06/04/16 05:48:38 at0vT0Mg
>>280
続き
もう一度、今度は啄むように軽くキスをされた。
そして、そのまま唇は頬を掠るようにずれて、
俺の耳を軽く食んだのだ。
「……ック……」
瞳を固く閉じて体を強張らせると、耳と反対の方にある肩に
手を置かれ、スッと腕に向かって下ろすように撫でられた。
その間も、耳への愛撫は続いている。
舌の先を固く尖らせ、ピアスの穴を、上から順に丹念に舐めている。
逃げようと頭を動かしたら、二の腕辺りを行き来していた手が上がり
頭を押さえられてしまった。
「んっ……ふ」
肩どころか、全身、声までが震えてしまう。
俺は女と付き合った間も、下の立場をやったことがないのだ。
初めて受ける愛撫、それも耳だけでこんなに翻弄されるのに戸惑った。
セックスがヘタだと言われたことはないけれど
自分を望んでもいない場所に追いやられ、それで案外やっていける
まるで俺のつまらない人生みたいで、悔しくなってきた。