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会社にいる限り、社内での人間関係は無視できない問題です。人間関係がうまくいかないと、
毎日が憂うつになったり、仕事に支障が出たりすることも。相手との間に溝を感じてしまうとき、
そこにはどんな理由があるのでしょうか? 新入社員向けのコミュニケーション研修なども手がける
ビジネスコーチの鈴木誠一郎氏にお話を伺いました。今回は、上司との関係について考えてみましょう。
上司との人間関係で溝ができる最大の理由として、世代間ギャップが考えられます。
実際、両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか?
「たとえば、今40代の上司世代は、新入社員のときから『叩かれて育った世代』です。
当時はバブルのまっただ中で、作れば売れた時代でした。右肩上がりの経済成長が続き、
いずれは出世できると信じられていたので、それで問題がなかったのです」(鈴木氏)
未来に大きな希望が持てた時代だったからこそ、厳しくされてもがんばろうというモチベーションが
保てたということでしょうか。
「一方、現代の若者世代は、物があふれ、しかも少子化が進む中で大切に育てられてきました。
叱られた経験がほとんどないことから、ちょっとした否定的な言動がキッカケで、
へこんでしまい意欲をなくすということがありがちなのです」(同)
終身雇用制度の崩壊や成果主義の導入で、上司世代のような「我慢してがんばれば、
いつかは報われる」という希望を抱きにくくなっている面もあるのかもしれません。
「上司の中にはこうした違いを理解していない方もいるのが実情です。自分が新入社員の頃に
先輩や上司からされたのと同じ感覚で、『何回言ったら分かるんだ』、『こんなことができなくては
先が思いやられるな』、『それくらいの根性がないとダメだろ』など、人格を否定するような言葉を
使ってしまうことがあるものです」(同)
せっかく就職した会社を3年も経たずに辞めてしまう、いわゆる早期離職者問題も、こんなギャップが
一因になっているのかもしれません。鈴木さんが手がける管理職コーチング研修では、こうした問題を
解決するため、上司の側も若者との接し方について考え直してみようという内容を取り上げているそうです。
(>>2以降に続く)
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