【久米田】絶望先生で百合【サンデー】at LESBIAN
【久米田】絶望先生で百合【サンデー】 - 暇つぶし2ch768:名無しさん@秘密の花園
07/12/13 23:31:31 AFhtNE+8
>766
ocn全国規制も少しは関係してるかもね
あらゆる板で過疎ってるらしいし

769:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:00:50 lze+MM1o
>>735の続きです、と、言ってもまだ終わってないんです。申し訳ない。
ハードディスクが壊れたと思ったらパソコンも… バックアップはこまめにとりましょう(泣)。

その日いつものような大騒ぎが終わった後、可符香は何をするでもなくダラダラと校舎に残っていた。
さっきまでマ太郎が向かいの渡り廊下を走り回っていたがいまはその姿も見えなくなった。

やがてあたりがすっかり薄暗くなったころ、さすがに可符香も帰ろうと思い始めたとき、不意に白い人影が明かりの落ちた廊下の奥を横切った。

「!?」

いつもポジティブ?アッケラカンとしている可符香ですら、一瞬ドキッさせるに絶好の舞台設定、無人の校舎、暗い廊下、謎の白い影、
だが、そこで踵を返す彼女ではない。足音も低く廊下を小走りに進んで件の人影をおう。

もしこれが日塔奈美だったら悲鳴を上げて逃げ出していただろう。まあ、それがごく普通の反応だが… 
幽霊じゃないことはペタペタというスリッパ特有の足音ですぐ知れた。日本の幽霊に足はない、なぜだか判らないがそういうことになっているから。
可符香が追っているその影はしかもごくゆっくりと進んでいた。

まるで心ここにあらずという頼りない足取りなのがその足音から判った。そうしてやがて可符香がその人物に追いつくと、彼女はやっぱりという顔で声を上げた。

「霧ちゃん!何処へ行くの?」






770:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:04:59 Hbh5B7XK
校舎に誰もいなくなっても必ずいる人だあれ? かつての自宅引きこもり、転じて学校引きこもり少女、小森霧だった。
愛用の毛布をマントのように身にまとい足音の元、校内来客用のスリッパを履いていた。

可符香に声をかけられても霧はいっこうに振り向こうとしなかった。ただますます覚束ない足取りでなおも歩いていこうとしていた。
さすがにその様子が尋常でないことに可符香は気付く。

「どうしたの、霧ちゃん? 私よ、かふ… 」

ふらつきながら進もうとする霧の前に、可符香は慌てて回り込んで尚も呼びかけるが、今度は心底驚いて言葉を飲み込んだ。
何故なら廊下の常夜灯にボンヤラした輝きに照らされた霧の頬には涙がキラキラと輝きながら流れていたから。

「どうしたの、霧ちゃん!どこか痛いの? 」

何も答えない霧、と、いうより彼女の目には自分の前にいる可符香が映っていはいないようだった。
そして自分の名を呼ぶ声もまた彼女の耳には届いていないようだった。


771:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:06:01 Hbh5B7XK
驚く可符香を無視するようにまた一歩踏み出そうとする霧、だが今度は可符香も霧の前に立ちはだかると、霧の方を掴んで乱暴に揺さりながら
「霧ちゃん、私よ!霧ちゃん!こっちを向いて! 」と、大声を張り上げる。その様子は普段の彼女からは想像できないような切迫した声だった。

「い… 」

「えっ!何? 何て言ったの、霧ちゃん! 」

「いないよう… 」

「えっ? 」

「誰もいないよう… 私独りぼっちだよ… 」

可符香がその小さな泣き声混じりのその言葉を聴き取ると、霧はガクリと膝を折りその場にうずくまってしまう。
泣き続ける彼女に可符香は持っていた鞄を放り出し、そのまましゃがみ込むと霧の身体を毛布ごと抱き締めた。

「大丈夫… 大丈夫だから… ほら、私がいるから… 」


772:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:07:28 Hbh5B7XK
嗚咽を繰り返す霧の顔を自分の制服の胸に押し当てて、そのまま強く彼女を抱き締める可符香。
流れる涙が可符香の胸を濡らし暗い校舎の中をバンシーの魂切るような泣き声が木霊する。

霧が普段居座っている宿直室に戻った時、彼女はまだ少しベソをかいてはいたものの、
それまでずっと付き添っていた可符香を認識するくらいまで落ち着いていた。

「何か、あるかなあ… あっ!あったあった紅茶、何これアールグレイか… 霧ちゃんの趣味かしら」

「う、ううん、先生が買ってきたの… 」

「そうなんだぁ」

涙混じりの声でボソリと答える霧に脳天気そうな声で相づちを打ちながら、可符香は(あのチャラ男が…)と、
我等が糸色先生が聴いたら「絶望したあ!」と、叫びかねない凄味のある声で呟いた。

もちろん霧に聞こえるような不手際はしない、そして畳の上に座り込んでいる彼女には背を向けているので、
普段ポジティブな笑顔が貼り付いたような、可符香の顔に一瞬浮かんだ、
場合によっては千里でさえ後ずさらせるような表情も見られることはなかった。


773:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:09:16 Hbh5B7XK
やがて湯が沸いて可符香が、手際よく食器棚から取り出したカップに暖かい紅茶を入れた頃には、相変わらず座り込んでいる霧も、何とか落ち着きを取り戻したようだった。

「美味しい… 」

熱い紅茶の湯気にボンヤラと霞んだ霧の顔に、ようやく落ち着いた声とともに浮かんだ笑み。
可符香はその言葉に無言で微笑むと自分もカップを取って紅茶をすする。

古風な蛍光灯の灯りの下で二人は言葉少なに向かい合って座っている、
そして不意に霧が相変わらず方から羽織っている毛布から右手を差しのばして、可符香の制服の胸を指さす。

「汚しちゃった」

「ああ、平気、平気、気にすることないよ」

可符香の制服の胸についた涙の染み、明るく答える可符香に霧は済まなそうな顔で「迷惑かけちゃった」とぽつりと呟いた。
その苦しそうな表情を見て「大丈夫だったら! もう、やだなあ、霧ちゃん」と、可符香はいつも以上に声のトーンをあげる。

「時々、なるの… 」

「えっ?」

「一人でいると… 私… 時々夜になると校舎の中をさ迷っているの、最初は判らなかったけど、
時間が経つとまたここに戻ってるから… でも、髪に木の葉がいっぱいついてたり、足が泥だらけだったりして… 」

「家に引きこもっていたときは外が怖かった… 誰かに会うのは怖かった… 私… 先生を追って学校で過ごして、そしたら今度は一人でいるのが… 」

774:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:11:01 Hbh5B7XK
霧はほとんど聴き取れないような小さな声で話す。可符香は身動ぎもしないで聞いている。
彼女が両手で包むようにして持ったカップの中で、飲みかけの紅茶が徐々に冷えていくことにも気付かずにいた。

「でも、教室に行くのも怖い… 学校にいるのにまた引きこもっているだけで… 」

「自分が情けなくて辛くって… でもどうしようもないの… 弱虫だから… 」

「いつもは先生や交君がいるから、家族と過ごすみたいに思って… 何だかそのままみんなの中にも入っていけると思うときもあるけど、」

可符香は何も言わずまっすぐに霧を見つめている、目の前の長い髪に隠れた顔がまた涙ぐんでいるのが気配でわかる。
毛布の下の華奢な肩が小刻みに震え、それとともに霧の声も震えていく。

「でも、今夜みたいに先生が交君を連れて倫ちゃんと出かけていくと、ひ、一人になると… 」

可符香はそのときになってやっと、自分が冷めてしまった紅茶の入ったカップを握りしめているのに気付き、運んできた木の盆の上にそっと戻した。


775:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:12:12 Hbh5B7XK
私、結局何処にもいるところがないって、でも家にも帰りたくない、どうしていいのか判らなくなって、気がつくといつも… 」

霧の声がまた嗚咽に変わりそうになったとき、可符香がついと立ち上がるとそのまま霧の前に歩み寄り、
廊下でそうしたように 毛布越しに長い髪の少女を抱え込むようにして抱き締めた。

「霧ちゃん落ち着いて! 大丈夫だから! 」

「嘘つき! 誰にもわかんないよ! 誰にも… いつも楽しそうにしている風浦さんになんか!」

叫ぶ霧から瞬間身体を離すと可符香は両手を素早く突きだし、髪に隠れて霧の頬をそのまま手のひらに包み込む。

「えっ! 」

長い黒髪が二つに分かれて霧の白い顔が露わになる。泣きはらした赤い眼が驚きに見開かれすぐ前にある可符香の顔を見つめた。

「ひっ!」


776:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:13:12 Hbh5B7XK
その可符香の顔を見て霧は小さく悲鳴のような声を上げる、そこにはいつもの終始笑みを浮かべいているような、
あの明るい表情の代わりに何か、背筋がぞっとするような冷たい顔がじっと自分を見つめていたから。

「…辛いよね… 霧ちゃん… 」

「毎日毎日どうして辛いのに私ここにいるんだろうって思うでしょ… 」

「風浦さん… 」

両頬を可符香の手のひらが包み込んでいるので、霧は身動きすることが出来なかった。
それどころか目を反らすことも出来ず、自分をジッと見つめる可符香の眼を見ていた。

「寂しいのもイヤ、でも人の中にいるのもイヤ、そうよね、誰も他人の苦しみなんて判らないし、辛いことばかり起きるし… 」

その声は、その顔は、その目は霧の知る可符香のものでは無かった。
おそらく彼女を知るクラスメートも先生も、誰一人見たことのない可符香だった。

「ねえ、霧ちゃん、辛いなら、悲しいなら、苦しいなら、良い方法があるよ、ねえ、うふふふ」


777:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:14:14 Hbh5B7XK
う言う可符香の顔はもう霧の目前にあった、お互いの息をお互いの皮膚で感じるほど近い。

「ふふふ、少し我慢すればいいの、それでもう… ふふふ 」

可符香は微笑んでいた、だがその笑い声と笑顔は恐ろしい何かを帯びている、
それは目の前にいるのが風浦可符香だということが霧には信じられなくなるほどの異質さだった。

不意に可符香の手が霧の長く細い首筋に移り、その冷たい感触に霧はビクリと震えた。そして羽織っていた毛布が畳の上に落ちて広がる。
それでも霧は手を動かすことはおろか声を上げることも出来ずにいた。

「苦しくなんか無いよ、大丈夫だよ… 」

瞬きしない暗い眼が霧を見つめたまま、彼女の首に絡まっている可符香の指にジワジワと力が入り、それと同時に恐怖が大きな口を開けて霧の心を飲み込まんと飛びかかる。

「いやあー!!」



778:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:15:56 Hbh5B7XK
不意に霧の唇から絶叫が飛び出した。途端に可符香が体重をかけてそのトレーナーとジャージ姿の少女を畳の上に押し倒す。

「たすけてぇ、死ぬのはイヤだぁ! こわいよう! 」

「何を言っているの、霧ちゃん大丈夫よ、もう辛いこともなくなるから」

「いやだあ、ごめんさない、ごめんなさい!」

暴れ泣きわめく霧を信じられないほどの力で押さえつける可符香。
彼女が霧に投げかける言葉は明らかに怒気をはらんでいた。それもまた普段の彼女を知るものにはとても信じられないことだった。

「何故死にたくないの、苦しいのに、辛いのに、そうよ! この先もずっと自分の居場所なんかないかもしれないのに! 永遠に独りぼっちかも知れないのに!」

「…えぐっヒック、判らないけど… ヒック… 」

しゃくり上げる霧に覆い被さるようにしていた可符香は、喉にかけていた腕をそっと解くとそのまま横たわる、教室に来ない同級生の上に覆い被さってしまう。

そのまま自分が下敷きにしている、霧の身体の熱を感じながら可符香も荒い呼吸をしばらく繰り返しいていた。
やがて深呼吸を数回繰り返すと、彼女の顔から少しずつ強ばりがはがれ落ちていった。

779:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:17:16 Hbh5B7XK
目を閉じてまだ弱々しく泣きじゃくっている霧を抱きかかえると、可符香は冷静さを失い素の自分を出してしまったことを恥じているような、困惑したような表情を浮かべた。

「鏡を見ると冷静ではいられない… か…」

そう、可符香は心の中で呟くとまた彼女の顔に一瞬苦い表情が表れ消える。

「…霧ちゃんは、しょうがないなあ… 私のペルソナを剥ぎ取るんだもの… 」

我ながら意地の悪い言葉だとは思ったが声色はもう、普段の彼女に戻りかけている。

「ごめんなさい… ごめんなさい… 許して… 」

怯えてそう繰り返す霧の顎に指をかけると可符香は、驚くほど白い霧の頬に流れる涙をペロリとなめる、
驚いて自分を見つめる霧にいつものポジティブな微笑みを浮かべて「…許してあげましょう…」とおどけた声で言った。

その声と表情は霧を恐怖させたさっきまでの彼女とはちがう、いつもの誰もが知っている風浦可符香のそれに完全に戻っていた。
だが、霧はいつもの彼女が実は仮面に過ぎないことを思い知った。


780:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:18:45 Hbh5B7XK
風浦さん… ごめんなさい… 私… 」

可符香はまだ緊張している霧の身体を自分の下に置いたまま、その長い黒髪を梳き分けると、露わになった白い額に、頬に、鼻がしらにまでキスをする。

「えっ?」

「ふふ、これは、お仕置きです… 」

楽しそうな声でそう言う可符香、霧は自分の顔にキスの雨を降らせる彼女の振る舞いを軽い驚きと気恥ずかしさ、
そして彼女がもう怒っていないことと霧自身をなだめようとしていることを感じた。

可符香がキスを繰り返すたび霧の鼓動が早くなり、彼女の胸に覆い被さっている可符香の胸に、
お互いの衣服越しにであれ伝わっていると思うと顔が火照り、同時にさらに鼓動が早まる。

「風浦さん… 私… 」

「だめだめ、霧ちゃん、可符香ですよ、ね、」

「可符香… 」

「はあい」

霧の呼びかけに嬉しそうな声で答える可符香、そうして彼女は母親が愛しい我が子にするように繰り返していた柔らかいキスを、霧の唇にも、まるで羽が触れるようにそっと… 

「いやですか、」

「ううん、大丈夫… 可符香… 」


781:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:28:15 Hbh5B7XK
と、言うわけでここまでです。本当にすみません、
年内には何とか(石をぶつけられそうですが)

>>764さんの言うとおりもうそろそろここも終わりに近いのですね。可符香と霧の話が終わり
次の話をもし投下するときは、ご指摘の点を何とかしようと思います。

実は白状すると2chに余り慣れてないので、保管庫の意味もよくわからなくて書き散らして
しまいました。もし、問題があったらお詫びします。


782:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:30:13 sTvH5Jp8
GJ!でもすごい生殺しです!

783:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:30:23 AJ8qY3tX
現在498KB。

誘導も含めたらギリギリの容量ですぞ。

784:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:42:48 Hbh5B7XK
>>783
確かにぎりぎりですね、続きの投下は様子を見てからの方がいいかも…

785:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 00:59:19 Q1nJiKaj
新スレ立てていいのかな?

786:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 01:19:59 EfJoXwTf
>>785
よろ

787:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 01:39:04 Q1nJiKaj
行ってきた。
テンプレ等有れば、追加よろしく
スレリンク(lesbian板)

788:名無しさん@秘密の花園
07/12/14 02:03:55 SlZNgVMA
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘV:::::::::::::::::::::::::;ハ::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r_-_-_l⊥:_:::_::::::;/  ヽ::::::.
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::l !::::::フフ::/     V:::::.
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::_ン ´ //     V::::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::;>'´ `ヽ           l::::::!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l-クヲ=::..、   ヽ     , -― l:::::i  過疎で誰もいないんじゃなくて
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l/ //::;::::::ハ.、       __ i:::::;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::! L!:::::_:;:::;!         /.:::i !,'::::;'       むしろ500KBですよ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::l  `<乙_ノ        ハ::::;! ,'::::;'
::::::::::::::::::::::::::::::::::::!                に;:ノ ,'::::;'
:::::::::::::::::::::::: ::::::::::!               ,':::::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::l              l     !:::::::!
:::::::::::::::::::::::::ハ:::::::l      ___ ´   /:::::::::l
:::::::::::::::::::::::::::ハ::::::!\    ヽ   )/ ,.ィ´:::::;ハ:::l
V::::::::::::::::::::::::::|V:::l   l::..、    ̄_,....::´::::::::::::::i ヽ!
::∨::::::::::::::::::::::い:::l  !::::::::: ̄::::::::::::::::::::::::::::::!
::::::ヽ::::::::::::::::::::| V  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
::::::::::ヽ :::::::::::::::|     V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch