07/03/13 10:13:42 iRMdidSG
「じゃあ、はじめちゃおっか?」
その声は無邪気そのもの。
とても正式な場の言葉とは思えない。
だがそんな男が今はこの場のすべてを取り仕切っている。
アルタイ大公ナギ・ダイ・アルタイ。
シュヴァルツによるヴィント侵攻をとめた英雄。その実態は彼の隣に座るシュバルツの男と協力した自作自演のヴィント侵攻。
ナギ大公は封印された技術をつかい、ハルモニウムを起動させ、フロリンス、そして私の国ルーテシア、それ以外の国をも壊滅させた。
国王がその圧倒的力を見せ付けられこちら側についたのも頷ける。
「ではルーテシア・レムス王様、こちらの同盟書にサインをお願いいたします」
「活躍を期待しているよ?ラウラちゃん?」
「尽力します」
ナギ大公の言葉は人の神経を逆撫でさせる。
それとともに彼が何を考えているかわからない危険な男と言うこともよくわかった。
「では、これでアルタイとルーテシア・レムスの同盟は成立しました。会議までしばらくお待ちください」
私は一礼して陛下とともに部屋を出る。