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「沖縄はゆすりの名人」などと発言したとして、米国務省日本部長を更迭されたケビン・メア元沖縄総領事の著書
「決断できない日本」(文春新書)が、沖縄で売れている。発売から1カ月。主な書店で売れ行き1、2位を争う。
憎まれっ子の本、世にはばかる。「安全保障の現実を見ろ」と上から目線で説く内容に共感しているわけではなさそうだ。
大手書店、ジュンク堂那覇店では7~13日の1週間だけで40冊売れた。ランク2位。本が売れないと言われる
沖縄では、通常の3倍以上の勢いだ。「沖縄では嫌われそうな内容なのに」と森本浩平店長は驚く。
県庁そばのリブロ・リウボウブックセンター店では、佐野眞一氏の「沖縄/だれにも書かれたくなかった戦後史」
(集英社文庫)を抑えて1位になった。
著書でメア氏は、日米同盟の重要性を繰り返し「沖縄は被害者意識ばかりを引きずっている」などと書く。
文春新書編集部の鈴木洋嗣部長は「沖縄へのアメリカの本音だ。地元ではこうした論調に触れる機会がなかったのでは。
だから売れているのでしょう」。
宜野湾市の伊波洋一・元市長は発売間もなく買った。「普天間飛行場の県外移設は受け入れられない」と公言する
メア氏は、いわば政敵だ。「売り上げに貢献するのは嫌だが、何を主張しているのか知っておく必要があると思った」
見過ごせないのは、飛行場に隣接する小学校を国が移転しようとしたが、伊波氏が「反対した」というくだりだ。
伊波氏は「政府が移転に動いたことはないし、私が反対したというのも誤りだ」と反論する。
「動かすべきは飛行場の方だ。周囲がみな危険な中で、小学校だけ動かすのは筋が違うと言ったことはある。
虚偽と分かっていることをあえて書き、都合の悪いことに触れない。沖縄を見下している」と話す。
琉球大の我部政明教授(国際政治学)は立ち読みで済ませた。「総領事時代に言っていたことの繰り返し。
パラパラめくって買う必要ないなと」
asahi.com:“政敵”著書 なぜか好調-マイタウン沖縄
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