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うららかな陽光差し込む午後の765プロダクション。
いつものように流れるような手捌きで書類を整理し、事務作業に勤しむプロデューサーを、
やさしく労う者がいる。その名を高木順一郎といい、この会社の最高責任者、すなわち社長である。
「毎日ご苦労だね、少しリラックスして休みたまえ」
「あ、おはようございます社長……これを片付けてから、そうさせていただきます」
「うむ。しかし……こうして振り返ってみると、キミもなかなかに立派になった。
最初はプロデュースのプの字も知らなかった青年が、今や複数のアイドルを担当し、
軒並みヒットを飛ばしている……私の見立ては狂っていなかったようだ」
一年前に何も知らなかった見習いが、今は敏腕の名をほしいままにしている。
それこそが彼の実力の証明でもあった。高木は、激務で血の滞った彼の肩を軽く揉み解し、
その大器で彼を包み込むように功績を褒める。
「本当に……素晴らしい。私の見込んだとおりの逸材だった」
「社長……ありがとうございます」
「うむ。だからこそ……キミには、もう一歩上の世界と言うものを経験して欲しい。こんな風に」
高木の手が、肩から胸へと達した時、プロデューサーは何とも言えぬ違和感を覚えた。