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1億5000万キロかなたの太陽で生まれた嵐で、地球上の通信機器やGPSが
破壊される場合がある。さらに、数週間から数カ月にわたり一部地域で電力の
供給が途絶える可能性も否定できないという。
太陽風の荷電粒子の爆発的な放出を「太陽嵐」と呼ぶ。条件が揃えば、
太陽嵐によって磁気圏内(磁場に支配されている地球周辺の領域)に強い
電流が生成される。電力網は特にこの電流の影響を受けやすい。高圧
送電線に混入すると、変圧器がオーバーヒートを起こして故障する場合が
あるのだ。
アメリカの電力中央研究所(EPRI)で電力供給・利用部門の上級技術
管理者を務めるリッチ・ローダン氏は、「1度の嵐でも多くの変圧器が故障
すれば、交換作業は困難になり時間もかかる。われわれが心配している
点だ」と指摘する。「変圧器は巨大な設備なので、近隣に予備が保管され
ているとしても、交換作業まで2カ月かかる可能性がある。製造業者に
新規注文する場合は、半年から2年必要だろう」。
太陽活動が11年周期でピークに達する極大期が近づくにつれ、事態は
さらに深刻となる。次回の2013年前後には、強力な太陽嵐の発生する恐れがある。
最新の太陽観測衛星とコンピューターモデルを用いて太陽嵐の予測精度を
高める研究が進む一方、太陽嵐の警報にどう対応するか計画し、最悪の
ケースに備えて電力網の被害予測も作られている。
「磁気嵐の発生率は低いが、影響は甚大だ」とローダン氏は話す。「対策を
実行する必要がある磁気嵐の規模はどの程度なのか? データや、そこ
から合理的に導き出されるシナリオを基に考えると、送電網は太陽嵐が
発生しても機能すると私は考えている」。
つづく