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■【正論】政治評論家 屋山太郎 歴史の捏造に手を貸す朝日新聞
中韓両国の反日煽る教科書報道
≪その場凌ぎの政治の責任≫
新しい歴史・公民教科書から「従軍慰安婦」という言葉がなくなり、日本の官憲による
「強制連行」説も否定された。この二つの単語は戦中にはまったく存在しなかったもので、
戦後に捏造(ねつぞう)されたものだ。このウソを教科書に載せるに至った政治家・官僚は
深く反省すべきだ。
一九八二年六月に、教科書の「侵略」が「進出」に書き改められたと新聞・テレビが一斉に
報道した大誤報事件が起きた。このときの官房長官が宮沢喜一氏で、誤報だと
知っていながら、教科書検定に当たっては「近隣諸国に配慮する」との“宮沢談話”を
発表した。同年九月の鈴木善幸首相の訪中を控えて「ことを荒立てたくない」との
配慮からだったようだ。
その後、九二年に首相として宮沢氏が訪韓したさい、当時の盧泰愚大統領から
従軍慰安婦についての「歴史認識」を迫られ、同年七月、加藤紘一官房長官が
「慰安所の設置などで政府の関与があった」と公式に認めた。しかし軍が関与したとされる
文書は業者に対して「慰安所の衛生を万全にせよ」といった類の文書で、関与とはいえない。
さらに九三年には、河野洋平官房長官が「慰安婦を強制連行したことを認める」と
謝罪した。しかし“河野談話”の元となった日本の調査資料には「強制連行」を示す文書は
一片もなかった。後に石原信雄・官房副長官、平林博・外政審議室長が、慰安婦と称する
韓国側証人が一方的に述べた旨を証言している。
宮沢、加藤、河野各氏らは首相の訪中や訪韓を控えて、「とりあえず相手の言い分を
聞いて、この場を収めよう」という“その場凌(しの)ぎ”の連続だった。この無責任な
態度が史実を捏造して教科書に載せるという、許すべからざる事態を招いたのである。
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