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新潟県津南町で30日にあった町議選で、東大大学院2年の桑原悠(くわはら・はるか)さん(25)が無所属で初当選した。
3月の長野県北部地震で被災した故郷の惨状が、政治家として立つ決断をさせた。
津南町は長野との県境にあり、人口約1万1千人。高齢化が進む雪深い町で、兼業農家の長女として生まれた。
母方の「じいちゃん」が田中角栄元首相の熱心な支援者で、そのエピソードを幼いころから聞かされた。
政治家を志していたわけではない。早大進学後の米国留学時に、オバマ現大統領の予備選挙を同世代の若者が
手伝うのを見て刺激を受け、東大大学院で公共政策を学んだ。関心は深まったが「数ある職業の一つ」に過ぎなかった。
立候補を決意した直接のきっかけは、東日本大震災の翌3月12日に起きた長野県北部地震。震源地の長野県栄村と
隣り合う津南町も震度6弱を観測した。道路や農地に亀裂が入り、住宅が傾いた。帰省して、惨状を目の当たりに。
財政や雇用などの問題も抱える「故郷を立て直したい」と思った。
内定していた地元の魚市場の就職は悩んだ末、断った。8月、被選挙権を得た満25歳の誕生日に都内のアパートを
引き払った。選挙戦はまったくの手弁当。地元中学の同級生たちがスタッフとなり、応援演説を買って出てくれた。
2位の2倍の得票でトップ当選だった。
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