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【医の常識非常識】不健康な生活習慣の方が、がんに対するリスクは高い
★放射線障害(下)
福島第1原発事故による放射性物質の健康障害について考えてみたい。最初に問題となった
放射性ヨウ素(I-131)は、体内に入るとほとんどが甲状腺に蓄積されるので、内部被曝による
遅発性の甲状腺がんになる可能性がある。特に甲状腺にヨウ素を取り込んでいる成長期の
子供は要注意ということになる。
3月19日に放射性ヨウ素が検出された福島の牛乳や茨城のホウレンソウが集荷停止となり、
野菜を中心に風評被害が発生した。3月23日には東京・金町浄水場の水道水から乳児を
対象とした暫定規制値の2倍を超える放射性ヨウ素が検出され、首都圏のスーパーや
コンビニの棚からペットボトルの水が一斉に消えてしまった。
放射性ヨウ素の物理学的半減期は8日と短いので、放射性ヨウ素による土壌や食品の汚染は
期間限定といえる。実際、放射性ヨウ素による汚染は、最近、あまり話題にならなくなってきた。
放射性ヨウ素に代わって登場したのが放射性セシウム(Cs-137)である。5月16日に
神奈川の足柄茶から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。放射性セシウムが
体内に入ると筋肉などに蓄積される。物理学的半減期は30年と長いが、生物学的半減期は
200日以下なので、時間の経過とともに人体から排出していく。
放射線による暴露とがんの関係について、医学的には一生の間に100ミリシーベルトを超えると
がんで死亡するリスクが0・5%高くなるといわれている。しかし、これ以下の放射線に長期間暴露
した場合についてのリスクは、いまのところ統計的な証明はなく、はっきりしていないことが不安の
要因となっている。
しかし、ひとつだけはっきりしていることがある。それは野菜不足や塩分の取りすぎ、喫煙といった
不健康な生活習慣の方が、がんに対するリスクは放射線よりはるかに高いということである。
(新渡戸文化短大学長・中原英臣)
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