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MATHEMATICS GRADUATE STUDENT NETWORK
このページでは、 数学に携わる大学院生の間でネットワークをつくり、 数学の研究活動に役立てて頂くとともに、 大学院生による運営委員会が主催する新人セミナーの案内を行うことを 目的としています。
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第1回城崎新人セミナー報告集 2004
入谷寛 京都大学 シンプレクティック幾何入門
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シンプレクティック幾何入門 入谷 寛 京都大学大学院理学研究科 2004
(抜粋)
本稿は城崎新人セミナーでの講演「シンプレクティック幾何入門」をまとめたもので
ある。講演ではアーノルド予想の理解を目標とし、周期ハミルトン系やフレア (量子)
コホモロジーについて簡単な解説を行った。したがって、シンプレクティック幾何入門
という目標にははるかに到達していない。さらに、筆者はハミルトン系やアーノルド
予想については素人であるため、間違いが多いと思われる。多くの指摘を頂ければ幸
いである。
1 シンプレクティック幾何学の起こり
シンプレクティック幾何学は、元々はニュートン力学を数学的に記述する枠組みとし
て生まれた。それが、オイラーやラグランジュ、ハミルトンらの発展させた解析力学
である。この節では解析力学からシンプレクティック幾何学への流れを簡単に説明す
る。解析力学のよい入門書は例えば [Onu] である。
この微分方程式系は、2 次元空間 (q, p) 内に関数 H(q, p)の定めるベクトル場があり、そ
の積分曲線を求めていると解釈できる。以下では、関数 H(q, p)の物理的な意味は忘れ
ることにし、任意の関数 H(p, q)に対して、微分方程式 (1) を考えることにする。この
ような形に書き表される系のことをハミルトン系と呼ぶ。
つづく