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「菅嫌いではないか」
と、私のことを言われて考え込んでしまった。繰り返し菅直人首相の批判をしてきたのだから、そう映っても仕方ないのかもしれない。
しかし、好き嫌いの情緒論を優先させて首相の品定めをしているとしたら政治記者落第である。過去に、好きではないがAランクと評価できる首相もいた。
たとえば、佐藤栄作--。
三露久男元朝日新聞論説副主幹(前日本大学教授)が「月刊コミュニケーション」7月号に、<菅嫌い>の一文を書いている。
当コラムと、三露もメンバーの小会合で私がしゃべった政治談議を素材に批評したものだ。
<聞いていて私は、岩見さんは、菅直人という政治家の実力・実績よりも、その「人間」を嫌いなのだなと感じた。
岩見さんの挙げたのは、みんな菅さんのマイナス面を示す話ばかりだ。菅さんの政治家としての名を一躍高からしめたのは薬害エイズ問題だった。
こういうお手柄について、岩見さんは一言も触れなかった。
この「菅嫌い」は、結局のところ、岩見さんと菅さんとが人間として仲が悪い、相性が悪い、不倶戴天(ふぐたいてん)ということが、まずはじめにあるからではないか>
と三露は書いている。これは大きな誤解だ。
大事な点だから、正直に話さなければならない。菅は30年来の取材対象で、長時間話し込んだことが何度もある。菅に対する私の注目点は、
<野心的>と<切り込みの鋭さ>で、いずれも政治家としての魅力だ。
好悪の情はほとんどなく、気になる点としては、<要領がよすぎる>のと<親分的でない>ぐらいだった。
いずれも政治家が大成する条件として大切な人望のなさにつながり、弱点といえる。
まあ、その程度で、多くの成長株の一人とみてきた。好き嫌いは当然だれに対してもあるが、菅はそれが薄い対象だった。
<まずはじめに不仲が>という三露の指摘は当たらない。(>>2-3に続く)
毎日新聞 2011年7月23日 東京朝刊
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