23/05/07 15:21:17.93 +r8CZT9w.net
>>891
つづき
次に考えるべき問題としては, 極小モデル理論の高次元化であった. ところが, 森に
よる 3 次元の結果は特異点の詳細な分類結果 ([M3], [M4]) に大きく依存しており, 3 次元の手法をそ
のまま高次元化するのは不可能であった. 大発展の後の停滞期が続いたのである. 極小モデル理論の
初期段階からたくさんのアイデアを出し続けていた Shokurov が 4 次元の極小モデルの構成を完成さ
せたと主張したのは 2000 年頃であったと思う ([Sh4]). Shokurov の論文 ([Sh2], [Sh3], [Sh4]) はアイ
デアの宝庫であるが, その難解さも格別である. ケンブリッジのニュートン研究所での Shokurov の
論文 [Sh4] の解読セミナー [BOOK]1) を経て, ここ数年, Hacon と McKernan を中心に急激な発展が
再び始まった ([HM2], [BCHM]). 数年前までは当分解決不能と思われていた大予想が次々に陥落し
ているのである. 今回はその大発展の一端を紹介したいと思う. この 20 年間の Shokurov のアイデア
と, Siu による乗数イデアルを用いた巧妙な拡張定理の手法 [Si1] の出会いが, 今回の大発展の切っ掛
けである. 手っ取り早く大結果のひとつを述べておく.
定理 1 ([BCHM]) 略
(引用終り)
以上