お菓子ど真ん中 part12at PINKNANMIN
お菓子ど真ん中 part12 - 暇つぶし2ch973:名無しさん@ピンキー
07/12/18 22:44:25 0
昨夜、投下しようと思い、出来ませんでした。
すこし時期が外れましたが。あべち、誕生日話。

***

留守録を再生すると、何件かのメッセージが入っていた。 誕生日を祝うそれ、出先からの誘い等。
出無精の俺は、まず乗らなかったろうけど。
休日らしく寝て過ごしたその日を、遅れて祝うためかチバがやって来た。

姿は昔、あれが書いた詞にそっくりだ。右手に赤いバラの花束。左手には洋菓子の箱。
ただ、その顔はひどく怒っていて、甘い言葉は吐いてくれそうに無い。
「それ、なんかの罰ゲーム?」
ソファに腰掛けた自分の前、仁王立ちのチバへと声をかけた。
常に不機嫌な口許は、深海魚が呼吸するように開く。
「…アベくん、昨日は何の日か知ってる?」
「……。俺の誕生日、です」
 ばさッ、
チバの右手が動いて、花束ごと頭をはたかれる。
「分かってんじゃん!」
トゲ処理が上手くされていないのか、庇った腕に刺さって痛い。
構わず、チバは言葉を続けた。
「俺はね、昨日アベくん家に何度も電話したんだよ。何で出ないわけ?」
「あー…」
確かに、留守録には数件チバらしき声で(雑音と喧騒で聞きとるのも、
ままらなかったが)誘いが入っていた。酔いどれてはいたけれど。
「寝て…たっ、て」
再び右手が振り上がったのを、制して聞く。
「で、チバは1日遅れで祝いに来たのね?」
不承不承、頷くとふて腐れた。「もう帰るかも」と。
“かも”ね。
曖昧な返事は、引き取めて欲しいのが見え透いて、呆れる。
人の家で、花束を振り回す男をどうして置く必要があるのか。


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