現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む76at MATH
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む76 - 暇つぶし2ch873:現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む
19/09/07 10:56:39.97 8WzaZQff.net
>>802
つづき
§5 有限の立場での∀と∃の意味づけ
こんどは,∀XF(X)とか∃xF(X)という形の命題の
真偽について考える。
自由変数は含まないが,∀や∃を含む命題の真偽は,
じつは,一般に,次の3つの場合にわかれる:
1) 真であると決定できる場合
2) 偽であると決定できる場合
3) 真とも偽とも決定できぬ場合
事実,∀や∃を含まぬ命題については,3)の場合はあ
り得なかった。しかし,∀や∃を含む命題を問題にする
以上,つねに3)の場合があり得ることを覚悟せねばな
らぬのである。
通常の立場では,自由変数を含まぬ命題の真偽は,わ
れわれがそれを決定できると否とにかかわらず,真か偽
のいずれかに定まっている,と考える(排中律)。
有限の立場では,われわれが直接に確認し得ないことを,
他の判断の根拠にはしない。
5. 直観主義的自然数論の基礎づけは,上述のような
常識的解釈だけでは困難である。命題の真偽に,より精
密な定義を与えることが必要となる。そして,それを実
行したのが,ゲソツェンによる"自然数論の無矛盾性証
明"である。ゲンツェンは,後に"証明"を改良し,証
明の外見からは"命題の真偽の概念"は見えなくなって
しまったけれど,裏には,同一の考え方が流れているこ
とに間違いはない。
ゲーデルが
Uber eine bisher noch benutzte Erweiterung des
finiten Standpunktes, Dialectica 12 (1958)
において与えた自然数論の無矛盾性証明も,直観主義的
自然数論の命題の真偽に1つの解釈を与えたものなので
ある。
(引用終り)


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