11/07/12 00:24:29.47 0 BE:2037101478-PLT(12066)
>>1(の続き)
これをどう評価するか。一連の「雅子さま」「愛子さま」報道に傷ついた天皇家の名誉挽回といった解説もあるだろうが、
筆者は戦後憲法の精神にふさわしい天皇家本来の仕事をしていただいた、と感じた。
今回はその賢い使い分けがあった。時の政治権力そのものの動きが鈍かっただけに、天皇という権威が健全に動き、それを巧みに補った。
次に憲法第9条「自衛隊」である。専守防衛に徹し戦後1回も戦争を戦ったことのない部隊が、この大震災では国民の生命、
財産を守るために大車輪の活躍をした。何といっても10万人というかつてない規模のオペレーション、しかも陸、海、空自の初の統合運用をクリアし、
2万人米軍の友だち作戦で日米安保を事実上、有事対応させた。
戦後の国民の願いは何だったか。ジェノサイド、大空襲、原爆投下、飢えと人権抑圧をもたらした、あのような無謀な戦争には2度と手を染めたくない。
抑止力としての戦争能力は一定程度必要としても、むしろ、天変地異や大災害で既成の秩序が混乱、あらゆる公共サービスが寸断された時に、
自己完結機能を持った自衛隊に活躍してもらいたい。
今回、自衛隊はこの国民の期待に高い士気とモラルをもって応えた。3・11からこの間、1万9286人を人命救助、2万3370人の医療支援に当たった。
生活支援では、3万2985トンの給水を行い、471万人分の食事を配給し、21カ所で97万人に入浴のサービスを行った。
ガソリン不足にも対処、ドラム缶にして6000本分の燃料を公的機関に補給した。この大災害で行方不明になった国民に対しては、
海の底から瓦礫の隅々まで、下水の配管から縁の下まで徹底した捜索を展開し、9500人の遺体収容も行っている(いずれも7月1日現在の数字)。
◇首相の座を活用し尽くす
3つ目に、憲法第67条「首相指名」である。この指名は「衆院で他のすべての案件に先立って行う」とされ、
首相の地位の重さを最大限表現する条文となっている。小泉純一郎政権の後、首相はほぼ1年で交代、その座が軽くなって久しい。(>>3-6へ続く)
毎日新聞 2011年7月11日
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