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(>>1のつづき)
またトークショー後半は観客からの質疑に応じた。30歳代の男性からは「日本人の中には、
南京大虐殺はウソだとか捏造だと言う人がいます。県知事や国会議員、そしてたぶん元総理大臣も。
そのような声を聞いてどう思いますか?」との質問が出た。
陸川監督は「『事実ではない』と言う偉い方々にも、この映画を見て欲しいです」とアピールしつつ
「ちなみにドイツは、戦時中のユダヤ人の虐殺を認めて謝罪しています。罪を犯したら認めて、謝る。
それが本当の、上に立つ人の姿だと思います」と毅然とした態度で語ると、会場から拍手が沸き起こった。
また劇中、日本兵の角川(中泉英雄)が上官の蛮行を非難するような態度を見せることから、
実際に東京裁判で、総司令官だった松井石根大将が師団長らを集めて南京での兵士たちによる
暴行行為を管理できなかったことに対し「泣いて怒った」と発言したことを引き合いに出し「そうした
証言があったことを知った上で(角川のキャラクターを)描いているのか?」という突っ込んだ
質問もあった。それに対しても陸川監督は「私もその裁判記録は読んでいます。ただ、私の映画には
将校クラスの人物は登場しません。それは、権力者は自分のやりたいことや考えを自分で表現することが
できたからです。でも実際に戦時中、人を殺したり、命を落とした人たちというのは、自分の言葉を口に
出すことすらできなかった。戦争の被害者というのは、その沈黙者たちなのです」と、歴史に翻弄
させられた名も無き人たちにスポットを当てた製作意図を明かすと、会場は再び拍手で包まれた。
終演後、出演俳優のロウ・イエなど役者目当てで見に来たという静岡の女性(24)に感想を尋ねると
「日本人としては、この映画で描かれていることはうそであって欲しいと思っていたけど、トークショーを
聞いて事実に基づいていると知り、辛いですね」と複雑な表情を見せていた。また埼玉から来た女性(79)は
「こういう重い映画を、ぜひ若い人たちにも見て欲しいね」と力を込めて語っていた。(以上、抜粋)