06/05/02 09:34:51 Lb+dTRXd
>>345 続き(保守も兼ねて)
風呂から上がった俺は、冷蔵庫に飲み物を取りに行った後、そっと弟の様子を見に行った。
『ちゃんと寝てるかな…?』
布団に潜り込んでいるあいつが寝ているのかどうかはこちらからはよく判らなかったが、取り敢えず物音を立てない様に移動して、床に置いた毛布に包まろうとした…が。
「兄ちゃん…。」
布団から顔を出した弟が声を掛けて来た。
「なんだ、まだ寝て無かったのか?」
「うん…なんか寝付けなくて。 俺、旅行とか行くとなかなか寝れなくていつも困っちゃうんだよな。」
「そうか…。 まああんまり気合い入れて寝ようなんてしてると余計に目が冴えちまうから、目だけでも閉じてな。」
そう言って弟の頭を撫でてやると、先程と同じ様にまた真っ赤になってしまっている。
そんな状態になりながらも、彼は少々遠慮がちに話掛けて来た。
「…兄ちゃん、あのさ…。」
「ん?」
「一緒に…寝よう? そしたらよく眠れる気がするから…。」
「…え!? で、でもその布団は一人用だから狭いし…。」
「…嫌? 俺と寝るの。」
嫌な訳じゃ無い。
いや、嫌な訳が無い。
でも、妙に意識しちまったままで一緒の布団で寝るなんてのはある意味「拷問」だ。
今までどうにかごまかして来たが俺は…彼に惚れてしまっている。
弟として愛おしく思っているのも確かだが、それ以上の思いがあるのも確かだ。
そんな自分を認めたく無くて、あいつの側に居続ければいつか傷付けてしまいそうで…進学を理由に逃げ出してしまった。
いや、俺自身傷付くのが怖かっただけなのかもしれない。
弟は…あいつはこんな俺をどう思っているんだろうか?
それを考えると怖くて仕方がない。
彼は答えを待っている。
俺は…どう答えればいいんだろう…?