11/07/14 02:13:57.51 kKyAiQSW0
首相が記者会見で「脱・原発依存」の方針を打ち出したが、時期も分らない中身のない話だった。
彼が宣言するまでもなく、日本で原発の新規建設は当分、無理であり、脱原発は進むだろう。
問題は、「それを何で埋めるのか?」ということだ。
けさの朝日新聞は1面で、「原発ゼロ社会」なるものを提言しているが、
その中身はまた「原発か自然エネルギーか」という勧善懲悪のプロパガンダである。
朝日新聞のいうように原発をゼロにしたら電力供給は3割減るが、
再生可能エネルギーでそれを埋めることができるのだろうか?
そんなのは何度も繰り返されたお伽話である。
再生可能エネルギーのブームが始まったのは70年代の石油危機の後だが、
それから30年以上たっても再生可能エネルギー(水力を除く)は日本の発電量の1%しかない。
30年間で1%にしかならなかった「死に筋」の技術が、今後その30倍になるはずがない。
2030年で発電量の5%ぐらいだろうというのが専門家の見立てだ。
原発の穴を埋めるのは再生可能エネルギーではなく、ガスタービンだというのが大方の予想である。
「シェールガス革命」によってその単価は石炭より安くなり、
シェールガスも含めた天然ガスの埋蔵量は250年以上あるという。
1年かかって原発の10時間分ぐらいしか発電できない「メガソーラー」はオマケでしかない。
しかし日本では、天然ガスのコストが高い。液化してLNGタンカーで運んでいるからだ。
だから首相が本気で脱原発を進めるつもりなら、再生可能エネルギー法案なんかどうでもよく、
サハリンとの間に天然ガスのパイプラインを敷設すべきだ。これによってガスはさらに安くなり、
多くのユーザー企業や独立系のPPSに利用可能になり、電力自由化も進む。
市場メカニズムによって原発を駆逐することが、自由経済におけるまっとうな経済政策である。
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〔上武大学特任教授、SBI大学院大学客員教授 池田 信夫〕
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