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米大手テレビ「ABCニュース」が16日、米国人男性と日本人女性による国際結婚の破綻に伴う子供の親権問題を特集し、
日本政府関係者に波紋を広げている。
民事上の問題にも関わらず子供を日本に連れ帰った日本人女性を「誘拐犯」呼ばわりし、犯罪者に仕立て上げる演出だった。
1月の日米外相会談でも取り上げられるなど、今後、日米間の外交問題に発展しそうな雲行きだ。
番組は15日の午後6時半に放映を開始。16日も複数回にわたって数種類の映像を流し、1回最大約8分間放映された。
スタジオに米国人男性15人が登場し、女性司会者の質問に「海外派兵されて帰宅したら妻とともに子供がいなくなっていた」と訴え、
涙ながらに子供との面会を訴える参加者もいた。
番組は、米国人男性から提供を受けた子供の写真を手がかりに日本で取材した様子も放映した。
ある日本人女性が子供を自転車の荷台に乗せて移動するのを車で尾行。
ABCの女性記者が、「自分を誘拐犯だと思わないか」と英語で詰問、この日本人女性がたどたどしい英語で
「米国では生活できないので、子供を誘拐するか自殺するしかなかった」と答えさせている。
今年1月、ワシントンで行われた日米外相会談では、クリントン国務長官が前原誠司外相に、
子供の連れ去りに関するハーグ条約の早期締結を要請。前原氏は、「真剣に検討を進めている」と応じている。
日本人女性が子供を連れ帰るのは、米国人男性の家庭内暴力(DV)から逃れるケースもあるとされるが、実態は不明だ。
問題の背景には、子供もの親権に関する日米両国の国内法の違いがある。
離婚した場合、米国の州法では、合意があれば双方に親権が認められるケースが多いとされる一方、
日本では、民法の規定で離婚後は片方の親にのみ親権が与えられる。
ABCニュースは、米連邦捜査局(FBI)が誘拐事件として関心を持っていることにも言及。
全米規模のキャンペーンは、リコール問題で集中砲火を浴びたトヨタ自動車に続き、新たな“日本バッシング”の火種となりかねない。
在米日本政府関係者は「対日感情の悪化は避けられない」と気をもんでいる。