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■社説: 改正道交法 飲酒運転の撲滅、改めて誓おう
飲酒運転やひき逃げなどの罰則の強化を柱とする改正道路交通法が19日、
施行された。福岡市で昨年8月、幼児3人が犠牲となる事故が起きた後、
飲酒運転追放の機運が高まったことを受けて改正したものだ。
事故後、刑法に新設された自動車運転過失致死傷罪に続く厳罰化でもある。
道交法は01年の改正でも飲酒運転やひき逃げの罰則が強化されたが、
今回はさらに酒酔い運転の罰則が「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」から
「5年以下、100万円以下」に引き上げられた。ひき逃げも「5年以下の懲役または
50万円以下の罰金」から「10年以下、100万円以下」に改正されたため、
▲今後は飲酒ひき逃げ事故を起こせば併合罪で▲最長15年の懲役刑に処せられる。
刑法には▲懲役20年を法定刑の最高とする危険運転致死傷罪が01年に導入されて
おり、飲酒運転など悪質運転で事故を起こせば、▲殺人、強盗などの罪にも匹敵する
重い刑罰に処せられるケースがますます増える。恐れをなして身を律するドライバーは
少なくあるまい。現に、飲酒運転事故は前回の道交法改正以降、▲減り始め、福岡の事故の
後は大幅に減少した。死亡事故は10年前の半数以下の水準に落ちている。
厳罰化によって、摘発を逃れようとひき逃げが増えたり、逃走中にさらなる事故を
起こす恐れもある。全国の警察は検問や盛り場周辺での取り締まりにこれまで以上に
力を入れ、事故の未然防止に努めなければならない。
道交法などは衝撃的な事故が起きるたび厳罰を求める世論を受けて改正を重ねてきたが、
故意犯の量刑とのバランス上、過失犯への罰則強化は限界を迎えている。
事故を防ぐには結局、モラルと順法精神に頼らざるを得ないと一人一人が肝に銘じたいものだ。
毎日新聞 2007年9月20日 0時06分
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