11/08/16 23:44:58.09 H78fWmTb0
盆の時期、それに昼間の喧騒とは打って変わって、静寂だけが支配するプール。
生命の無常と輪廻を感じさせてくれる。周囲は白い月と黒い水面。
この対比がたまらなく叙情的で絵画的だ。
「女」を志向する精神とは裏腹に、彼の肉体にどうしようもなく存在する「男」。
如何ともしがたいこのもどかしさ。彼は黒い水面から月を見上げつつ嘆息したのだろうか。
それとも、水着と征服という女のみに許される「記号」を身に着けることで、しばしの間「女」に
なり替わることができたのだろうか。
彼が社会的生命と引き換えに得たものは何だったのか。
たとえごくわずかな時間にしろ、彼の魂が解放されていたことを願ってやまない。