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■民主党政権とはなんだったのか
菅首相が退陣を決意し、1週間後にはこの国に新しい首相が誕生する。これを機に、“民主党政権とは
なんだったのか”を考えてみたい。
といっても、私は政治学の専門家ではないから、ここでは政治学者・飯尾潤氏の『日本の統治構造』*1 を
導きの糸としたい。同書は、この国がどのような権力関係よって統治されているのかを、政治家や官僚
への膨大な聞き取り調査(フィールドワーク)に基づいて検証した労作で、今後も長く日本の政治を語る
際の基本文献になるだろう。
*1:『日本の統治構造 ~官僚内閣制から議院内閣制へ~』飯尾潤 著 中公新書
URLリンク(www.chuko.co.jp)
飯尾氏は、日本の統治構造の特徴を“官僚内閣制”“省庁代表制”“政府・与党二元体制”の3つのキー
ワードにまとめる。これら3つの要素は互いに相補的な関係(ナッシュ均衡)にあり、安定的な(なかなか
変わらない)日本の“政治”をかたちづくっている。
そもそも議院内閣制とは、 民主的な選挙で選ばれた議員(国民代表)が議会を構成し、その議会に権力を
集中する仕組みだ。大統領制では大統領と議会に権力を分散するのに対し、議院内閣制では、議会主権に
よる権力の集中が行なわれる。
連邦債務上限問題をめぐる米議会の混乱を見ても明らかなように、アメリカの大統領は議会を統制する
権限をほとんど持っていない。日本に政治リーダーシップがないからといって、大統領制に変えても問題は
なにも解決しない。
議院内閣制では、議会内で多数を占めた政権党(政党連合)が内閣総理大臣を選出し、総理大臣は各省庁の
国務大臣を指名して政府を組織する。このような権力フロー(統治構造)からすれば、政府と政権党は一体
であり、議会内での対立は政権党と野党の間で起こるはずである。
(>>2-10につづく)
▼ガジェット通信 [2011.08.23 16:30:34]
URLリンク(getnews.jp)