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「高齢者の生きる意欲を奪う訪問介護の時間短縮はやめて!」―在宅の高齢者にホームヘルパーが
調理などをする介護保険の訪問介護(生活援助)の基本時間を、いまの「60分未満」から「45分未満」に
短縮しようとしている問題で、要介護者の暮らしを考える会(櫻井和代代表世話人)は9日、同案の撤回を
求める要望書を厚生労働省に提出し、省内で記者会見しました。
「ヘルパーさんは助かります。家の者だけでは大変です」。家族に付き添われ車いすで会見に臨んだのは
東京都世田谷区で娘(69)と暮らす99歳の女性。女性は腰椎の圧迫骨折で歩けなくなり、毎日3回ヘルパーの
訪問を受けています。「(時間が減って)ヘルパーさんに洗濯をしてもらえなくなるなんて困ります」と訴えました。
ホームヘルパー歴20年の女性(56)は、厚労省が時間短縮の「根拠」としている“洗濯は平均16・6分”などの
調査について、「16分で終わる洗濯機はない。干す、畳むのすべてをこの時間ではできない」と批判。06年に
生活援助の訪問介護が削減され、いまでも利用者とコミュニケーションをとる時間がないとし、「短縮は高齢者の
生きる意欲を奪う」と告発しました。
東京医労連ヘルパー労組協議会北部地域ケアユニオンの渡邊一さん(62)は、ケアプランに決められたサービスが
60分で終わらず時間オーバーが常態化している現状を紹介。「さらに15分減ることはヘルパーに極限の労働強化を
強いる。賃金も減り離職に拍車をかける」と語り、短縮案の撤回を求めました。
ソース しんぶん赤旗 2011年11月10日
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