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わが家に「エリザベス」が来て１年。雨上がりには、裏庭に立つ
“彼女”の様子を確かめるのが日課になった。身長１４０センチ。
細身ながら、たっぷり２００リットルの水が入る。エリザベスは
英国製雨水タンクの商品名だ。
「家庭で貯水し、都市型洪水を防ぐ実験です」。設置に訪れた
福岡大工学部の男子学生が説明してくれた。私は実験に協力する
モニター１０８人の一人。エリザベスの水をせっせとまくのが役割だ。
小さな庭だから、一度満水になれば４、５日は持つ。雨水の恵みを実感した。
この春、学生は実験データを卒論にまとめた。それによると、
一帯の２万５千戸にタンクを置けば、近くの川の氾濫を防止できるという。
庭には緑が増え、水道代も節約できる。「大震災で水道が止まったら、
飲み水にもなります」。
学生は今、町役場職員。「雨水タンクの助成金制度を導入したい」。
実験は継続中らしい。
＝2011/07/13付 西日本新聞朝刊＝
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