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>>331続き
<聖帝・仁徳天皇 民のかまどは賑いにけり>
仁徳天皇の四年、天皇が難波高津宮から遠くをご覧になられて
「民のかまどより煙がたちのぼらないのは、
貧しくて炊くものがないのではないか。
都がこうだから、地方はなおひどいことであろう」
と仰せられ
「向こう三年、税を免ず」
と詔(みことのり)されました。
それからというものは、天皇は衣を新調されず、
宮垣が崩れ、茅葦屋根が破れても修理も遊ばされず、
星の光が破れた隙間から見えるという有様にも堪え忍び給いました。
三年がたって、天皇が高台に出られて、
炊煙が盛んに立つのをご覧になり、かたわらの皇后に申されました。
「朕はすでに富んだ。嬉ばしいことだ」
「変なことを仰言いますね。
宮垣が崩れ、屋根が破れているのに、どうして富んだ、といえるのですか?」