07/03/15 19:50:52 knVzCoIf0
>>167
よきかな、よきかな。汝、我を信ずること、年月久し。四年とはさても根気強く祈りしぞや。
たとえ我が姿なきつくりごとにしても、汝が信心のごとく厚くせば、などか霊のなからんや。
神は虚にして霊なり。神は敬うによりてその位(い)を増す。汝が志に免じ、霊ここに現れ、大願を叶えん。
そもそも汝は我と前世を同じくして、うがいをせぬ不掃除な口にて女の口を吸い、髭を剃らずに頬ずりをし、
あかぎれ足で雪のごとくなる柔肌の太ももをすりむいたる報いにて、醜男に生まれ出でたれば、
性(しょう)を変えねば色は利かずと知るべし。我はかねて子孫を残したく思えども、何を言うにもからだが
豆ほどなれば、我に添う女房なし。もっとも無量の女と交わりたれども、人の腎水にてよきことをせしゆえ、
我に子種があろう道理なし。しからば養子を迎えんと思えど、その志の堅固なる者なければ、
豆休一人にて朽ち果てんと嘆かしく思いしに、天、我を見捨て給わず、汝のような誠ある者、
我を祈ること祝着せり。いまより我が後を継ぎ、二代目の大豆右衛門となるべし。昔、仙女に貰いし妙薬の
飲み残し、一粒あれば汝に授けん。