05/05/03 12:29:32 ftJkESVd
福永武彦の「死の島」。
とても暗くて難解な小説です。
解説が難しいので、本の帯封から・・
「二人の女性の心中の知らせを受けて、
東京から広島へ向かう青年の脳裡に、
目覚めてからの一日の時の経過と、
彼女たちに遭遇した300日前からの回想が複雑に交錯する。・・」
素子は被爆者で、生きる希望を見出せないままの女性。
綾子はそんな素子の孤独な心を溶かそうとするのですが・・。
二人の女性の繊細な感情のやりとり読んでると
この本の作者が「男」であることを不思議に思ってしまいます。
きっと読者は綾子を愛すようになり、その反面、素子の虚無的な心にも
惹かれるようになります。
手に入りにくい小説で、長いので純文学がお好きな人でないと、ちょっと
ハードかもしれません。