06/04/28 10:25:50 fuBOrPJE
>>330 続き その2
(いつも仕事の合間に書いてるんですすまなーい! 私もピアスと新作続きを期待してます)
弟とは二つ歳が離れている。
俺の容姿は真っ黒な直毛、一重なのに対して、弟は元から髪が茶色っぽく、加えてくせっ毛で、目も二重だったりする。
多分女の子にも人気はあるんだろうが、彼女らしき影が今まで一切見えた事が無いってのも不思議で仕方ない。
そんな事を考えたりしている内にアパートに着いたのだった。
「ほら、上がれよ。 ま、なんも無いけどな。」
「…おじゃましま~す…ってかほんとに何にも無いね。」
俺は昔から部屋に無駄な物を置くのが嫌いだ。
一人暮らしを始めてからは一層余分な物を置かなくなってしまったので、ある意味とても殺風景な部屋になっている。
弟は俺と正反対で、部屋にごちゃごちゃ小物を増やすのが好きだ。
そんな彼にとってはこの部屋はかなり落ち着かない様だ。
「そこらへんに適当に座ってな。 暇ならテレビでも見てればいいよ。」
そう弟に声を掛けて、俺は買って来た物をしまい込んだりしていた。
ふと弟の方を見ると、床に座ったまま部屋の中を見回している。
「…これだけ何も無いのもちょっと落ち着かないな。」
「ごちゃごちゃしてて足の踏み場も無い、ってのよかましだろ?」
「そりゃそうだけど…。」「それはそうとごめんな、連休中二日しか休みが取れなくてさ。 バイト先に無理言ってどうにか取れたけど二日が限界だったんだ。」
「…仕方無いよ、サービス業のバイトだし。 でも、それでもこうして会えただけ嬉しいよ。」
そう言って微笑む彼を見て、少し心が痛んだ。
たった二日だけど、せめてこちらに居る間は楽しく過ごして貰おう。
明日には二人で何処かに出掛けたりして、あいつが笑顔で帰途に着ける様に…。
夕食も済ませ、風呂の準備をしたりしている時にふと思い出した。
ここには来客用の布団が無い。
…まあいいか。
あいつを布団で寝かせて、俺は毛布にでも包まって床にでも寝よう。
そんな事を思いながら、弟に先に風呂に入る様に促した。