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(>>1のつづき)
タッチ操作一つで情報が上下に流れ、画面が常に動く。動画も走る。テレビも見れる。ゲームに熱中する。
小さなコンピュータと化した携帯電話の中で、情報はたえず更新され、変化していく。私たちの視線は、
間断なく繰り返される「変化」に釘付けになってしまうのではないでしょうか。
人の目は、「動き」に引き寄せられます。例えばマラソンのレース。2時間を超える長い時間、ただ
「人が走るだけ」の競技を熱心に見続けてしまうのは、人も画面も常に動いているから。足の動きだけでなく、
入れ替わるランナー、背景の街路風景、すべてが変わっていく。
人の目は、動きと変化に惹きつけられ、それを追いかけてしまうのです。
では、スマホを産み育てたスティーブ・ジョブズ氏が、スマホによる事故多発のニュースを聞いたら、
いったいどう考え、どんな対処をしたでしょう。どんな知恵を出し、アイディアを実現したでしょうか。
ぜひ知りたいものです。
実は、彼はコンピュータ技術の革新者であると同時に、若い頃から禅への高い関心を持ち、しばしばスピーチなどで
禅の教えを引用してきました。アップル製品のデザインには一貫して、「ムダを省くシンプルさ」がありますが、
それも禅から学んだ点だとか。
禅とは、後世に負の遺産を残すことを良しとしない哲学です。思いもかけない「事故」という「負の遺産」を
生み出している現状について、故スティーブ・ジョブズ氏は天上からいったい何を思いつつ、眺めているのでしょう。
(おわり)