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スターリンの対日情報工作 クリヴィツキー・ゾルゲ・「エコノミスト」 三宅正樹著
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日独防共協定の内容を締結前から完全に把握していたクリヴィツキー、東京を基点に
強大な情報網を築き上げたゾルゲ、そして、1941年6月に始まった独ソ戦以降の日本の
動きについて、核心に迫る情報をモスクワに流していた日本人スパイ「エコノミスト」。
スターリン体制下におけるソ連の対日情報工作の多面的な実相を描く。
日本が対ソ連戦の意図(北進)が無く、南進を企図しているという情報が如何にスターリン
(ソ連最高指導部)に伝えられたか、それが独ソ戦においてソ連の勝利に如何に貢献したか、
が本書の中心命題である。
主要な情報入手経路
├ゾルゲ(HUMINT)─ドイツ大使館や尾崎秀実(近衛文麿側近)から日本の外交・戦略を入手
├トルストイ(SIGINT+暗号解読)─日本外交機密電報(パープル暗号)解読
├クリヴィツキー(HUMINT+暗号解読)─日本外交暗号電文+暗号解読書→日独防共協定把握
└エコノミスト(HUMINT)─「帝国国策遂行要領(1941.9.6)」を先取ってスターリンに伝達
所属・経緯等
ゾルゲはドイツ共産党→ロシア共産党:コミンテルンから1929年にGRU(赤軍参謀本部第四本部へ移籍)
トルストイ(NKVD(後のKGB)の暗号解読部門)
クリヴィツキー(ソ連秘密警察諜報部ハーグ特務機関長)
└→後にスターリンを裏切り、ソ連の秘密工作活動を暴露するが、1941年ワシントンで不審死
エコノミスト 本書では高毛礼茂(たかもれしげる)説。他には天羽英二説がある。
└→第三次近衛内閣商工大臣左近司政三の北樺太石油幹部との昼食会(1941.9.2)に同席し、
その発言内容が「帝国国策遂行要領」を先取ったものであり、これがベリヤ経由でモロトフと
スターリンに伝達された、としている。