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(>>1のつづき)
東北や北関東の原乳の生産地では、出荷制限解除後も自治体が原乳のモニタリングを継続している。
検査方法は4月4日に政府の原子力災害対策本部から出された指示に沿っており、各生産者からの
原乳が集まる「クーラーステーション(CS)」、または乳業工場でサンプルを採取、分析する。
福島県では7月に入ってからも3回の検査を実施し、結果を県のウェブサイトで公表しているが、
いずれの回も対象となったCSや乳業工場で放射性物質は不検出だった。茨城県でも7月1日に
検査を行い、結果は「検出せず」。こうなると、仮に福島や茨城産の原乳を西日本に運んで混ぜた
としても、そもそも放射性物質が検出されなかったのだから「放射能を薄めた」とは言えないだろう。
■西日本への大量輸送「報告はありません」
原乳の生産者団体である中央酪農会議に、武田教授のウェブサイト上での発言について聞いてみた。
担当者は「ウェブに書かれていた内容を読んだ限りでは」としたうえで、こう反論した。「汚染された
牛乳とは『暫定規制値を超えたもの』だと理解しましたが、これは市場には出回りません」。外に
出ないから、別の乳と混ぜ合わせることもできないはず、というわけだ。
中央酪農会議によると、原乳は「鮮度が命」なので、生産地に近い工場に運ばれて加工されるのが
基本だが、例えば首都圏のように消費が多い地域では、近郊の生産量だけでは賄いきれない。
そのため、一大供給地の北海道からいったん関東の拠点に送り、そこから近郊各地へと出荷する
ことはあるようだ。同様に消費量が多い大阪でも同じ措置が取られるが、その場合の主な供給地は
九州だという。東日本から西日本へ原乳を供給するケースも皆無ではないが、「震災にともなって、
大量の原乳が西日本に運ばれたという報告は、これまで入っておりません」と同会議の担当者は首を
かしげる。
(>>3-10につづく)