたが、部屋の中はすっかり片づけられ、沈黙の中自分一人の気配しか見つけられない。
だが、深夜のこの目覚めは違った。激しい差し込みが腹部に閃いた。
息も止まらんばかりの激痛に、身体をくの字に折って呻く。
痙攣している指先で胃の辺りを触れてみるが、痛みの根源はそこではない。
それでも脂汗がじとじとと顔を濡らして止まない強烈な苦しみに、思わず胃の内容物を吐き出した。
溝に流れるそれは胃液だけであった。今日は水しか採っていない。
根源を探ろうと掌を下へ滑らすが、見つけるより早く、耐え切れずに膝を折った。
両手も床に突き、這いつくばるような格好で、ただただ痛みが引くのを待った。
きりきりと内部から責め苛む音は止まず、頭蓋骨をその振動で痛めつける。
ガンガンと頭の中で鳴る音響、耳鳴りを伴い、消え行く最後の意識でイグレクは身体を這い進めた。
冷たい石の床が、唯一の意識を引き戻す糧であった。

34:少年Y2/10
06/10/30 12:10:01 aIbUlGLp0
直線距離で鉄の扉を目指す。
その間何度も差し込みが襲い掛かり、最後の意識の火を消そうと仕組んだ。
べとつく汗は目の中に入り込み視界を奪う。
呼吸は死の間際のように荒く、絶え間ない全身の震えは断末魔の痙攣なのか。
永遠にも感じる時間であったが、確かに目的地までの距離は狭まっていた。
途中何度も胃が引っくり返り、内臓が配置換えを行なうような苦痛に目も意識も、行動を続けようとする気概さえも奪われかけた。
それでもやっと、伸ばした指先が金属の表面に触れた。
爪が擦れる音よりも、引きずる鎖の鳴る方が大きい。
(………声を。呼ばなくちゃ………)
口の中には苦く、粘ついた唾液が絡まっている。
喉が奥がヒリヒリと、空気を取り込んだだけでも痛んだ。
「………テッド………」
か細く空気に溶けいりそうな弱々しい声。
石壁も鉄素材の扉も、それを跳ね返すだけで、向こう側に通す許可は、到底与えそうにない。
冷たく表面を光らせているだけだ。
それでも、気配があった。
戸惑いながらも近づいて来る、重厚な足音。
イグレクの顔が安堵に緩んだ。その一瞬だけは痛みを忘れ、こう考える余裕さえもあった。
(このまま、いつもの調子で扉を開けられたら、頭蓋骨が陥没して死ぬ。
そんな最悪な位置関係だな)
しかし、用心深くゆっくりと、音を立てずに扉は開かれた。
覗き込むテッドの表情の変化を残念ながら見る事は出来ず、少年の意識は落ちていった。

35:少年Y3/10
06/10/30 12:11:20 aIbUlGLp0
ゆっくりと目を開ける。ぼんやりとした置灯の明るさに気付く。
そして、掌を包み込む暖かな感覚にも。
まだ中途半端な開き具合の瞼を、ゆっくりと肩から腕に沿って下らせていく。
手首の革ベルトを越えた位置に、自分の白い手は見えず、代わりに厚い日焼けした左右の手の甲が被さっているのが見えた。
煙草の香りと男らしい匂い。骨太の体躯に似合った、重厚な鼓動もそこから伝わってくる。
意図せずイグレクの焦点はそこに落ち着く。
徐々に瞳を開き、思考を取り戻していった。
身じろぎを感じ取ったのか、横を向いていたテッドが頭を戻した。
ばっちりと二人の目が合う。包みあう手の上で。
ギョッと丸くなったテッドの目、焦りながらグローブのような手を離して、あたふたと空中に浮かせる。
意図して顔をそむけ、一言こう告げた。
「脈拍は、問題ない」
イグレクは思わず吹き出しそうになった。
そんな場所で脈を取れるものか。
皮肉交じりに無知を指摘する事も出来たが、どうせなら笑いながら言ってやりたい。そう思った。
そして、笑える程に自分が、健康な状態に戻っている事を知る。
テッド越しに白衣の老人が見えた。
薬品臭い衣服から十分医者だと推測出来る。
看病人と医者は短く会話を交わす。
言葉の端からイグレクは自分の身に起きた出来事を理解した。
「………鰻の雌の卵。孵化時の毒素排出による疝痛。
薬は効いたし問題はないが………」
「用意した業者には、後で焼きを入れる」
「それが問題ではないと思うが………とにかく安静に」
「ああ」
明快なテッドの返答に何か不満なのか、老人はイグレクを覗き込み、付け加えた。
「わしの見立ても問題ないが、まぁ腹の渋りが取れるまではじっとしている事だ。
脈拍も問題なかったらしいし………」

36:少年Y4/10
06/10/30 12:12:58 aIbUlGLp0
堪らず、イグレクは笑った。
腹を抱え、目の端に涙を零し、その年代に相応しい明るく弾ける笑い声を、石の壁に反射させた。
問題、を連発する老人も可笑しかったが、脈拍と告げた時の、頬を膨らませ、口を尖らせたテッドの表情が何よりツボに入ったのだ。
笑い転げる少年を見、老人は満足そうに頷きながら部屋を去る。
テッドは医師の背中を押して送り出してから、振り返った。
「調教は中止する。大人しくしてろ」
少年はまだ笑いの発作の真っ只中にあった為、返事は、あはは、の三文字であった。
額に手を当て嘆息したテッドは、殊更厳しい顔を作ろうと努力する。
「痛みが、ぶり返したりしたら………呼べ」
努力は満たされず、テッドは「百戦錬磨の拷問官」の表情を残せないまま扉を閉めた。
一人残ったイグレクは、既に発作も収まり、指で目尻を拭っていた。
唇は笑みの形を未だ保っている。目には穏やかな色が灯っていた。
窓のないこの部屋の温度から判断するに、今は恐らく夕方。
決断するには時間はそれほど残されていなかったが、少年はたった今決めた。
(多分、最後の………笑いを僕にくれた………)
藁の上に丁寧に敷き詰められた布と、清潔な白い掛布。
それに包まり、イグレクは夜までの短い間をまどろみで過した。

37:少年Y5/10
06/10/30 12:15:23 aIbUlGLp0
静けさが降り立った。室内は既に闇が占めている。
シャツ一枚の姿で起き上がり、爪先立ちで鉄扉に寄ったイグレクは、投げる言葉の選択に迷い、挙句ノックを選んだ。
硬質な音が二度、静寂の中に響き渡る。
すぐに戸が開き、テッドが顔を覗かせた。
「どうした」
短く問うテッド。
イグレクはもじもじと指を絡ませながら、口を開く。
真正面で初めて唱える事になる、彼の名前を。
「テッド………あなたに」
小さく消え入りそうな声は聞き取れなかったのだろう。
テッドは耳を寄せようと扉を大きく開いた。
肩越しに見える検分室。明りは落とされ、テッドの他誰も居ない。
中央に位置する巨大な木製の机、検分台。
その脇に小さな丸椅子が一つ置いてある。
ついさっきまで人が座っていた形に、窪んでいる椅子の上の毛布――それを目にした時、少年の最後の躊躇いは消えた。
天を見上げ、目を閉じ、手は組まなかったが、心で祈りを捧げる。
(迷わない、もう戻らない。
彼に全てを委ねると決めた。
ああしていつも見守っていてくれた。
呼べばすぐ来て、広い手を伸ばしてくれた。
………これ以上、何を望む事がある?
僕の未来に、もっと信頼を見せてくれる人が現れる予定があるか?
義理でも金目当てでも、義務の上でも構わない。僕を助けてくれる人物は登場するか?
………何もかも失った僕に、残されているものなんてない。
なら、最初で最後の親切なこの人を、僕は心の支えにして、生きていきたい)


38:少年Y5半/10
06/10/30 12:16:42 aIbUlGLp0
捧げ終えた満足に目を開き、テッドの双眸を真っ直ぐ見詰めると、イグレクはもう一度言った。
「テッド、あなたに………最初の………人になって欲しい。
僕の心の支えになって欲しい。
この先どんなに辛い状態が待ち受けているとしても、信頼の証が残っていれば、それを頼みに生きていける。
身体がどれだけ踏みにじられようとも、心は強くいられる。
どうか、最後の晩に………あなた自ら………全部、僕に教えて欲しい」
何度か詰まる箇所があった。
本音であり恥ずかしいと思う言葉は一つもないのに、何故か耳が赤く染まる。
視線は最後まで合わせられずに、腕を広げ待ち構える状態にも関らず、伏せてしまっていた。


39:少年Y6/10
06/10/30 12:18:12 aIbUlGLp0
返事はなかったが、イグレクの片腕はぐいと引かれ、検分室の方へと引き込まれた。
少年の背後で鉄扉が音立てて閉まった時、もう一方の腕も寄せられた。
広く厚いテッド胸の中に、イグレクの小柄な身体が収まった。
逞しい大人の腕が少年の痩せた背中に回され、強く、仕舞い込むように掻き抱いた。
うっとりと目を閉じ、上衣に頬を寄せるイグレク。
ふと気付いたように、テッドの腕が一本解かれ、少年の片頬に触れた。
温かみを帯びた指先が、戸惑いながら滑って行き、おとがいで止まった。
わずかな迷いの後、五本の指が揃って撫で、丸めた掌が優しく愛撫した。
「………あっ………」
上げた少年の声は快楽だけではなかった。溢れて湧き出る歓喜。
ずっとずっと遠い昔に感じられる、二人の出会いの日。
初の武力行使の箇所はこの顎であった。
………けれども、ここだけであった。
テッドが自発的に力と技に訴えたのは。
他は決して………彼の意思がかいま見られた事はなかった。
戸惑い、眉を顰め、救助するのが主眼のような物言いで………ずっと。
テッドは自分が傷をつけた位置を覚えていたし、今こうして謝罪するかのように抱きしめ、最初の愛撫を与えている。
イグレクは微笑んだ。嬉しさに涙までもが溢れてくる。
「まだ、痛むのか?」
手を止め尋ねるテッドに、少年は急いで首を横に振った。
「ううん………嬉しいだけ」

40:少年Y6半/10
06/10/30 12:19:12 aIbUlGLp0
そうか、と呟いたテッドは太い人差し指で、流れ落ちるイグレクの涙を拭い、足りないと分かると顔を寄せて舌を這わせた。
熱く湿った舌先が、無精髭のざらついた肌が、目元だけでなく顔表面に沿って行くのを、瞼を閉じたイグレクは背の芯の震えと共に感じ取る。
やがて首筋に降り、逞しい指がそれに加わる。
五本は舌を滑らす軌跡を予め撫で、片方の五本はゆるゆると少年のシャツのボタンを外して行く。
夜気の冷たさがイグレクに触れたのは一瞬。
長身を屈ませ顔を少年の胸部に真向けるテッド。
掌も指も、歯も舌もまるで別の生き物のようにうごめかせてイグレクの全身を愛撫する。
優しく上下の歯が少年の胸の先端を挟む。
背筋を逸らして小さな声を上げるイグレクを、慰めるようにその周りに舌が這わされる。
イグレクが身体を強張らせ目を閉じ、唇を結び、押し寄せる快楽の波に耐えているのは、それだけではない。
同時に動く厚みを持つ熱い掌。少年のゆるやかな腰のくびれをなぞり、臍の周りを突き、腿の上面を軽く撫でて行く。何度も往復する一連の動きは、少年の心も身体も熱い高みに昇らせるものであった。


41:少年Y7/10
06/10/30 12:21:19 aIbUlGLp0
「う………う、んっ」
上気し、染まる頬、零れる言葉にもやはり熱が篭っていた。
テッドの両手がやや下に、ほんの僅かな距離であるが移動した。
「あ、あ………ぁ、ふっ………」
そこは少年の最も敏感な箇所。
手練手管な愛撫に昂ぶりかけていたそこを、逞しい掌が包む。
繊細な楽器を扱い慣れぬような、無骨な手であったが、すでに気持ちが蕩ける境地にあったイグレクは、数度指が這う感覚だけで、頭の内は一色に染まった。
「………っ、あ………ぁっ」
テッドの熱い掌の中に吐き出す、己の精の白濁。
どちらも見分けがつかない程温度は高く、そして未だ優しく包まれたままだった為、イグレクの紅潮は去らない。
瞳は熱さにうるんだままだった。
弛緩しかける少年の腕を支え、テッドは検分台の表面に両手を置かせた。
胸と腹とが台と接する体勢で、イグレクは背面の全てを露わにする。
愛撫の対象は背中と、台から起こされているイグレクの首から上。
後ろから回された掌が、再び顎と首筋を中心に優しさとぬくもりを与え、やがて少年の表情は恍惚と全てを任せるものとなった。
全て心得た様子の手運びは、少年が吐き出した精を双丘のすぼまりにとうに塗りつけていた。
イグレクがそれに気付いたのは、そこに滾る昂ぶりの先端が押し付けられた時だ。
掌の温度とは比べ物にならない。
まるで別の生き物のように脈動し、炎の出ない火のように燃え盛っている。

42:少年Y7半/10
06/10/30 12:22:48 aIbUlGLp0
「力を抜くんだ」
テッドのアドバイスも耳に入らないのか、少年は台についた手を拳に握り、目も閉じ口も結び、背中を固くしていた。
仕方ないとばかりに、少し腰ごと踏み出すテッド。
「っあ………くぁ………っ」
苦しげな少年の呻きが漏れる。
白濁液にまみれているとは言え、すぼまりは未だ侵入を阻もうとする固い蕾であった。
テッドは少年の肩に手を伸ばす。
ほぐすように揉み、撫でると柔らかな息が零れ、少しだけ蕾は頑なさを解く。
何か考え込む様子で動きを止めるテッド。
少年は止めるなと、小さく首を振った。
テッドは己の昂ぶりを、わずかに挿れる。
首を伸ばし少年の耳の後ろから、熱く息を吹きかける。
耐えかねた少年は悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げ、またほぐれた後孔に一歩が踏み入った。
首筋、背中とイグレクの感じる部分を責め上げ、最後に顎を優しく一触れすると、水気の少ないくぐもった音を立て、テッドの全てが受け入れられた。


43:少年Y8/10
06/10/30 12:24:06 aIbUlGLp0
「………つ、繋がり合えたんだ、ね。僕は、テッドと………」
まだ痛みが強いのか顔を顰めて苦しそうな息で言うイグレクだが、徐々に充実感がそれを上回ったのだろう。
汗が滲む顔で、うっすらと微笑む。
「とても熱い………忘れないよ、ずっと」
黙って腰を押し進めるテッド。
少年の上げた声はもう、苦痛によるものではない。
「もし、奇跡が起こって、悪のエウロディヌス卿に神の鉄槌が下り、僕が自由の身になったら………」
どんな時でもよく回る舌だ、と思ったのか。
苦笑したテッドはふと、目の奥に光を灯らせた。
「奪われた財産を取り戻したなら………そうしたら、僕は、あなたに………」
唐突に言葉が途切れた。二人はお互いの興奮に呑まれた。
一方は包み込まれ、一方は受け入れる熱い感情を以って、高みまで昇り詰めていた。
「………そうした、ら」
野暮はやめよう。もし、の話なんて意味がない。
言葉を止めた少年の思いが、ありありと分かる。
そっとイグレクの髪を撫でるテッドの手。汗に絡まりもつれるそれを、丹念に梳いていく。
目を閉じ呟いた一言は、唱えた少年自身にしか聞こえなかっただろう。
まもなく二人の荒い呼吸に交じり、熱っぽい空気の中へ溶けた。
「………イグレク」
名を呼ばれる少年の内に熱いものが迸った。
感嘆めいた吐息と共に、イグレクは全てを受け止めた。
最初で最後である喜びも。
本当の名前を教えなかった後悔も、最初で最後。


44:少年Y9/10
06/10/30 12:24:59 aIbUlGLp0
教えた技巧の数を踏まえると、夜明けまでの時間は十分長かったと言える。
それでも少年にとっては、掌に溜めた水のように呆気なく去ってしまった。
日が昇ると、エウロディヌス卿の召使が数人、屈強な体躯の持ち主ばかりが、引き取りの為に訪れた。
手鎖からは解放されたが、その金属の枷を外された後の方が、心が重く感じられる。
気持ちを振り払うように少年は前を見た。
落ち着き払った瞳で、見据え続ける。
肩を小突かれ、外へ繋がる扉を一週間ぶりに潜る少年。
丸椅子に大股広げて座るテッドは、黙ってその後姿を眺めていた。
「さよなら、テッド」
足を止めず、振り返らず、少年は短く呟いた。
椅子に座る壮年男は、表情を変えず、身じろぎもしなかった。
「色々………ありがと」
最後に見せた少年の横顔、細めた目――最後に笑顔を見せようとしたのか、それとも涙を堪えたのか――紡ぐ言葉はそれだけで果たして満足なのか。
その答えを知る者は誰もなかった。

* * *

45:少年Y10/10
06/10/30 12:26:28 aIbUlGLp0
戸が閉まり、テッドは笑う。
額に手を当て、可笑しくて堪らないといった具合に。
背を反らせて腹を抱え、肩を上下に震わせる。
(礼など言って行きやがった。おめでたい奴だ)
(世間知らずのお坊ちゃまは、吊り橋効果も知らないか)
(揺れる橋の上で伸ばされる手は、親切で頼れそうに見えるだろう)
(ただし、橋を危険に揺さぶり、いたぶったのも俺の手だがな)
ピタと笑いが止んだ。広げる両手は口周りを覆い、歪む唇を隠す。
(苦痛、快楽、恥辱全部メニュー通り)
(鰻の稚魚、ありゃ全部雌だ………注文したままに)
(六日目の拷問と最終日の看病はセット品なもんでな)
(そして目隠しプレイの時のゲストは、俺が呼んだ)
(おめぇの、憎き仇、エウロ………何とか卿だ)
(これから間もなく、正体を思い出すだろうな。体臭か触感で)
(既に自分が卿の手付けで、心の支えがその手先だと分かった時)
(甘っちょろいお坊ちゃまは、絶望一色にまみれ………メニューは完了だ)
日焼けした厚い掌を退ける。口元にはもう笑いはなかった。
そこにあるのは、仕事を遣り終えたばかりの、百戦錬磨の男の顔だった。
最後にテッドは少年の名を思い出そうとした。
アルファベット一文字なのに、それは叶わなかった。
行為の間は必要に迫られ記憶を呼び起こしたが、今はもう、未練なく努力を放棄してしまえた。部下に呼びかける。
「新しい仔猫を連れて来い」
テッドは検分台に腰掛け、足を組んだ。


46:風と木の名無しさん
06/10/30 12:46:49 PGqAc8ry0
少年さん、乙でした
最後のテッドの腹黒さが良かったよ

47:風と木の名無しさん
06/10/30 12:58:45 jb8e42kXO
テッドすげぇ。少年は可哀想な気もするけど見事な調教っぷり(*´Д`)
乙でした

48:風と木の名無しさん
06/10/30 14:57:22 PBJoI/dQO
テッ、テッド…
鬼畜だ

49:メルヘンⅡ 1
06/10/30 19:09:26 2NqGH+oH0
むかしむかし、あるところに「たいそう具合のいい体」を持つ王子さまがいました。
十代の頃は、勇猛果敢な漢としてならしていた王子さまでしたが、
「北の魔術師」の呪(まじな)いゆえ、
成人(おとな)になった二十歳の誕生日をさかいに、
常に勃ち、常に濡れ、常に感じるご子息と、遊び女(あそびめ)のように、
ひとりでに濡れそぼる美肛を具したお人へと変わられたのでした。
金色の乱れ髪。体の火照りに潤む碧の双眸。額に浮かぶ玉の汗。
漢から麗人へ。目覚ましい変貌を遂げた王子さまに、
王子さまの乳兄弟である騎士団の長は、欲望を抑えることができずことに及びました。
(「メルヘンⅠ」:1~17参照)
乳兄弟である騎士は、何事につけ王子さまの良き競争相手となる、
王子さまにとって特別な存在でした。王子さまの父である王さまと、
その乳兄弟である侍従は、四十(しじゅう)を越えた今も尚、
新月の晩、お后さまに隠れ不義密通を重ねるほど深い仲で、幼い頃より
王さまは侍従の前では、飾ることも力むこともなくありのままの己をさらしてきました。
それに対して王子さまと騎士の仲は、同じ乳兄弟と云えども「親友」と呼ぶには堅く、
「好敵手」と称するのが相応(ふさわ)しいようでしたが、何にしろ王子さまは、
幼き頃より、騎士を深く深く意識していました。
その騎士に陵辱され、官能の情事を極めた王子さまは、騎士の「不道徳な振る舞い」を
責めるゆとりもなく、王子さまの美肛やご子息や顔を汚している白濁を、
肌触りのよい柔らかな布で、やさしく拭っている騎士の大きな手の平に深く感じ入り、
消え入りたいほどの「身を灼く羞恥」の中、こらえきれない艶やかな声をあげていました。
「北の魔術師」の呪(まじな)いゆえ、王子さまのご子息や美肛は常人より
過敏な反応を見せます。肌を撫でる布がもたらす激しい快楽に流されながら王子さまは、
わずかに残された「脳の奥の冷めた部分」で、消えたい、死にたいと強く思いました。


50:メルヘンⅡ 2
06/10/30 19:10:07 2NqGH+oH0
いついかなる時も決して負けたくないと思っていた乳兄弟に組み敷かれた悔しさ。
あさましく濡れそぼる、男にあるまじき肛の門の秘密を知られてしまった哀しさ。
男である乳兄弟に男である自分が穿たれ、一体となったとき感じた背徳感と心地よさ。
乳兄弟に身をゆだね、心地よさを貪り、乱れに乱れた己のあさましさ。
何もかもが王子さまの心を蝕み、軋ませました。
乳兄弟の器用な指。堅い陰茎。顔で受けた熱い迸り。そのいずれもが気持ちよかった事。
こうして身動きもできない体を清められながら、もっと抱いて欲しい、
まだ抱いて欲しいと叫びたくて堪らない事。それらが、強く王子さまを荒ませました。
消えたい。死にたい。激情に駆られ舌に歯を立てかけた王子さまの自虐行為を
間一髪!食い止めた騎士は、王子さまを強く強く抱き締めました。
「…体が濡れる。火照る。力が抜ける。もう、剣さえ持てそうにない。…俺はあさましい」
虚ろな目で呟き、己の全てを恥じる王子さまを抱きしめながら、騎士は愛を告げました。
「恥じるな。ひとは感じれば濡れるものだ。俺だって火照る。みな火照る。
また剣が持ちたいなら生きろ。俺が傍にいる。俺はお前の騎士だ。
お前が癒え、己の剣で身を守れるようになるまで、いや、癒えても、
この命をかけてお前は俺が守る。俺はお前の乳兄弟だ。いつも傍にいる。
俺の前では存分に乱れろ。恥じるな。俺を欲しがれ。もっと、俺を頼ってくれ。
頼む。こんな小賢しい呪いに負けるな。笑い飛ばせ。楽しもう。俺が共に乱れてやる。
恥じるな。濡れたお前は、辱めたくなるほど美しい……」
王子さまの金色の髪を幾度も撫でながら、騎士は臭い臭い甘い言葉を紡ぎました。
そうして、うやうやしく王子さまの右手の甲に接吻をしました。
かつての好敵手に慰められ、いたわられた王子さまは、その矜持ゆえ、
乳兄弟の言葉を素直に嬉しく思う己を、どうしても認めることができませんでした。
王子さまのご子息と美肛を清める騎士の「巧みな布使い」に、為す術もなく喘ぎながら、
王子さまは、わずかに残された「脳の奥の冷めた部分」で、
先ほど甲に口づけられたとき覚えた「ときめき」を打ち消しました。


51:メルヘンⅡ 3
06/10/30 19:10:39 2NqGH+oH0
南の国の大王さまの末の弟さまは、諸国行脚の旅が大好きです。
大きな黒い鍋を担ぎ、揚げ団子売りに身を窶し、あちこちまわっているこの王弟さまは、
南の国では大の男好きでも知られていました。その男遊び好きは、無遠慮な民に
「国中のめぼしい男を喰いつくしたから、他国に男あさりの旅に出たのだ」と、
噂されるほどでした。
この秋、王弟さまは「たいそう具合のいい体」を持つ王子さまの国へとやってきました。
王弟さまが売り歩いている揚げ団子は、南の国伝統の庶民的な菓子です。
小麦粉に黒砂糖とバターと卵を混ぜて拳大にまるめ、油で揚げたその菓子は、
甘いものを好まない王子さまが唯一気に入り、
幼い頃から異国より取り寄せてもらっては食していた菓子でもありました。
王弟さまの揚げ団子は、卵の黄身だけを使い、
隠し味に落花生の実をすりつぶしバター状にしたものを用いています。
揚げたてでも冷めてからでもおいしい。
王弟さまが、路上で売るそれは口こみで街中に広まり、
その評判は王子さまの耳にも届きました。
斯くして南の国の揚げ団子売りは城へ呼ばれることに相成りました。
王子さまの父である王さまは、もしや…と思っていましたが、揚げ団子売りをひとめ見て、
南の国の王弟さまだと気がつき、城の者に客人としてもてなすよう命じました。
そうして、夕餉のあと酒を酌み交わしながら、王子さまの体調が思わしくないことと、
幼い頃より王子さまが揚げ団子を好んでいたことを王弟さまに語りました。
王弟さまは、15年ほど前、父である故・大王さまに連れられこの国を訪れたとき、
いま目の前にいらっしゃる王さまによく似た、
金色の髪と碧い瞳を持つ美少年と午後のお茶をご一緒したのを思い出しました。
さぞ食べ頃に育ったに違いない。
鍵善の黒蜜のように艶やかな肌に映える、真っ白な歯をきらめかせながら、
王弟さまは、爽やかにいやらしく微笑むと、是非、病室を見舞いたいと申し出られました。

つづく


52:風と木の名無しさん
06/10/30 19:31:26 idIZJ1eH0
メルヘンIIktkr

53:風と木の名無しさん
06/10/30 19:46:47 vYZbVNTR0
その南国の揚げ菓子、自分も大好物なんだけど…そのお菓子でまさか…!?
wktk

54:風と木の名無しさん
06/10/30 20:10:38 yIGbVRSIO
自分もあの南の国の揚げ菓子、大好物だ。
自分が贔屓にしてる店も、隠し味にピーナツバター使ってるよw
黒い肌の新キャラと、騎士団長のあっま~い告白に萌えっ!


55:風と木の名無しさん
06/10/30 23:06:23 Z/bwDq+20
>鍵善の黒蜜
自分はこっちが好きだ

56:風と木の名無しさん
06/10/30 23:29:45 5rCz+nr60
メルヘンⅡ

キタY⌒Y⌒(゚∀゚)キタY⌒Y⌒(。A。)キタY⌒Y⌒(゚∀゚)━━!!!!

王子と乳兄弟ができちゃったことはまだ誰も知らないんだよね?
周囲にばれたときの羞恥プレイが楽しみだ!!

57:風と木の名無しさん
06/10/30 23:53:56 1BWd8tg6O
メル2おっつ

58:風と木の名無しさん
06/10/31 00:04:07 yIGbVRSIO
メル2たん乙!
したらば好きキャラの、
王子と黒魔術師と騎士のAAが、超カワイイw

59:花鳥風月
06/11/01 04:39:20 +tgrNmutO
政界のドンは、大御所と呼ばれる俳優を抱き寄せた。
「老いたな」
「互いにね」
二人とも、とうに70を越えている。陰の毛には白いものが混じり、
こうして二人全裸で寄り添っていても、もう、昔の様には、隆起しない。
一晩、一回。それがやっとだ。体力も落ちた。
夜な夜な、乱肛情事に耽っていた若き日を懐かしみながら、
ドンは、老いて渋みを纏った名優の美しい白髪を撫でた。
それから、柔らかな陰茎に手をのばす。
俳優は、ドンの皺深い手に老いた陰茎を包まれながら、
自分もドンの力のないそこに指を絡めた。
これから二人、時をかけ高めあっていく。
歳を重ねるにつれ、前戯の時間が長くなった。だが、それがいい。
二人はゆるゆると互いの老茎を扱き合う。
しめやかな空気の中、ドンと俳優はしっぽりと濡れていった。
50年前は、こんな穏やかな時間が訪れるなど思ってもみなかった……。
あの頃、若い二人は、互いを傷つけ合ってばかりいた。
続く

60:風と木の名無しさん
06/11/01 11:22:07 /QOyp0FE0
だが、それがいい。
すごくいいけど、こんな触りだけだなんて…!
続きを、続きを早く…ッ。
できたらもう少し量をまとめて…。

61:風と木の名無しさん
06/11/01 19:22:46 wPk47bCS0
花鳥風月タン乙!続き期待してるよ


しかし
>だが、それがいい。
で不覚にも某AAを思い出して吹いてしまったw

62:メルヘン・花鳥風月
06/11/01 21:48:06 +tgrNmutO
携帯からすみません。
PC壊れました。投下打ち切ります。
読んで下さった方、レス下さった方、多謝です!
最後に、揚げ団子を使ったプレイの場面だけ投下させて下さい。
花鳥風月は誤爆です。酔ってました……orz
スレ汚しごめんなさい。

63:メルヘン 場面のみ1
06/11/01 21:50:07 +tgrNmutO
王弟さまは、王子さまのそそり勃ったご子息を串に見立て、
拳大の揚げ団子を三つ通しました。○○○。
ひとつは、もそもそとした生地でご子息の包皮を擦りおろしながら、
金色の陰の毛の上に降り、もうひとつは、先に通された団子の上に乗るように
ご子息の中腹でとどまり、その上に最後の一個が重ねられました。
王子さまは巨根ではなかったので、
亀頭は最後の一個から顔を覗かせられず、揚げ団子に包まれています。
呪(まじな)いゆえ、王子さまが常日頃から漏らされている先走りめいたものを吸い、
先頭の揚げ団子の内側は、牛の乳を含んだシリアルのように、
やわやわとふやけはじめました。

64:メルヘン 場面のみ2
06/11/01 21:51:39 +tgrNmutO
王子さまは揚げ団子を纏ったご子息のあさましさに、耐えられませんでした。
羞恥と屈辱と自己嫌悪から舌を噛み切ろうとした刹那、
「負けるな」
はじめて体を繋げた日、乳兄弟に囁かれた言葉が胸によみがえり、
王子さまは碧い目を潤ませながらも、王弟さまを睨み据えました。
王弟さまは、王子さまの股間に出現した揚げ団子の三重の塔を、
矯めつ眇つし、白い歯をきらめかせながらほほ笑みました。
次いで、暴れる王子さまの両脚を、やすやすと抱えあげると瑞々しい美肛に、
黒檀のように堅く黒い陰茎を突き挿しました。
「アッーーー!!!」
掘り起こされ、掘り返され、掘り尽くされ、
呪(まじな)いゆえ過敏な王子さまはよがり狂いました。前も後ろもぬるぬるです。
あぁ、太いッ。熱い、溶かされるッ。あいつより……気持ちいいっっ。
摂護の腺を堅くしこった亀頭でごりごりと刺戟され、
王子さまはお尻を濡らしながら卑語を叫びました。
「ああっ、ん、っ、はぁ、華やぐ、華やぐッー!!!」
宮廷ことばでイク、クル、デル等を意味するそれに、
王弟さまは、爽やかにいやらしく笑いました。


65:メルヘン 場面のみ3
06/11/01 21:53:13 +tgrNmutO
王子さまは、いつだったか黒魔術師に
術をかけられたときのように、勢いよく達しました。
その噴き上げの激しさのあまり、先頭の揚げ団子がほとばしりの高波にさらわれ、
放物線を描いて宙を飛び、床に着地したあと二度跳ね、転がりました。
王弟さまは抱腹絶倒し、恥辱に震える王子さまの中から陰茎を引き抜くと、
吹き飛んだ揚げ団子の代わりに、その下の団子を亀頭まで引き上げました。
揚げ団子の生地に過敏な包皮を擦り上げられ、
感じやすい王子さまは、とめどなく美肛を濡らし、荒い息をせわしなく吐きながら、
かすれた声で喘ぎました。王弟さまは、再び、黒檀のような陰茎で
王子さまの中を満たし、ちんぐり返しで王子さまを苛めます。
そうして、白い歯が光る満面の笑顔で、
ご子息の先の揚げ団子を食べるよう王子さまの唇に押しつけました。
「お好きなのでしょう?さあ、どうぞ。召し上がれ」
以上です。



66:風と木の名無しさん
06/11/01 22:32:26 yBj18nQK0
メルヘンタソ乙。
PC壊れたのか…。読者としては。・゚・(ノД`)・゚・。だ。
自分が魔術師なら直る魔法をかけてやるんだがな…
直ったらまた来てね~!

67:風と木の名無しさん
06/11/01 22:34:56 9nDs/rTM0
えええ~~~っ!!!
PC直ったら続き投下してもらうわけには…?
うわーん、このままじゃ読み手に鬼畜プレイだよ~。
とにかく、乙でした。本当にGJでした。
最後の揚げ団子プレイ、激烈にエロくてまさに恥辱!で良かったです。

ところで、花鳥風月の本来の投下先、知りてぇ…。
どっかの投稿サイト? 差し支えなかったらしたらばにでもヒントを…!
晒しになったらまずいし、無理にとは言いませんから。

68:風と木の名無しさん
06/11/02 00:19:42 L9u7ehT/0
団子───(゚∀゚)───!!!
PCすら逝かせるこのエロ…恐るべし。

69:風と木の名無しさん
06/11/02 00:23:24 j2HQNI3d0
とりあえず…前スレを消費することが先決だと思うのだが。

70:風と木の名無しさん
06/11/02 00:32:52 flVj7QXRO
もう随分前から容量オーバーでしてよ

71:風と木の名無しさん
06/11/02 02:04:51 su9GLRhgO
なぁところで『先走りめいたもの』って何。
『めいた』ってことは先走りとは別なんだよな…?
あまりに連呼されるからちょっと気になった

72:風と木の名無しさん
06/11/02 02:37:04 CGAy9L/40
それはほれ、「呪(まじな)いゆえ、王子さまが常日頃から漏らされている」
わけだから、24時間態勢でダラダラ出し続けてるってことで
もう「先」走りじゃなくなってるんだと思うぞ。
801穴を濡れ濡れにしてるものと同様に、
もう常人には分泌できない801汁が出てるんだ。

73:風と木の名無しさん
06/11/02 05:59:21 Uk7jR9jXO


74:風と木の名無しさん
06/11/02 06:10:23 Uk7jR9jXO
花鳥風月が激しく気になる。メルヘンと同一人物が書いてるとは思えんww
SSの世界観で文体セレクトしてるんだろうなぁ。
花鳥風月にしろ、う~さぎうさぎにしろ1レスで雰囲気出せるのがすげぇ。
メルヘンもドドみたく三部完結だったのかな?
ラストまで読みたかった……。

75:風と木の名無しさん
06/11/02 08:33:33 RbEqHrP/0
団子3兄弟プレイに朝からコーヒー吹いたw

メルヘンタン、おおおおつ!そしてPC直ったら、また戻ってきてくれると嬉しい。

76:風と木の名無しさん
06/11/03 08:08:36 DqGegMOYO
メルヘンタンがPC直っても、続き書く予定がないなら、
誰かリレーしてくれないかな……。
メルヘンタンのOKが出たら、続き買いて下さる神はおられないだろか。

77:風と木の名無しさん
06/11/03 12:11:35 LUhYeW8f0
もう少しお待ちなさいよ

78:風と木の名無しさん
06/11/03 14:17:43 zHBvYRjh0
PC壊れたってだけだから、話は出来上がってるかも試練。
プロットだけでももう完成してるとかもあり得る。
だったら、リレーに走るのは早計と言うもの。
てか、リレー前提で職人さんたちが何か書いてくれないかな
と言ってみるテスト。

79:風と木の名無しさん
06/11/03 18:49:24 vmRTyadbO
代理とメルヘンまだいたのか…いつまで続くんだろうなぁ。新規さんカモン!

80:風と木の名無しさん
06/11/03 19:18:48 DqGegMOYO
メルヘンたんは、前回が最後の投下。
ご本人が、「投下打ち切ります」って言ってるよ?

81:風と木の名無しさん
06/11/03 19:27:37 tN2eTLzU0
確かに「一旦打ち切ります」ではないから終了かなと思うけど、
「これで終了にします」とも明記されていないし、
あれだけでは判断しかねるな。
理由がPCの故障ってとこが、また、判断に困るところだ。
メルヘンタンが携帯からでもここを見ていたら、一言
言ってあげてくれると皆が落ち着くと思うよ。
偉そうでゴメンね。

82:メルヘン
06/11/03 22:23:42 Kjm5AfiH0
PCアボーンを機に投下を終了します。以下、話のオチだけ。
Ⅰ…ドラゴン退治等の武勇伝を持つ王子が、呪(まじな)いゆえ、
漢から麗人へ変貌を遂げる。乳兄弟である騎士、王子に萌える。

Ⅱ…南の国の王弟に屈辱まみれの揚げ団子ープレイをされる。
乳兄弟である騎士に慰められる。王子と騎士、半公認の恋人同士になる。
王弟、何者かに殺される。

Ⅲ…長旅に出ていた炎の竜が、最愛の恋人・風の竜が待つ谷に帰還する。
炎の竜は谷底に横たわる、首の無い風の竜を見つける。
その風の竜は、2年ほど前王子が殺めた竜だった。炎の竜の復讐開始。
南の国の王弟は、炎の竜に王子の恋人だと思われ、殺害される。

Ⅳ…騎士を殺すことで最愛の者を奪われる痛みを王子に知らしめる炎の竜。
炎の竜にズタズタに犯される王子。
北の魔術師、黒魔術師の体を借り(北の魔術師に惚れた黒魔術師が体を献上)、
冥界から復活。愛した男(陛下)のガキ(王子)を救うべく濡れ場に吶喊。
バ/ス/タ/ー/ド/風の魔法バトル。

Ⅴ…北の魔術師(黒魔術師)、炎の竜と相打ちに。
実は北の魔術師が本命だった陛下、北の魔術師(黒魔術師)の亡骸を抱き締める。
陛下の背中を撫でる侍従。回想シーン…3人が20代の頃の話。
身も心もぼろぼろながら、生き延びた王子、二匹のドラゴンを祀る。
自分の体に折り合いを付けながら、罪を背負って生きていく。

おしまい



83:風と木の名無しさん
06/11/03 22:38:06 LUhYeW8f0
残念だけど設定萌え
メルヘンタソどうもマリマ㌧
また帰って来てください

84:風と木の名無しさん
06/11/03 22:44:27 DqGegMOYO
ラストまで読みたかったなぁ~。
上のレスもPCから投下してるみたいだし、もう一台使えるPCあるなら、
そっちから投下続けてくれないかな?

85:風と木の名無しさん
06/11/03 23:03:02 r71OKjuJ0
メルヘンタン ((((((;゚Д゚)))))) ヒイイィィィーーー
コメディタッチなのに、壮絶なお話だったのね。
このあら筋を知って更にすげー読みたいと思ったけど、
投下分だけでも充分に楽しんだよ。

>>84
ネットカフェとかかも知れないではないか。
自宅でないとしたら書き続けるのは難しいよ。
でも最後一行、心の底から同意だ…。
いつか、いつか…。
なんなら新しいお話でも結構です。

86:風と木の名無しさん
06/11/03 23:04:50 OVCyclJu0
わがままいうなよ。
本人が終わりっつうてんだからさ。

…メルタン。誘いうけじゃないよな?

87:風と木の名無しさん
06/11/03 23:10:52 Y2K3yJ+r0
誘い受けなら、最期のオチまでばらすような粗筋を
披露したりはせんだろうよ。
とにかく、メルヘンタン、お疲れ様でした。

88:風と木の名無しさん
06/11/03 23:18:09 BsQHTrvV0
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
普通は打ち切りでもオチだけ聞けば何となくスッキリして気が済むものだが
こればかりは聞きたくなかったな
何この壮大な設定

ちくしょう…ちくしょおおおお AA(ry

89:風と木の名無しさん
06/11/03 23:21:27 vmRTyadbO
終わったか…やっと

90:風と木の名無しさん
06/11/03 23:42:59 F9ILMnet0
>>88
うんうん ・゚・(ノД`)・゚・
読むのはwktkの極致だったろうが、幾度も泣く羽目になったと思う。
まさか悲劇だったなんて…。
でも設定だけでも萌え萌えだ。
後は脳内補完して笑ったり泣いたりすることにするよ。
メルヘンタン、GJでした。
(それにしても花鳥風月は生殺しですことよ…)

91:風と木の名無しさん
06/11/03 23:58:53 UJF57da3O
リップサービスだと思われ
小粋な黒魔術師に乾杯

92:風と木の名無しさん
06/11/04 00:09:10 D7wyIC9TO
81さんに感謝するべきか、81さんを恨むべきかw
知りたくなかった。読みたかった。
荒らしじゃなくて、メルタン=ドドタン派だった自分は、
ドドタンのⅢを読んだとき波にさらわれたみたいに、
メルタンがコメディから悲劇に切り替わった瞬間、心をもみくちゃにされたかった。

93:風と木の名無しさん
06/11/04 00:37:27 r8H/o0cd0
「アッー」に爆笑した
意外とメジャーなのだろうか

94:風と木の名無しさん
06/11/04 00:53:01 D7wyIC9TO
「華やぐッー!」に爆笑した。
松本かっ!?www
「アッー!」「ウッー!」を最近よく見るなぁww
実際問題、発音するのって難しくない??
撥音のあと伸ばすの苦しい。「アッ、ハァー」みたいな音しかでない。
最後の「ー」は、どうすれば??

95:風と木の名無しさん
06/11/04 01:18:16 qenszNfw0
今更な発言に93-94が板ヒッキーなのか単に初心者なのか悩むところだ

96:風と木の名無しさん
06/11/04 01:29:54 D7wyIC9TO
ごめん、言葉足らずだった。
801系だと、「アッー」より、かわいく「あ…ッ」とかのが、
多かった気がするんだけど、最近、ネタも含めて
オン、オフ問わず「アッー」って叫ぶ受けをよく見るの意です。

97:風と木の名無しさん
06/11/04 01:32:49 +gvC6V7QO
君のレスの方が若葉っぽいよw

98:八百壱陰陽師・攻の巻1/1
06/11/04 01:37:18 ftgx8QmL0
『!!!!!』
なんとも形容しがたい悲鳴をあげ、鬼はどうと倒れた。
そのまま消滅するでもなく、かといって逃げることも出来ず暫く足掻いてはいたが、
やがてその姿は霞が散るようにぼやけ、一枚の札を残して跡形も無く消える。
「やれやれ……」
その札を、面倒な目にあったとばかりにため息をつきながら一人の男が拾った。
やや冷めたような印象を残す、齢二十四・五ほどの端正な顔立ちの彼は、
大きく裂け目の入ったその札を摘み、何事か口早に唱えた。そしてするりと撫でる。

瞬間、仄かな蛍光が指先を染め、札はぴたりと傷を塞いだ。
同時に、その札に刻まれた主のものと思しき名がその男のものに変わる。
つまり男は一瞬の内に他人の式神を修復した上に奪ったわけだが、
それだけ高高度の術をつかったのにも拘らず得意に振舞うこともしない。
むしろ呆れたように頬を掻きながら、その札を懐の深くに仕舞う。

その背に、おずおずと声を掛けた者がいる。
貴族の格好をしており恰幅も良いが、その態度は何処と無くおどおどとした小鹿を思い起こさせる。
その周囲にはやはり同じように、中の上程度の身なりの家人達が遠巻きに男を見詰めていた。
「……あの、陰陽師さま。鬼は全く消えたので?」
「御安心召されよ。
 私が鬼を陣に掛け、力を削ぎ、主の名を書き換え申しました。もう暴れることは出来ますまい」
ほう、と大きな安堵のため息と歓声があふれた。よほど鬼に脅かされていたらしい。
かたじけない、本当に貴方は優れている、ありがとうと頭を下げるその貴族には微笑を浮かべて応えつつ。
―陰陽師は今日の収穫の後始末を面倒くさげに考えていた。

99:風と木の名無しさん
06/11/04 10:48:37 5sqfDKAm0
おおっ、帰ってきた陰陽師!
今度は攻ですか。前回も性格的にはS属性ってかんじがしましたもんね。
いよいよ本領発揮ってことで期待してます

100:風と木の名無しさん
06/11/04 15:42:55 P1AuHPFu0
ちょっと遅くなりましたが、少年さん最高でした~!!
テッド、良いキャラですね。こういう男、好きです。

101:風と木の名無しさん
06/11/04 23:12:30 e8ZVZOom0
八百壱陰陽師タン乙!
怜悧な美青年攻め萌え。

102:支配者たちの部屋 1/6
06/11/04 23:46:49 4fkyZLDG0
>>したらば雑談スレ126
 こうですか?分かりません!

※注意※
 女王様(男)、軽い暴力、フィストファックあり。

左手首と右足を鎖でベッドに繋がれ、まともに身動きできない俺の腹に少年が跨り、
派手な嬌声を上げながら腰をくねらせている。
男のケツの穴に突っ込むなんて冗談じゃないと思っていたのに、
いや、今だって確かにそう思っている筈なのに、少年の巧みな腰使いとキツい締め付けに
俺は思わず自らも腰を動かしていた。俺の動きに少年の嬌声は高まる。
「あはっ。君も結構楽しんでるみたいじゃない。
 さっきまで、あーんなに嫌がってたって言うのにね」
そんな俺の様子を、ベッドの脇の黒い革張りのソファの上から黒髪の少年が嘲笑った。
そしてショウと名乗ったその少年の足元では、子供の腕ほどもある、どぎつい紫色の張型を
尻に銜え込んだ少年が這い蹲り、鼻を鳴らしながらショウの足の指を一本ずつ丹念に
舐めしゃぶっている。その少年はカイ、そして俺の上で腰を振る少年はミズキと呼ばれていた。
「どうさ、ミズキの具合は。
 イイでしょ。そこまで仕込むの結構時間掛かったんだよねぇ」
ショウは楽しげに笑って、カイの頭をなでている。
俺の上ではミズキの動きがますます激しくなってきていた。
限界が近いのだろう。
ひときわ高まる甘ったるい鳴き声が、そう広くない部屋の中で反響して五月蝿い。
結合部は少年と俺の先走りや汗でぬるぬるして気持ち悪かった。
俺もそろそろ限界が近づいていて、ぎりと奥歯を強く噛み締めた。
自分が男の尻の中で達してしまいそうなのだと思うと情けなくて惨めで嫌だった。
せめて目を閉じて、女とヤッている想像でもして現実逃避したかったが、
俺は少年の媚態から目を逸らすことを許されていなかった。

103:支配者たちの部屋 2/6
06/11/04 23:47:52 4fkyZLDG0
「……う、くっ!」
「はっ……あぁ……出てる、中で出てるよぉ……」
激しい衝動に耐えかねて、俺は少年の体内で達した。それを感じたのか、
少年もまた俺の上で身を震わせる。少年の吐き出した精液が俺の腹から胸に掛けてを汚した。
「ミズキィ。駄目でしょ、人様の上で粗相しちゃ。ちゃんと綺麗にしてあげなさいね」
「はぁ……い。んんっ……」
ソファからショウがさも愉快そうに笑いながら指示を出し、ミズキは素直に、
いや、寧ろ嬉々としてそれに従った。俺のものを銜え込んだまま屈み込み、
舌を伸ばして自分の吐き出したものを丁寧に舐め取っていく。
少年の中は絶頂の余韻からか時折ひくつき、
搾り取るようなその動きに俺のものは再び力を取り戻しつつあった。
「うふ……、また硬くなってきた……」
胸元をしつこく舐りながら、うっとりと囁かれ、俺は惨めでたまらない。
ミズキは俺の胸に顔を埋めたまま、再び腰を揺すり出した。
「あーぁあ、すっかり仲良しさんになっちゃって。妬けちゃうなぁ。ねぇ?カイ?」
ショウがそう言いながらカイに行為を中断させ、顔を上げさせる。
するとカイは俺たちの行為に当てられたのか、
巨大な張型を銜え込んだ尻をもじもじさせながらショウに縋り付いた。
「あ……ショウ、俺、も……だめ……。頼むよ、ショウ……」
憐れな様子で、ショウの陰茎に舌を伸ばそうとする少年の横っ面を、
ショウは容赦なく蹴り飛ばした。
カイは小さく悲鳴を上げて床に転がり、鼻血がぽたりと垂れて床を汚した。
「カーイ?誰が勝手に触って良いって言った?」
ショウは笑顔のまま、仰向けに転がされた少年の腹に更に二度、三度と蹴りを入れ、
そしてその陰茎を踏み躙った。憐れな少年は泣き喚きながら繰り返し許しを請うている。
けれど、その悲鳴にどこか甘さが混じっていることに俺は気づいた。
実際、踏み躙られながらもカイの陰茎は硬く勃起したままで、
許しを請うその表情はどこか陶然としていた。
「こんなにされてるってのにおっ勃てちゃって。
 ……お仕置きが必要みたいだね?カイ」
ショウはにやにやと笑みながら思案するように首を傾げた。
お仕置きに何をしてやるか考えているのだろう。

104:支配者たちの部屋 3/6
06/11/04 23:48:30 4fkyZLDG0
「くっ……!」
そんな二人のやり取りに興奮したらしいミズキの腰の動きが、それまでのゆっくりとしたものから
激しいものへと変わり、俺は思わず小さく呻き声を漏らした。
その声にショウがこちらに視線を向け、そして、ぽんと手を打った。
「ふふ、良い事思いついた。
せっかくだからカイのお仕置き、君にも手伝って貰っちゃおうかなぁ」
心底楽しそうなショウの表情に俺は鳥肌が立った。
こちらは鎖で戒められて身動きもままならないと言うのに一体何をさせる気なのか。
「ほら、カイ。お仕置きしてあげるから、棚からゴム手袋とローション取っておいで」
ショウが促すと、カイはそれだけで自分が何をされるのか悟ったらしく、
怯えと期待の入り混ざった表情で「ハイ」と頷き立ち上がった。
ローションは、分かる。けれどゴム手袋など何に使うというのか。とてつもなく嫌な予感がした。
「そんなに怯えなくても大丈夫だよ。お仕置きされるのはカイなんだから」
思わず眉を寄せる俺にショウが、優しくそう言ったが、安心できる筈も無い。
ミズキには今後の展開が予想できたらしく、くすくすと笑っていた。
戻ってきたカイからゴム手袋を受け取ると、ショウはそれを空いていた俺の右手に、
そっと嵌めていく。それは、ゴム手袋、と聞いて俺が想像したものとは違い、
薄手の白いぴったりと肌に張り付くタイプの手袋だった。
「ふふふ、大きな手。僕の手は前にしたけど、こんな大きな手は初めてだね、カイ。
 楽しみでしょ」
言いながらショウは手袋のはまった俺の右手を撫で、
そして、そこにたっぷりとローションを垂らした。
そこに至って、ようやく俺にも彼が何をしようとしているのか見当が付いた。
─まさか……。

105:支配者たちの部屋 4/6
06/11/04 23:49:26 4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------

「さあ、カイ。ベッドに上がって、こっちにお尻向けなさい」
ショウがベッドの、俺の肩の横辺りに腰掛けてカイを呼んだ。
カイは従順にそれに従いベッドに上がると俺とショウに向かって尻を差し出した。
ショウがそこに突き刺さっていた極太の張型を抜き去ると少年は小さく呻いた。
長時間張型を銜え込んでいたそこは、すっかり開き切ってしまっており、
ぽっかりと口を開けて時折ひくひくと震えていた。その様子はどこかグロテスクで気持ち悪かった。
「あ、君は指をくっ付けて、そう、嘴みたいにしてね。その方が挿れ易いから」
ショウがカイの尻にもたっぷりとローションを垂らしながら俺に言い、
俺は自分の予想が正しかったと知って逃げ出したくなった。

ショウが俺の右腕を掴み、カイの尻に押し付けた。指先が柔らかく暖かい感触に包まれ、
ぞっとした。少年の開ききった穴は驚くほど柔軟に俺の指を飲み込んでいく。
初めは順調だったが、拳の一番太い箇所が入り口を通過しようとした辺りで
抵抗がきつくなり、カイも苦痛の声を上げた。
─無理だ……こんなもの、入る訳が無い。
思わず、俺は手を引きかけたが、ショウがそれを許さなかった。
「だーいじょうぶ。
 ちゃーんと慣らしてあげさえすれば意外と入っちゃうもんなんだから」
ショウが、掴んだ俺の右腕をぐいと引き、ずぶりと、俺の掌全てが、入った。
あまりの衝撃にカイが金切り声を上げた。
─……入った。入ってしまった。まさか、こんなことが……。
まさか。あり得ない。その二つの単語が俺の頭の中を埋め尽くしていく。
半ば呆然として、俺はショウに指示されるがままに腕を動かした。指を開いたり閉じたり、
中を殴りつけるように腕を前後させたり、俺が腕を少し動かすたび、
カイはとても嬌声とは言えない、断末魔の悲鳴のような声を上げ続けた。
すぐ目の前で行われる行為に、ミズキは明らかに興奮した様子で腰を蠢かす。
右腕を少年の尻に飲み込まれて、腹の上ではまた別の少年が跨り踊っている。
あまりの異常事態に俺はおかしくなりそうだった。

106:支配者たちの部屋 5/6
06/11/04 23:50:22 4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------


けれど、次の瞬間、ショウの言葉に俺は我に返った。
「ふふふ。やっぱり良い身体してる。ね、”お兄さん”?
実の所、君の事は結構前から狙ってたんだ。君の弟には感謝しなくちゃ」
─弟。そうだ、弟。あいつの為に、俺は……。
「それにしても本当良いお兄さんだよねぇ。
馬鹿な弟の仕出かした不始末の肩代わりを自分から進んで引き受けるなーんてさ」
「弟はっ……!裕樹はっ、本当に無事なんだろうな?!」
不意に出された弟の名前に俺は思わず食いつき、ショウを睨み付けながら叫んだ。
するとショウがベッドの上で立ち上がり、優し気な笑顔のまま俺の顔を覗き込んだ。
「おやおやぁ?言葉遣いがなってないんじゃないのー?」
ショウはそこで一旦言葉を切り、表情を変えた。僅かに怒気を孕んだ、
その顔つきに俺の背筋を恐怖が走る。
「この!クソ犬がッ!」
「うぐっ!!」
ショウが俺の腹を容赦なく踏み付けた。
そして先程のカイと同じように繰り返し蹴りつけられる。
俺の身体が激しく動き、その俺の腕を飲み込んでいたカイが悲鳴を上げた。
俺の上では、苦痛のあまり思わず萎えてしまったものに、ミズキが不満の声を上げている。
吐き出した胃液と唾液で顔を汚し、悶えている俺に満足したのか、ショウは再び笑顔に戻った。
「心配しなくても弟くんは元気にしてるよ。……今の所は、ね」
「おねが……します。
裕、樹は……助けてやって下さい……。俺なら、なんでもしますから……」
途切れ途切れに俺が訴えると、ショウはにやにや笑って頷いた。
「もちろん。……君がちゃんと僕たちを満足させてくれたらね」

107:支配者たちの部屋 6/6
06/11/04 23:51:18 4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------


ショウはそれからしばらく楽し気に俺の腹を撫で回していたが、俺の苦痛が引き、
ミズキの中で再び勃ち上がり始めたのを見てとると、ミズキに背を向ける方向で、
俺の顔を跨いでしゃがみ込んだ。
ちょうど口の真上にショウの尻の穴が来て、鼻の上に柔らかい二つの袋が当たった。
「舐めて」
言いながら生暖かい肉を押し付けられ、鼻先でむわりと広がる独特の臭気に俺は吐き気がした。
けれど弟のことを思い出し、必死で舌を差し出した。
嫌悪感に耐えながら、少年の排泄口を舐めていると、そこがひくりと震えた。
続いて「入れて」と指示を出され、恐る恐る舌を差し入れると、
少年が鼻を鳴らして小さく身悶えした。
「あははっ。イイよ、その顔。
 んっ……、君みたいな人が、そうやって屈辱に耐えてる、のって、ぁ、そそる……っ」
ショウが俺の顔に尻を何度も擦り付け、俺は言われるがままに舌でそこを突き上げ、掻き回した。腰の上ではミズキが再び絶頂を迎えようとして、懸命に腰を振っている。
そして俺の拳をぶち込まれ苦しんでいた筈の少年は、いつの間にか自分から腰を動かし始めていた。
─狂っている。こいつらみんな。狂ってやがる。
気持ち悪い。吐き気がする。逃げてしまいたい。
けれど俺は弟の為にここにいるのだ。逆らうことなど出来はしない。
─ああ、俺もいっそ狂ってしまえれば良いのに。
なんて考えが頭をよぎるが、そう簡単に正気を手放してしまえる筈も無い。
彼らが満足するまでの我慢だ。それまで耐えさえすれば良いのだと、
自分に言い聞かせるが、明確な期限など無い。それがいつになるのか見当も付かない。
「ちゃんと躾けてあげなきゃならないけど……まずは、たーっぷり搾り取ってあげようね」
少年たちの喘ぎ声が、笑い声が部屋の中に響く。
宴は、まだ始まったばかりなのだ。

108:風と木の名無しさん
06/11/05 00:59:23 qR9R5VV5O
ウヒョー(゜∀゜)キテター!

イイよ!アリだよ!
こんなの待ってたよー!!
超GJ!

109:風と木の名無しさん
06/11/05 01:07:51 T0YUguDp0
支配者タン、おっつぅぅぅ!
悪魔チャンたちの餌食になるお兄タン、ご愁傷様…
攻めてれば気持ちイイわけではないとよくわかりますた。

110:柵外の祈り1
06/11/05 01:38:35 LHTlgSTQO
携帯から失礼します
改行は気をつけたつもりですが、もし見ずらい点がありましたら指摘してください。



 目を覚ますと青黒いベールが辺りを覆い尽くしていた。日の出前の薄暗さが狂宴の終了を告げている。
洞窟内のろうそくが、入り口から入り込む風によってかすかに揺れていた。
アガタはうつ伏せの姿勢で、ただ黙って風の意志に従う炎を見つめていた。涙が頬を伝う。




111:風と木の名無しさん
06/11/05 01:51:33 LHTlgSTQO
すみません、やっぱり上手く送信でくないので、
朝になったらパソコンからもう一度やりなおします。
スレ汚しですみませんでした。

112:風と木の名無しさん
06/11/05 01:53:09 4Vv83zGE0
こ、こんなお預けって

113:柵外の祈り1
06/11/05 03:42:04 8t7booRM0
すみません。もう一度……です。


  目を覚ますと青黒いベールが辺りを覆い尽くしていた。日の出前の薄暗さが狂宴の終了を告げている。
洞窟内のろうそくが、入り口から入り込む風によってかすかに揺れていた。
アガタはうつ伏せの姿勢で、ただ黙って風の意志に従う炎を見つめていた。涙が頬を伝う。
冷たい土の上に放り出された裸体は冷気を吸収し、歯を鳴らす。後ろ手に縛られた手は痺れていて感覚がない。無理な姿勢のせいで、手首どころか二の腕まで痛んだ。
下半身には異物感が残り、肛は開いたままのようだった。ぬめぬめした液体が自分の意志とは関係なく排出するのを感じ、思わず嘔吐した。
 一番醜い場所をなぶる人種に出会うとは思わなかった。アガタは嘔吐が落ち着くと、激しく嗚咽した。男が、男を抱くなどとは故郷では死罪にあたる行為だ。
「女みてえに泣いてんじゃねえ」


114:柵外の祈り2
06/11/05 04:08:35 LHTlgSTQO
続きを投下しようとしたら、息子が夜泣きで、しばらく中断します。
すみません、てか、なんで今日に限って夜泣きなんだよー

本当にすみません。

115:風と木の名無しさん
06/11/05 04:09:49 WQdxZR3k0
柵外タンGJ!
寝る前にチェックして良かった
明日(今日だけど)起きるのが楽しみだよ

116:風と木の名無しさん
06/11/05 05:04:47 kG1ZO/U2O
支配者たんパクり乙です!
オリジナル(したらば雑談126)の方が萌えww
受け達が少年だったり、キャラの名前が萎えだったり、
女王が三人じゃなくて、女王一人に、しもべ二人な所や、
弟のために自己犠牲って設定と設定を生かしキレてないのが敗因かと……。
プレイ内容は126パクってるだけだしね~。
どうせパクるなら126の、拳を飲み込んでアナルで攻めの手首を
締め付ける所とかさりげなく、ぐっとくる所まで隈無くパクればよかったのに。
センスないね。126と支配者たんには、埋まらない差があるかも。
近々、自分が、126ベースのもっと萌える話を投下してあげるから、
参考にするといいよ!

117:風と木の名無しさん
06/11/05 06:09:00 NQ7hrQCWO
>近々、自分が、126ベースのもっと萌える話を投下してあげるから、
>参考にするといいよ!
宣伝乙
投下時にちゃんと申告しなさいよ

>生かしキレてない
萎えた

118:風と木の名無しさん
06/11/05 06:23:36 3EJ4A5UpO
支配者タン乙!
女王様可愛いよ女王様。こういうタイプこそ泣かせてみたくなるwww

119:柵外の祈り2
06/11/05 06:36:28 LHTlgSTQO
なぜかパソコンから書き込みができないので
少しずつ投下です。
すみません。



「女みてえに泣いてんじゃねえ」
洞窟の入り口から怒号がとんだ。たいまつを持った髭面の男が、アガタに近寄り膝をおろす。
大きな平たい手で、アガタの前髪を乱暴に引っ張り上げた。
男は「おー、おー、ずいぶんと美しく化粧していただいて」と低く笑った。
まだ新しい、生臭い液体が額の上をわずかに移動した。
 アガタは男の嘲りを目に捕らえ、力を振り絞り睨みつけた。
震えの止まらぬ口をかすかに開けたが言葉は出ず、荒い息だけが漏れる。



120:風と木の名無しさん
06/11/05 07:30:21 LHTlgSTQO
ちょっ、また息子が(泣)
みなさんをイライラさせるだけなので、しばらく引きます。


本当にすみません。

121:柵外の祈り3
06/11/05 08:03:41 LHTlgSTQO
「運が悪かったとあきらめるんだ。
人買いが目をつけた人間は逃げられねぇ」
「……腕のいい薬師とは、盗賊の連中……」
「腕は確かだ。
陵辱が原因で炎症を起こしても、熱で倒れても、気が狂っても、ちゃんと薬を配合することができる連中だ。
堕胎手術だってする。
弟子にしてもらうにはいい師匠だぞ。
今日から優秀な師匠に弟子入りだ」
「い……いつか……ら、俺に目をつけてい…た」
「私の薬を見に来た瞬間だ。依頼人にぴったりの容姿と、」
「家族のいない……環境……」
「娼年にもってこいの人材よ」
「娼……年……。男娼のことか」男は物わかりがいい、と言わんばかりに空いた手で頭を撫でた。
アガタは込み上げる後悔の念を涙に変え、地に落とした。


122:柵外の祈り4
06/11/05 08:11:12 LHTlgSTQO
この地域の盗賊団が娼婦や娼年を抱え込み山を移動すると、
聞いたことがある。
故郷の族長が、西の山脈に住む盗賊はまとめて村を何カ所か襲うと話していた
 何日も略奪し、前進しつづける。
しかも前進しつづけるうちどんどん強くなっていく。
略奪と、強姦を繰り返していくからだ、と長は言っていた。
 征服するものは自己も征服する。
 男たちの肥大した自己が暗示をかけ、埋もれていた力が目覚める。
―恐ろしいものよ、人間は。長のしわがれた声が懐かしい。
「ここの地域の盗賊たちが、娼婦や娼年を抱えて移動するという噂は本当か」
アガタはかすれた声で男に尋ねた。
「南海の島まで噂は広まっていたのか……。世間は狭いな」
「なぜ、……村人を傷つけた上に女や……男を囲う」
「カンのいい村人が、襲来される前に村ごと焼き払うんだ。
そうすると、盗賊たちは奪うモノを失い戦意を喪失してしまう。
弱体化した頃を見計らい、村人が逆襲する。
団は壊滅。それじゃあ困るだろう」
「俺は……餌か……」
「違う。盗賊たちが生き生きとする為の薬だ」
男の声が急に低くなり、目つきが鋭くなった。唇をかみしめたアガタにきがついたようで、鼻をつまんできた。
 

123:風と木の名無しさん
06/11/05 08:13:16 LHTlgSTQO
今日はここまでです。
慣れないために迷惑をかけました

124:風と木の名無しさん
06/11/05 08:56:33 kG1ZO/U2O
息子さんの為にも、あんたはもう、
こんなネットの場末に来るのはやめなよ。
メルヘン見習って、投下打ち切りなさい、ね?

125:風と木の名無しさん
06/11/05 09:14:36 t8usfuzZO
柵外タンおつ!
もちろん息子さん第一に考えてほしいけど、柵外たんにその気があったら続きも読みたいな
メモ帳とかに書きためてからコピペで投稿するとスムーズだよ。

126:風と木の名無しさん
06/11/05 09:32:24 nPfTBhrFO
柵サン乙です。
イライラさせてるのは息子サンのせいではなく、あなた自身のレスの仕方の問題です。
作品が勿体ないので落ち着いて下さい。

127:風と木の名無しさん
06/11/05 10:19:18 IAPWPRB10
そして肝心なことを。

ageるな!!空気嫁!!初心者は半年ROMれ!!

です。またのお越しをお待ちしております。

128:風と木の名無しさん
06/11/05 10:57:11 kG1ZO/U2O
近ごろ、まともな投下が耐えて久しい。
したらばも好きキャラは、くだらん話題のループだし、
応援スレは「ダンとご主人様専用」状態だ。
つまんねぇー。
職人さん頑張れよ。書き逃げ撲滅。完結推奨。新作歓迎。

129:風と木の名無しさん
06/11/05 10:57:51 BKv697rR0
支配者タン、GJGJ!
これは続きあるんだよね?
枯れ果てるところまで頼むよ!

柵外タンもGJ!
設定も文も好きだよ。続き超待ってる。
それと、リアルの自分のことを書くと
待ってましたとばかりに叩く連中が多いから
それやめた方がいい。あなたのために。
急がなくていいから、ゆっくり投下してね。
書き溜めてから投下してくれたらいいから。
月イチとかで何ヵ月もかけて投下し終わる人も珍しくないよ。

130:風と木の名無しさん
06/11/05 11:08:00 kG1ZO/U2O
いいひと発見。
姐さんはやさしい心の持ち主ですね。

131:風と木の名無しさん
06/11/05 12:32:37 yXBP3LxkO
支配者タン乙。
そうだね、自分のペースで楽しんで
投下してくれればいいと思うよ。
それぞれの状況があるんだから。

132:プール授業 1/4
06/11/05 12:38:31 Cv//K7Lv0
今日は坂田の大嫌いなプール授業がある。
泳ぐのが嫌いなのではない。むしろ得意だ。
中学一年から高校二年の去年まで水泳部にいたくらいだ。
部は、去年の夏の終わりに退部した。
もうプールに入るのが嫌だったからだ。
だが、授業での水泳は三年生の夏にもやってくる。
ストレッチ、それから水に浸かってパシャパシャやって、
教師の指示に従って順番に泳ぐ。
それはいい。
坂田が嫌いなのは、最後の五分間。
教師が生徒の楽しみのためにと、生徒の自由にさせる時間だ。
歓声を上げてはしゃぎ回る生徒たちの間から、
四人の男子生徒が坂田に向かって泳いだり歩いたりしてくる。
逃げたい。でも、逃げ切れないことはもう知っている。
逃げたところで、後でもっとつらい目にあわされることも知っている。
坂田はレーンの隅で四人を待った。
水の冷たさとは関係なく、体が芯から冷えている。
全身に鳥肌が立っている。

133:プール授業 2/4
06/11/05 12:39:07 Cv//K7Lv0
最初の一人が坂田の肩に触れた。
こみ上げる吐き気をこらえて、坂田はじっとしていた。
次の手が、坂田の脇腹に触れる。
そのすぐ後に、真後ろについた一人が太腿を撫でた。
もう一人が到着し、坂田の尻を掴む。
そこから、四人の手が遠慮呵責なしに坂田を責め苛み始めた。
水着の上から性器を握られ、扱かれる。
尻の割れ目にねじ込まれてきた指が肛門を押し上げる。
水着の裾から侵入した指が陰嚢をくすぐる。
坂田は俯いて唇を噛んで耐えた。
すぐ側で、クラスメイトたちが水を撥ね散らかして騒いでいる。
坂田が惨めな思いで耐えている時間を、クラスメイトは楽しく過ごしている。
誰か助けて。気付いて、俺をこいつらから救ってくれ。
いや駄目だ、誰も気付くな。こんな俺を見ないでくれ。
坂田をいたぶる四人は、時々水を手や脚で撥ねて笑い声を上げ、
殊更明るい声で話し続けている。
水に浸かって楽しそうに喋っている五人だと、皆が思っている。

134:プール授業 3/4
06/11/05 12:40:19 Cv//K7Lv0
水着がずり下ろされ、肛門に指が突き込まれた。
痛みに声を上げそうになり、坂田は奥歯を噛み締めた。
一方で、性器は扱かれ、先端をくじられて、反応してしまっている。
体内に入り込んだ指も、今は緩やかに動いて快感を紡ぎ出す。
懸命に衝動を抑え込もうとするが、慣らされた体は簡単に昂ぶっていく。
「やめてくれ…」
小声で頼んだが、誰も聞いてはくれないことなど知っていた。
愛撫の手が激しくなり、追い上げられていく。
達してしまったら?
水を濁らせてしまったら、それは誰にも見つからずに済むんだろうか?
いやだ、それだけはいやだ!
坂田はプールの縁にしがみつき、歯を食い縛った。
五分が五十分にも感じられる。
「も…許してっ…」
上擦った声で懇願するのと、教師が終了を告げる合図を出すのとが、同時だった。

135:プール授業 4/4
06/11/05 12:41:08 Cv//K7Lv0
四人は、すぐに離れて行く。
坂田は、慌てて水着を引き上げてはき直した。
前が完全に立ち上っているので、はきにくい。
それに、次々にプールから上がっていくクラスメイトに続くこともできない。
こんなみっともない状態の体をさらすわけにはいかない。
必死に浅い呼吸を繰り返しながら体を鎮めていると、
体育教師の怒鳴り声が飛んできた。
「坂田っ、いつまで入っている! さっさと上がらんか!」
「は、はい!」
仕方なく、坂田はプールのなるべく遠い端から上がった。
のろのろとシャワーの方に向かって歩いていくと、
列の最後尾にいた生徒たちが振り向いた。
途端に、彼らがクスクス笑い出す。
坂田の前は、まだ僅かに盛り上がったままだ。
まだ、男子生徒だったのが救いだった。
「お前、女子の水着姿見てコーフンしてんの?」
囁かれて笑われても、そこには悪意はなかった。
同じ男子として、ある種の親しみが感じられたほどだ。
だが、これがプール授業毎回となったらどうなるだろう。
そのうちに、坂田は変態だと笑い者になるのではないだろうか。
夏が終わるまでに、あと何回プール授業があっただろうか?
いやだ。
プール授業は、いやだ。
坂田は目を瞬かせた。
周りの人間は、坂田の目が赤くなっている理由を
殺菌の塩素のせいだとしか思っていないだろう。

おわり


136:風と木の名無しさん
06/11/05 12:56:39 kG1ZO/U2O
プールたん乙です!
できれば夏場に読みたかったなww

137:風と木の名無しさん
06/11/05 14:14:24 6JX8G3sq0
ID:kG1ZO/U2Oは本当に21歳以上か?

138:養育係6
06/11/05 14:41:56 uEj9R3BI0
少し、養育係について悪く言い過ぎたようです。
私はついつい言葉が過ぎてしまうことがあり、周りから時々注意されます。申し訳ありませんでした。
好きになれませんでしたが、今の私を作ったのはまぎれもなく養育係です。恩はあります。
それに、私のために熱心に動き回ってくれたことは確かです。ただ、どうにも私とかみ合いませんでした。

別邸の裏には小川が流れていました。
養育係は、体を鍛えておくように、と言って夏になると私を丸裸で遊ばせました。
あの頃は、冬になるとしょっちゅう風邪を引いていましたので、確かにその必要はあったのです。
けれど服を一切纏っていないとなんとなく不安になるものです。
私は普段覆い隠されている尻や胸のあたりをなんとなしに両手で隠して、遊んでいました。
あるいは目につかないようになるべく水の中に浸っていようとしました。
残念ながら水はガラスのように透き通っていて私の体を隠してはくれませんでした。
そんな時は、養育係は常に五十歩と離れていないところに控えていました。
加えて双眼鏡で一挙一動を観察していましたから居心地が良くありませんでした。
いつぞやは熱心に見守っているあまり口を閉じるのを忘れていたのでしょう。
ぬめぬめした唇の端から一筋のよだれをたらしていました。
職務に熱心であることは本来称揚されるべきなのでしょうけれど、気分の良くない光景でした。

また、私が風邪をひくと熱心に看病してくれました。養育係は医術の心得も相当ありました。
ただ、体の具合を確認するために私の肛門のにおいを嗅ぐのです。
この方法は養育係によると、体の調子を知る一番確実な方法なのだそうですが
ぶよぶよとした鼻が尻の狭間にわけ入り、肛門に荒い鼻息を感じるのはどうにも苦手でした。
確認はすぐにはおわらなくて、いつも砂時計の砂が2回落ちるほどの間続きました。
その間、尻を高く掲げなくてはならないのですから、ひどくくたびれました。

139:養育係7
06/11/05 14:42:30 uEj9R3BI0
ところで、こういったことはどうやら世間では変態的な行為だと認識されているようです。
ですが、養育係が私の身を案じてくれたことは確かですし、
何が変態的であるかという判断は難しいのではないでしょうか。
と言いますのも、世間では法律だの、常識だの、慣習だのを定規に人の為すことを評価しています。
けれど、そういった評価は、時やところによって移ろうものです。
現に、私たちの暮らしている社会ですら、昔とは様相が大きく変わりました。あらゆる価値が転倒しました。
よもやこのことはあなたも否定しますまい。
ですから、あの狭い別邸は一つの完成された社会であると考えるならば、
そこでは養育係の行ったことも変態的な行為ではないことになります。
あの時、あの場所では養育係が法であり、統治者であり、裁判官であり、全てでしたので。
そして、実際外の世界から切り離された小宇宙でした。

それに、養育係の行為が傍から見れば世間で言う変態的な行為だとしても、
養育係の意図が果たして変態的なものであったのかは当人にしかわかりません。
養育係は熱心に私の成長を手助けしてくれていました。そのことは私もわかっています。
確かに多少変わった方策を採ることはありましたが、
養育係の意図としては教育の一環であったのかもしれません。

私が養育係を好かなかったのは、変態的な行為をされたからではありません。
要は、私の趣味ではなかったのです。
あの怪異な風貌を好くことがどうしてもできなかったのです。

140:養育係8
06/11/05 14:43:34 uEj9R3BI0
話がいささかずれました。あのころは養育係が全てでした。私の生活は全て養育係に拠っていました。
衣食住といったことだけではなく、心の中まで養育係の支配下にありました。
養育係は何事も正直でなければならないという、確固たる信念がありました。
下着をぬらしたことを黙っていたことを養育係は深刻に受け止めたようです。
養育係は私の内面をしっかり矯正しなければならないと固く決意しました。
あるとき、計算を間違えた私に、大人の指三本分ほどの太さの棒を肛門に差し込みながら
養育係は諄々と説き聞かせました。
「坊ちゃま、人は動物ではありません。何が過ちであるのか自ら知らなければなりません。
ウサギや狐は自ら何をしているのかを知りません。しかし、人は知ることができます。
自ら知ることで人は動物と違った存在になるのです。
私が過ちを見つけてから謝っているようでは、坊ちゃまは野の獣と同じです。
これからは私が見つける前に、ご自分で過ちを犯したとわかったら、私に告げるようになさらなければいけません」
それから、養育係は尻を振ってもだえる私に禽獣に等しい知恵しかもたぬ人間がどれほど下げずまれ、
ひどい生活をする羽目になるのかをとっくり語ってくれましたので、私は震え上がって、何度も頷きました。

それからと言うもの、私は計算を間違えたり、綴りを間違えたら、自らズボンと下着を脱いで
尻を差し出さねばなりませんでした。そして、
「間違った悪い子のお尻の穴に棒を突っ込んで、罰してください」
と罰を請わなければなりませんでした。
そうすると、養育係は棒を私に差し込み、幼い性器を紐で縛り上げました。それでも足りないときは
洗濯バサミで乳首をつまみました。

141:養育係9
06/11/05 14:44:53 uEj9R3BI0
罰のとき抑えようもなくこみ上げてくる快感がなんであるのか、当時の私はわかっていませんでした。
養育係が私を罰するために掻き立てたなにかなのであろうと、思い込んでいました。
ただ、性器が固くなり先端から露がこぼれるのだけは、病気ではあるまいか、と怖くなりました。
しかし、これについても養育係が
「坊ちゃまの心が落ち着きを欠いている証拠です。
病気ではありませんが、大人になって心が落ち着かぬとこのようなことがまま起こります」
と丁寧に解説してくれたのでそんなものかと納得していました。
あのころの私は養育係の言葉を疑う知識も理由も持ち合わせていなかったのです。

もちろん、申し出なければならない過ちは勉強だけではありませんでした。日常全てに渡っていました。
うっかり花瓶を割ってしまったときや、ペンをなくしてしまったときも当然申し出なければなりませんでした。
いつぞやに、申し出をしなかったことが、養育係に露見してしまったときは、いつもより太い棒を入れられ、
乳首と性器の先端にはじんじんする薬を塗られて勉強部屋に半日放置されました。
体の奥底から湧き上がるえもいわれぬ快感は私の内を激しく焼きました。
熱の放出は許されることなく、のどが枯れるまで泣き叫びました。

この体験に懲りて私は養育係の目を掠めようとは思わなくなりました。
どのようなささいな過ちでも、養育係に申し出るようになりました。
なにせ、養育係は別邸の下働きを全て掌握しています。
私の行動はどこでどう見られて養育係に通告されるのかわかったものではないのです。
監視者の目を常に意識しなければならない状態でした。
また、己の行為が養育係の目からみて、過ちに当たるのかどうか、常に念頭において行動するようになりました。
こうして私は養育係の考えを外から強いられるのみならず、己の内側にも持つようになったのです。
養育係が心の中に住み着いたも同然でした。
私の思考はもはや私のものでなく養育係のものでした。私の目は養育係の目でした。
心の中まで支配下にあった、と云うのはこうしたわけがあるからなのです。

142:養育係10
06/11/05 14:46:02 uEj9R3BI0
ところで、養育係の与える罰は当節の基準からすれば、厳しすぎるのでしょう。
けれども、己の過ちを認めず、不正直がはびこる昨今においては、かような考えで教育に当たること自体は
おかしなことではないと思います。
こういうと、お前は養育係の呪縛の下にまだあるのだ、
ここはあの別邸ではない、それに時代はもう変わったのだとおっしゃられるでしょうか。
ですが、私は時代が変われど良きものは残すべきであると考えています。
私も年を重ね、今ではご存知のとおり息子もいます。
息子には昨今の風潮に流されず、きちんとした躾をしたいものです。

また話がそれました。どうにも私はまとまった話が苦手で、ご容赦下さい。
養育係の尽力にもかかわらず、私の過ちは減りませんでした。
あまり学問に向いていなかったのでしょう。始終、間違って、罰を受けていました。
養育係は私がいっかな向上しないのでなんとかせねばならないと、躍起になりました。
ついに学のある養育係ははるか南方の成人の儀式を書物から見つけ出しました。
雨多く、緑濃いその地では、男子は大人になる際に、成人男性の精を口や肛門に受けるのだそうです。
そうすることで、大人として変貌を遂げるのだとか。
養育係は南方の風習を私に試してみようと思い定めました。
説明を受けたとき、私は素直に養育係に感謝しました。
物覚えが悪く過ちの多い私のために、書物からあらゆる方策を探ってくれたのは事実です。

143:養育係11
06/11/05 14:47:17 uEj9R3BI0
儀式は月の冴えた夜に私の寝室で行われました。
秋でした。カーテンの隙間から一条の澄み切った白い光が流れ込み、養育係の顔を照らし出しました。
その顔は養育係が語って聞かせる地獄の悪鬼を思わせ、私は軽く身震いしました。
養育係は、着物の間から黒々とした性器を取り出しました。
さらに着物の隙間からは、肉が幾重にも折り重なった腹が垣間見えました。
私は正視しないようにそっと目をそらしました。
養育係の性器は太くて大きく、さらに顔を近づけるとむっとする臭気が鼻をつきました。
ですが、私がまっとうな大人になるためです。必死にこらえて、臭い肉棒を口に含みました。
「坊ちゃま、もっと舌を使って。そう。裏の筋もきちんと舐めるのです」
養育係は細かな指示を出してきます。必死に従いました。
やがて、養育係の性器は充実し、私は首尾よく口にその精を受けることができました。
苦さと生臭さに気が遠くなりかけましたが、必死でそれを嚥下しました。

144:養育係12
06/11/05 14:48:30 uEj9R3BI0
儀式はその晩だけでは終わりませんでした。
一晩精を受けたくらいで私の性質が変わるということなどありえませんでしたので。
私は来る晩も来る晩も、口腔に肛門に養育係の精を受けました。
どちらかと言えば、肛門で受けるほうが好きでした。
第一に臭い匂いをかがなくてすみます。
第二に口に養育係の巨大な性器は余るのですが、肛門はすでに罰のおかげで異物の挿入に慣れていましたので
存外すんなり太いものを受け入れることができました。
それに、ある一点に快楽を激しく掻き立てる箇所があって、そこを突かれると
これが大人になるための大切な儀式であることも忘れて身も世もなくよがってしまいました。
「あんっそこいいっ……もっと」
養育係は首尾一貫していましたから、このような時も正直であることを求められました。
私はどこがいいかという他にも、性器がむずむずしてたまらないことや、
乳首が固くしこってじんじんすることなどを全て詳細に養育係に告げなければなりませんでした。
正直に私が告げると、養育係は乳首をつまんでくれたり、性器をこすってくれたりしました。
私は次第に積極的に、告げるようになりました。そして儀式から幾ばくかの悦びを得ることになったのです。
そんなわけでこの儀式自体はそれほど苦痛でもありませんでした。
罰の時には許されない熱の放出が儀式のときは許されるのも、ありがたいことでした。
ただ一つだけ難がありました。精液を放出することは養育係にとって少なからず労を要すのでしょう。
吐精の際に、おうおうと奇怪な声を上げるのです。その声はどうにも慣れることができませんでした。

145:養育係13
06/11/05 14:50:07 uEj9R3BI0
けれど、私たちの暮らす社会があっという間に大きな変貌を遂げたように
私の小宇宙もある日、終焉を迎え、あらゆる価値が覆されました。
全ての社会とその価値は突き崩される運命にあるようです。
であるならば、一つの社会の価値を絶対として他を否定するのはおかしなことではないでしょうか。

きっかけは私が父の屋敷に呼ばれたことでした。
母亡き後、私のことはすっかり忘れていた父でしたが、健康の衰えを感じて
跡継ぎの顔を見ておこうと思った模様です。
父は私を書斎に来させ、じろじろと観察しました。視線の冷たさに私は震え上がりました。
別邸ではこのような冷たい取り扱いを受けたことはありませんでした。
私はどうしたらよいのかさっぱりわかりませんでした。
父が私にいくつかの質問を投げかけたときには舌はもつれ、膝は踊って
まともな返事は到底できないありさまでした。
う、とかあ、とはうなる私に父は大層立腹しました。
「いい年をして、なんだ。その要領をえない返事は。お前が私の血を引いているのかと思うと胸が悪くなる」
父は語気荒く私を叱り飛ばしました。
思わぬ事態に頭は混乱しました。
父に好かれているなどとは思っていませんでしたが、まさかここまで叱られるとは予想もしていないことでした。
それに別邸では毎日が予定通りに過ぎていきましたので、私はこうしたとっさの出来事には弱くなっていました。
父が怒っています。その原因は私がまともな返事ができないことにあります。
そして、まともな返事ができないということは、私が過ちを犯したということであり、過ちは直ちに認めなければいけない。
私は養育係の教えを忠実に実行しました。
ズボンと下着を脱いで、父に尻を向け
「間違った悪い子のお尻の穴に棒を突っ込んで、罰してください」
と願いました……。

父は恐ろしいものを見るように私を眺め、じりじりと後ずさりそれから机の上の呼び鈴を激しく鳴らしました。
屋敷は上へ下への大混乱になりました。


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