06/12/29 02:15:26 nbb/LE8dO
>>480
すんません、続き頑張ってみます…
あの日以来、特に変わらない寸心だけど、何故かボーッと空を見上げている事が多くなった。
そういう時は決まって、手の中であの小石を転がしている。
どうせ、あの人の事でも考えてんだろ?
嫉妬…とかではないけど、もう少し僕の気持ちを察してよ、寸心。
(まぁ、伝えてもいないのに解れだなんて無茶な話だけど)
部室のドアを静かに開けると、ソファの上に寝転んでいる寸心が見えた。
どうやら寝ているらしい。
僕は寸心の傍へ行き、滅多に見れないスキだらけの彼を眺めた。
猫みたいに丸まった寝相、微かに風で揺れている長めの黒髪、よく見ると男のくせに女並みに綺麗な顔立ち…。
少しの間、あらぬ方向へ思考が飛びそうだった…。
そんな雰囲気も束の間、ふと寸心の手元に目を落とした僕は、またもや苛立ちに包まれた。
あの小石が置いてある。
僕がそっと小石を手に取ると、それが合図だったかのように、寸心が目を覚ました。
とっさに小石を持っていた手を握って隠した。
何してんだ僕…。
「おはよ、寸心。」
「…え、お前いつから居た?」
「今来たところ。」
あっそ、と呟いて寸心が上体を起こす。
僕はというと、握ったままの手をポケットに入れ、寸心の反応を待っていた。
でも、本当は気付いてほしくなかった。
そのまま忘れてしまえ、小石の事も、あの人の事も。