06/04/29 09:51:22 9RVUrf9B
>>337 続き
「…あ。 もしかして布団はこれ一つしか無いの?」
風呂から上がって来た弟が少々素っ頓狂な声で俺に聞いて来た。
「ああ、一人で暮らすのに余分な布団は要らないだろ? ここはたまり場にもなって無いしな。 今日はお前がそれで寝ろ、俺は床で十分だからさ。」
「そんな…なんか悪いよ。 身体も痛くなっちゃいそうだし。」
「大丈夫、そんなにヤワに出来て無いよ。 いいから湯冷めしない内に先に寝てろ。」
「でも…。」
「…しょうがねーなぁ。 これでどうだ!?」
「! ちょ…兄ちゃん!?」
俺は煮え切らない弟を抱き上げて強制的に布団へ連れて行き、上に降ろした。
「…い、いきなり何すんだよぉ!? びっくりするじゃないかぁ!!」
「お前がいつまでもうだうだ言ってるからだよ。 それにしても相変わらず軽いな。 お前こそちゃんと食ってんのか?」
「ちゃんと食べてるよ! 仕方ないじゃんか、太れない体質なんだからさ!」
「そういやあそうだったな。 さーて、これから風呂に行って来るからちゃんと布団に入っとけよ。」
そんなやり取りをしてる中、弟が小さな声で呟いた。
「…兄ちゃんの馬鹿。」
「おい、いきなり馬鹿は無いだろ馬鹿は。 まあ無茶したのは謝るけどさ…。」
「ばか…。」
「…?」
顔を真っ赤にしたままそっぽを向いた弟の態度が少々気になりはしたが、明日の事も考えてそのまま風呂に行く事にした。