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[Q] コンピューティングパラダイムが変わると。
[久夛良木氏] Cellコンピューティングになると、家庭の中にスーパーコンピュータがあるのと同じことになる。これはすごいパラダイムシフト。
今、地球シミュレータクラスのを、IBMがグリッドコンピューティングでやっているけど、あれがもっとリアルタイムインターフェイスを持って家庭に来ることも可能になる。それ(演算能力)が何に使えるか、考えるとワクワクして来る。例えば、ロボットがその(Cellコンピューティングの)中にはいるのか、ロボットの制御になるのか、お話し相手になるのか、いろいろなことができる。AI(人工知能)に人間が期待できるようになる。
●マトリックスの仮想世界を実現する
[Q] そして、将来的には家庭の外へもCellコンピューティングを広げる。
[久夛良木氏] まずは家の中がCellコンピューティングになる。そこから外に繋げる時、今、ボトルネックになっているのは、ISPのエッジサーバーであったり、ロードバランサーであったり、プロキシサーバーであったりする。ここが変わらないと、相当バンド幅を限った上でのピアツーピアになってしまう。コンテンツシェアくらいのことしか出来ないかもしれない。
だから、それら(ISP)を、できたら同じ(Cell)アーキテクチャのシステムに変えていく。そうしてISPのサーバーが、その世代に変わってくると、今度は世界がピア・ツー・ピアになる。
今のレベルでも、音楽ファイルくらいならピア・ツー・ピアになっている。しかし、次はリアルタイムのやり取りをピア・ツー・ピアにする。そうすれば世界が変わると思う。
例えば、あなたの持っている(Cellの)パワーと僕の持っている(Cellの)パワーを合わせてなんかやろうと、そこまでいけば面白いかもしれない。これまでは、サーバーがなくちゃ出来なかったものが、クライアントの集合体が実は巨大な論理サーバーであると言うことになる。
我々としては、そうしたCellコンピューティングで、コンピュータのトポロジーを変えようとしている。その(ゲーム機の筺体の)中に、完結してひとつだけ入っているという世界から、10年間はひたすら並列コンピューティングの時代になるだろう。それだけの処理能力が必要とされている。10年間程度は、ものすごい勢いで加速するのではないか?