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◆原子力予算、10年で4・5兆円 地元対策に4割、巨額税金で後押し
経済産業省や文部科学省など政府の原子力関係予算が、2002年度から11年度までの過去
10年間で4兆5千億円に上り、4割の1兆8千億円が「立地対策費」として、原発が立地する
自治体の地域振興などに充てられていたことが中日新聞の調査で分かった。国策である原発建設を
促すための「アメ」として、巨額の税金が使われてきたことになる。
原子力予算に詳しい専門家によると、日本の立地対策費は世界でもまれな制度という。財源は、
主に各電力会社が販売電力量に応じて支払う電源開発促進税。同税は電気料金に上乗せされ、
消費者が負担している。
予算上は国のエネルギー対策特別会計から支出されている。特別会計は一般会計に比べ、資金の
出入りが複雑なため透明性に欠け、むだの温床といわれる。「脱原発」の世論が強まる中、見直し
論議が進みそうだ。
本紙が入手した財務省の作成資料によると、立地対策費はここ10年、1800億円前後で推移し、
11年度は1826億円。6割以上の1100億円余りが、自治体の裁量で比較的自由に使える交付金だ。
発電実績などに応じ、原発などが立地する自治体に支給されている。
交付金は、学校や体育館など公共施設の建設に使途が限られていたが、国は03年度に医療、福祉
などソフト事業にも使えるよう法改正した。
本紙の調べで、経産省などは04年度以降も、法改正を必要としない規則の改正で交付範囲を拡大。
06年度からは運転開始30年超の古い原発が立地する福井、福島両県などを対象に、新たな交付金の
支給も始めた。
自治体側の要望に沿って交付範囲を拡大したが、原発の新増設が伸び悩む中、交付金を手厚くする
ことで経産省の予算を維持でき、省益の温存につながっている。
中日新聞 2011年8月14日 09時02分
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