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★放射性物質:なぜ次々? 床下、理科準備室、地中から 届け出義務付け後も徹底されず
東京電力福島第1原発事故で市民が放射線を計測する動きが広がり、東京都世田谷区で
ラジウム226が相次いで見つかった。一連の騒ぎをきっかけに、別の場所では忘れ去られて
いた薬品の存在も明らかになった。元々、放射性物質は医療目的や塗料、年代測定などに
古くから幅広く使われている。戦後、利用に国の許可などを義務づける法律ができたが、
十分に徹底されていない面もあり、今後も同様に見つかる可能性がある。
発端は先月3日。線量計を持ち歩いていた区民から、世田谷区に「放射線量の高い場所が
ある」と通報があった。文部科学省などが調べると、民家の床下からラジウム226を含む
ガラス瓶数十本が見つかった。東京都新宿区の中学では元教諭から「学校に放射性物質が
残っているはず」と連絡があり、理科準備室で少量の硫酸ウラニルが見つかった。
自然界に存在するラジウムは、日本で最も多く使われてきた放射性物質だ。戦前から、時計や
計器を光らせる夜光塗料や、がん治療に効くとして体内に入れる針などに活用された。しかし
有害性が明らかになり、1958年施行の放射線障害防止法などで、文科省へ届け出または
許可(物質の状態により異なる)が義務づけられた。だがこの時、許可を申請せずにそのまま
所持され、その後持ち主が亡くなるなどして、放置されるケースが相次いだという。(つづく)
▽ソース:毎日新聞 2011年11月3日 東京朝刊
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