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2020.10.20 17:48
日本年金機構の事務処理ミスによる過払い年金の返還請求手続きの状況を会計検査院が調べたところ、手続きの遅れで時効になったものが令和元年度までの4年間に計68件あり、試算ベースで約4345万円が回収不能になっていたことが20日、分かった。機構は、こうした事態を把握していなかった。
検査院によると、各年金事務所は過払い判明後、受給者に面会して返納を依頼。承諾が得られなかった場合、再び返納勧奨した上で、納入告知書を送っている。機構は、過払い判明から告知書送付までを原則として236日以内に行うよう定めている。
検査院は、機構が4年間に公表した200万円以上の過払い178件を調査。うち68件は、過払い分の全部または一部が支給日から5年の時効期間を過ぎており、請求できなくなっていた。
検査院は、各年金事務所の事務処理に対する機構本部の進捗(しんちょく)管理が不十分だとして改善を求めた。厚生労働省にも、指導監督を要請した。