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野田佳彦首相が消費税引き上げについて、法案が成立した後、実施前に衆院解散・総選挙で民意を問う姿勢を明らかにした。
最初に明言したのは国外だった。なぜ堂々と国民に説明しないのか。
まず、これまでの消費税論議を整理しよう。菅直人前首相当時の六月に政府・与党は社会保障と税の一体改革に関連して
「二〇一〇年代半ばまでに段階的に消費税(国と地方)を10%にまで引き上げる」との方針を決めている。
後を継いだ野田首相は民主党代表選で消費税引き上げを正面に掲げて勝利し、首相の座を射止めた。
だから、多くの国民は野田政権が増税を目指していると理解している。
一方で、民主党政権はこれまで「消費税を引き上げるときは国民に信を問う」と繰り返し説明してきた。
だから、多くの国民は増税の是非に対する姿勢を総選挙で示す機会があると思っていた。
あいまいだったのは、肝心の解散・総選挙が法案成立後なのか、それとも引き上げ実施前なのかという点である。
そこを野田首相は二十カ国・地域(G20)首脳会合が開かれたカンヌでの記者懇談で初めて「法案が通って(から後の)実施前になる」と明らかにした。
会合では「引き上げ法案を二〇一一年度内に提出する」と公約し、行動計画にも書き込んだ。
帰国後、七日の衆院本会議で同じ考えを述べたが、これは順番が違う。まず先に負担する国民に向かって首相が誠意をもって話すべきではなかったのか。
従来の説明を素直に引き継ぐなら、野田政権は引き上げ法案を提出する前に解散・総選挙で国民の信を問うべきだ。
法案成立後の総選挙で引き上げ反対という国民の意思が示されれば、次の政権は新たに凍結法案を可決・成立しなければならなくなってしまう。(>>2-3へ続く)
中日新聞 2011年11月8日
URLリンク(www.chunichi.co.jp)
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