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・待ちに待った夏のボーナスが出た。その一方で「もともとボーナスなんかないし…」「制度はあるけど、
出なかったし…」という人もいる。
じわじわと広がっているように見える「ボーナス格差」。賃金・人事コンサルタントで北見式賃金研究所の
代表を務める北見昌朗さんに話を聞いてみた。
「信じられない。ボーナスも出ない会社に勤めているなんて…」。
山崎愛美さん(仮名・31歳)は最近付き合い始めた彼氏と、かなりうまく行っていた。結婚も真剣に
考えていたらしい。ところが、つい先日彼に「ボーナスいくら出た?」と聞いたところ、「今年は
出なかったよ」という返事が―。
母親にそのことを話すと「そんな人と付き合うのはやめなさい、結婚してボーナスが出なかったら
マンションだって買えないじゃないの!」と交際を反対されたという。
経団連の発表を見る限りは、2011年夏のボーナスは「太っ腹傾向」のようだ。大手企業
120社の今夏の平均妥結額は79万3457円。前年を上回る結果となった。
その一方で、雀の涙しかもらえない人や、まったく支給されなかった、という人も。筆者なども
フリーランスなので、バーゲンにも行けない悲惨な有様である。
会社によって大きな差がつきやすいボーナスだが、一方で官民の格差もある。
北見さんはこんな話をしてくれた。
「会社ではボーナスを『賞与』と呼びますけど、公務員の間では『期末・勤勉手当』と呼ばれる。
会社員の場合と違い、彼らのボーナスは給与の一部としてしっかり保証されています。
また、公務員の場合、4月に入ったばかりの新人でも6月にはばっちりボーナスが支給されます。
これに対し、大企業の新人は入社年の夏のボーナスはゼロで、冬から出る。一方、中小企業の場合は
夏、冬ともに出ません。翌年夏から支給されます」
なにしろ中小企業の経営実態は依然苦しい。東京商工リサーチの調べでは、今年5月、6月の企業倒産
件数は2ヵ月連続で前年を上回った。「ボーナスどころじゃない」という会社も相当あることだろう。
その実態は、経団連の統計には一切反映されていない。(>>2-10につづく)
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