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・スティーブ・ジョブズが急逝した10月6日(現地時間5日)の夜、お茶の水のデジタルハリウッド大学で
行われていた追悼記念イベントに向かった。スピーチを求められ、ひな壇に上がると、後ろの
スクリーンにはジョブズの写真が大写しで表示されていた。
その時、自分が置かれた立場を見て、私が思い出していたのは奇しくもちょうど12年前の同じ日の
スティーブ・ジョブズのことだった。
1999年10月6日(現地時間5日)の朝、ジョブズはデ・アンザ大学のフリント講堂の壇上に立っていた。
講演の開始直後、ジョブズの後ろのスクリーンに映っていたのは、ある日本人の写真だった。製品発表直前の
10月3日に急逝したソニーの創業者、盛田昭夫氏だ。脇には「Think different.」の文字が添えられていた。
ジョブズは沈黙の後、自分が若かりし頃、ソニーからいかに影響を受けたかをわき上がる熱い思いを抑えるような
口ぶりで語ると、最後に「今、我々が取り組んでいる製品が、天国にいる彼をほほえませてくれるとうれしい」と
結び、製品発表に移った。
※画像:URLリンク(itpro.nikkeibp.co.jp)
この時、発表されたのはiMac DVというパソコンと簡単に映像編集が楽しめるiMovieというソフトだった。
その15カ月後、2001年1月には、音楽を管理するiTunesとDVDを作成するiDVDというソフトも加わり、
ジョブズは「デジタルライフスタイル」時代の到来を予言した。 2001年の10月には、iPodも登場した。
ジョブズは、この製品で見事にソニーの精神を引き継ぎ、アップルを音楽業界をリードする存在に
仕立てていった。
今やコンシューマーエレクトロニクスの分野で、アップルに比肩する企業はない。それを直感
している世界中の人々が、アップルの株価を押し上げ、15年前に倒産寸前だった会社を、
時価総額で世界の頂点にまで達してしまった。
読者の中には、「iPhoneより凄い製品を知っている」という人がいるかもしれない。しかし大抵の
場合、それは技術あるいは仕様に注目した場合の話だ。(>>2-10につづく)
URLリンク(itpro.nikkeibp.co.jp)