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テレビドラマや推理小説で素人の探偵が犯人捜しをすると、本職の刑事たちは当然お
もしろくない。探偵の情報も「捜査はわれわれに任せてください」と仏頂面で受けつけ
ない。あげくに、素人探偵が犯人を割り出し事件が解決しても、お礼やおわびの言葉一
つもない。
▼それはドラマなどの世界だが、現実社会でも「素人」の検察審査会に別の結論を出
されることは、検察にとってはなはだ不愉快なようだ。尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝
突事件で、那覇検察審査会が船長を強制起訴する議決をしたことなど特にそうらしい。
▼ビデオで漁船の非道ぶりを見た国民の多くは、審査会の結論を当然と思うだろう。
船長を起訴できなかった検察当局に不満を感じていた人たちは、推理ドラマの視聴者同
様に留飲を下げる思いかもしれない。だが当の検察や法務省当局の感覚は全く別のようだ。
▼法務省幹部は「(起訴しても)公判が開かれるのは事実上不可能だろう」と冷淡で
ある。起訴状を船長に届けるなど必要な手続きが中国側の協力なしにはできず、極めて
困難だ。そのことを指摘しているのだが、まるで「人ごと」のように聞こえる。
▼22日付の毎日新聞に載っていた「法務省関係者」のコメントはもっとひどい。
「船長が日本に来るわけはなく、どんな意味があるのか分からない議決」なのだそうだ。
まるで「素人は口を出すな」と言わんばかりで役人の傲慢ささえ感じさせた。
▼釈放した船長を公判に引っ張り出すのが無理ということは「素人」にもわかる。だ
がその船長をあわてふためいて帰国させたのはいったい誰だったのか。検察当局や政府
には審査会に不快感を示す前に、おわびの一つあってもいい。
■ソース(産経新聞)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)