11/07/15 18:22:01.60 0
(>>2のつづき)
ボーナス格差が開いたわけではなく、全体的に支給額が下がっているというのだ。ちょっと意外な
話だが、年収全体ではどうなのだろう?
北見さんが、年代や階層ごとにリーマンショック前後の年収を比べたところ、グラフはみな同じ
傾向を示していた。どれも年収の低い層が増え、高い層が減っていたのだ。
たとえば30代一般男子の年収を見ると600万円未満の人は28%から19%に減った。かたや
400万円未満の人は15%から29%に跳ね上がっている。愛知県で働く30代の一般男性社員は、
3人に1人が年収300万円台以下になってしまったのだ。
「低年収層が増え、高年収層が減ったということは、全体が低年収化しているということ。
つまり日本は格差社会になったのではない。リーマンショックをきっかけに『低年収社会』に
突入したのです」。
さらに、働く人びと全体の給与合計の推移を追うと、とんでもないことがわかった。
1998年、働く人々全体の給与は222兆円だった。それが2009年には192兆円にまで
落ち込んでいたのだ。この10年余りの間に日本人は30兆円もの給与を失ったことになる。
ショッキングなのは50代一般男性社員の年収中央値だ。
「530万3000円から480万7000円とおよそ51万円減っている。ついこの間まで、大都市圏に
勤務する50代男性は、一般社員であっても年収500万円はなんとか確保できていた。
ところがリーマンショック以後は、ついにその水準を切ってしまったんですよ」
北見さんの見方はこうだ。
日本の社会保障制度は「有業者の夫と専業主婦の妻と2人の子ども」という標準モデル世帯を
前提に成り立っている。夫の年収として想定されているのが500万円だ。
しかし、財源となるべき人々の収入は、想定した金額を下回るようになってしまった。今後、現行の
社会保障制度を維持するのはますます難しくなるだろう。ちなみに、愛知のみならず、東京や大阪でも
50代一般職男性の年収中央値は500万円を切っているそうだ。その他の地方都市ではすでに
400万円未満というところも増えている。(>>4-15につづく)