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(>>1のつづき)
昨年秋に米国デビューしたエラントラの燃費性能は、高速走行モードでガソリン1ガロン
当たり40マイル(1リットル当たり約16キロ)と、新型シビックの同39マイルを上回る。
価格はエラントラ1万4945ドル(約115万円)に対し、シビックは1万5605ドルから。
ホンダ内部からも「エラントラの方が内装などの質感が上で、その差は金額にして
約2000ドル程度」(経営幹部)との声が漏れるありさまで、商品力で「完敗している」
(メリルリンチ証券の中西孝樹リサーチアナリスト)。
エラントラに遅れて開発されながら、完敗する車を出してしまった病根はどこにあるのか。
ある幹部は「開発部門が過去の実績にあぐらをかいていた」と分析。さらに「リーマン・
ショックを理由に、本来コストダウンをしてはいけないような研究開発領域も削減し、
ホンダらしさを失った」と反省する。
もちろん、震災影響以上の根本的な危機に、ホンダも対策に動き出している。
これまで子会社の八千代工業に委託していた軽自動車の生産を、本体の鈴鹿製作所
(三重県鈴鹿市)に切り替えるなど、商品づくりの抜本的な見直しに着手。米国の新型
シビックについても、本来4年後となる全面改良の前倒しや、2年後が見込まれる
マイナーチェンジで大幅改良に踏み切るなどの、てこ入れ策も検討されているもようだ。
ただ、ホンダ内からは「危機感が全社に共有されてない」との声も聞かれる。来年には、
シビックと並ぶ米国販売の二枚看板の「アコード」の全面改良が予定されている。
ここでもつまずけば、2010年度に全社の連結営業利益の5割超を稼ぎ出していた
北米事業の立て直しはおぼつかない。たとえ震災影響が解消しても、ホンダの
正念場はしばらく続きそうだ。(以上、一部略)