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文部科学省が福島第一原発事故直後の三月十七日以降、現在は計画的避難区域に指定されている福島県浪江町山間部
の赤宇木(あこうぎ)地区で放射線モニタリング調査を実施し、当初は毎時一五〇マイクロシーベルト以上の高線量
であることを把握しながら、一カ月間も具体的な地名を公表していなかったことが分かった。政府の隠ぺい体質が多
くの被ばく者を生んだ可能性がある。
同省は、所管する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で、原発から北西の赤宇木や飯舘村
方面に放射性物質が流れている事実を察知。これらの情報に基づき、赤宇木地区の調査を開始した。
三月十七日の放射線量は毎時一五八~一七〇マイクロシーベルト。だが、文科省ホームページで公表された資料では、
赤宇木の地名は明らかにされず、「【32】(約三十キロ北西)」とだけ記された。
文科省が、地名を明らかにしたのは、約一カ月後の四月十一日分から。測定データは、経済産業省原子力安全・保安院など
に送られたが、一帯が計画的避難区域に設定されるまでは、ほとんど住民の避難に活用されなかった。
赤宇木の今月四日午前の測定値は毎時一七~三六マイクロシーベルト。二十キロ圏外の測定ポイントの中で最も高い値を示
している。
文科省の担当者は「現地の住所表示が粗いので、測定ポイントを記した地図を公表した。地名を明らかにしたのは住民の問
い合わせが多くなったからだ」と話している。
▽東京新聞(2011年7月6日 06時59分)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)