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日本刀の歌 欧陽修
昆夷は道遠くして復た通ぜず、
世々切玉を伝うるも誰か能く窮めん。
宝刀近ごろ日本国に出で、
越賈之れを滄海の東に得たり。
魚皮もて装貼す香木の鞘、
黄白閑雑す鍮と銅と。
百金もて伝え入る好事の手、
佩服すれば以て妖凶を禳う可し。
伝え聞く其の国は大島に居り、
土壌沃饒にして風俗好し。
其の先の徐福秦の民を詐り、
薬を採って淹留し丱童老ゆ。
百工五種之と与に居り、
今に至って器玩皆精巧なり。
前朝に貢献して屡々往来し、
士人は往往にして詞藻に工みなり。
徐福の行く時 書は未だ焚かず、
逸書百篇今尚存す。
令厳しくして中国に伝うるを許さず、
世を挙げて人の古文を識るもの無し。
先王の大典夷貊に臓す、
蒼波浩蕩として津を通ずる無し。
人をして感激して坐ろに涕を流さしむ、
鏽渋の短刀何ぞ云うに足らんや。