06/12/29 02:49:51 nbb/LE8dO
>>483
そんな僕の願いも虚しく寸心は、あれ?と小さく呟いてソファや床の上を見渡し始めた。
その時の寸心のほんの少し慌てた表情が可愛かったのだけれど、気付いてしまったのだから仕様がない。
言っとくけど、そこまでヒドイ人でもないんで、僕。
「お探し物はコレかい?」そう言って、自分の顔の前に小石をかざした。
「あっ…」
するとどうだろう。寸心の顔がみるみるうちに赤くなってきたのだ。
他人にあられもない姿を晒してしまった、みたいな表情。
何だよ、何でそんな顔すんの?
コレはそんなに恥ずかしい意味が込められた物だった訳?ふざけんなよ…。
「返せよ。」
「やだ。」
伸びてきた寸心の手を避けるように小石を遠ざけた。「…そんなにスズキさんの事が好きなの?」
ついに聞いてしまった。意識的に避けてきた質問。
寸心は、眉間に皺を寄せて僕を見上げた。
「何言ってんだ。俺は『そういう意味』の好きじゃない。」
「ウソだ。じゃあ、何でこんな石ころ、いつまでも大事に持ってるんだよ。」
「それは…」
寸心の瞳に戸惑いの色が見えた。
こんなに押されてる寸心なんか初めてだ。
このままいけば、もしかして…。
僕の頭の中にある考えが浮かんだ。